いきなり1級建築施工管理技士は可能?勉強方法や注意点などを解説

「2級の試験を飛ばして、いきなり1級に挑戦するのって現実的に可能なのかな?」
「未経験で現場の実務経験に自信がないけど、1級建築施工管理技士補に合格できるのかな?」

受験資格の改定があって19歳以上であれば基本的に1級建築施工管理技士の一次試験を受験することができるようになりました。こういった背景もあり、2級建築施工管理技士を飛ばしていきなり1級建築施工管理技士に挑戦する人が増えています。

ただ、こういった挑戦をする際に、

・いきなり1級に挑戦する際のメリットとデメリット
・勉強時間や勉強方法
・学習を進める際の注意点

といったところは気になりますよね。そこで今回は1級建築施工管理技士に挑戦するメリットとやデメリット、どんな人が向いているのか?勉強時間や勉強方法、注意点やよくある質問などについて詳しく伝えていきます。

目次

2級を飛ばしていきなり1級建築施工管理技士に合格することは、現実的に可能?

結論から申し上げますと、2級建築施工管理技士の試験を飛ばしていきなり1級に合格することは、現実的に可能です。
※この章でお伝えする「現実的に可能」というのは受験難易度という意味です。

筆者自身も、建築ではありませんが、1級電気工事施工管理技士の試験において、2級を経由せずにいきなり1級に合格した経験を持っています。また、筆者がこれまで資格取得の支援をしてきた中でも、実務経験のない未経験の状態から、いきなり1級建築施工管理技士の第一次検定に合格している事例も複数見てきています。

誤解を恐れずにお伝えすると、施工管理技士の試験はしっかり勉強すれば誰でも受かります。

実務経験が浅い人でも、実務経験が無いに等しい人だとしても、正しい勉強方法で適切な勉強時間を確保すれば合格します。一方で、実務経験が豊富な人だとしても、勉強をしなければ落ちます。

これは2級であろうと1級であろうと同じです。

2級と1級の違いは受験範囲の広さです。その受験範囲をカバーする勉強さえやり切ることができれば、未経験であっても、2級を経由しなくとも、合格することができます。

1級建築施工管理技士の受験資格

続いて受験資格について見ていきましょう。

受験資格は第一次検定(旧:学科試験)と第二次検定(旧:実地試験)で大きく異なるため、それぞれ分けて確認が必要です。

一次試験の受験資格

第一次検定については、受験する年度の末日において19歳以上であれば、学歴や実務経験に関わらず誰でも受験が可能です。

二次試験の受験資格

第二次検定を受験するためには、第一次検定に合格していることに加え、特定の実務経験年数を満たす必要があります。ここが、多くの受験者が注意すべき最も重要なポイントです。

第二次検定の受験資格は、最終学歴や保有する資格(例えば2級建築施工管理技士の有無)によって細かく規定されています。下記リンクから公式サイトに飛び、自分自身が二次試験の受験資格を満たすかどうかは必ず確認するようにしましょう。

▼こちらから必要な実務経験を確認することができます▼
参考リンク:一般財団法人 建設業振興基金 施工管理技術検定

いきなり1級建築施工管理技士に挑戦するメリット

2級をスキップして1級に直行するルートは、難易度は高いものの、その分だけ大きなリターンが得られます。主なメリットは以下の4点です。

【メリット①】総合的な勉強時間が少なくて済む

2級合格後に1級を目指す場合、2級の勉強時間と1級の勉強時間の両方が必要になります。しかし、最初から1級に挑戦すれば、2級のための学習時間を丸ごとカットできます。

施工管理技士の勉強は、基本的に本業である施工管理業務と並行して進めることになります。そのため、いかに効率よく、総合的な勉強時間を少なく抑えられるかは非常に重要です。全体で見たときの勉強時間を短縮できる点は、大きなアドバンテージとなります。

【メリット②】資格取得の出費も安い

2級と1級を段階的に受験する場合、それぞれの受験料、テキスト代、人によっては通信講座の費用などが二重にかかってしまいます。

いきなり1級を受けることで、単純に2級試験の受験費用が不要になるだけでなく、2級専用の教材費や通信講座代といった資格取得に関する出費を抑えることができます。

受験費用やテキスト代自体はそこまで高い訳ではありませんが、何回か落ちて再受験をすることになると費用としては高くなってしまいます。また、通信講座などを購入する場合はかなり費用として高くついてしまうので、受験費用を抑えたい方はいきなり1級に挑戦するのが向いています。

【メリット③】会社で一目置かれる存在になれる

施工管理技士の資格は、2級を経てから1級を目指すのが一般的な流れです。その中で、2級を飛び越えていきなり1級に合格したという事実は、社内や現場において大きなインパクトを与えます。

「あの人はすごい」
「知識や実力がある」
「学習を継続する力がある」

と評価され、一目置かれる存在になることで、普段の業務や現場での立ち回りもスムーズになり、自信を持って仕事を進められるようになります。

【メリット④】転職時に大きな武器になる

1級建築施工管理技士は、施工管理系の資格の中でも最上位クラスの評価を得られます。この資格を保有していることは、以下の能力を証明する強力な武器となります。

  • 知識・実力:高度な施工管理知識を有していることの証明。
  • 成長意欲:難関資格に正面から挑戦し、短期で取得したという強い成長意欲。

転職時に選べる会社の選択肢が広がるのはもちろん、転職時の年収査定にも大きく跳ね返ってくる可能性が高く、キャリアアップに直結するメリットです。

いきなり1級建築施工管理技士に挑戦するデメリット

大きなメリットがある反面、いきなり1級に挑戦するからこそ直面しやすい特有のデメリットも存在します。挑戦する前に、以下のリスクを把握しておくことが重要です。

【デメリット①】学習範囲の広さ・難しさに苦労して挫折しやすい

1級建築施工管理技士は、2級と比べて学習範囲が広く、出題内容の専門性や難易度も高いです。

特に、現場経験が浅い、または未経験の状態から第一次検定に挑戦する場合、専門用語の解説や工法の説明を読んでもなかなかピンとこず、理解に時間がかかります。この「広範囲で難しい内容」に直面し、「自分には無理かもしれない」と挫折してしまう可能性が高くなる点が、最大のデメリットと言えます。

【デメリット②】2級を経由しない分、資格勉強の勘所を掴むのが難しい

施工管理技士の試験は、2級も1級も形式や出題傾向に共通する部分があります。

2級を先に受験している人は、

「この資格試験はこういう形式で出る」
「こういう勉強の進め方をすれば効率が良い」

といった試験勉強の”勘所”を掴んだ状態で1級に臨めます。

しかし、いきなり1級から入ると、「資格試験の勉強方法」と「専門知識のインプット」の両方を同時に手探りで進めることになり、効率的な学習ルートを見つけるのに苦労し、結果的に勉強期間が長引く可能性があります。

【デメリット③】2級建築施工管理技士の資格手当の機会損失

1級の第二次検定を受験するためには、長い実務経験期間が必要です。2級を飛ばしていきなり1級を目指す場合、「実務経験期間=無資格期間」となる時期が長くなります。

もし、この期間に2級建築施工管理技士を取得していれば、その期間中は2級の資格手当を受け取ることができたはずです。1級合格までの長期的な実務経験期間において、2級手当を受け取れる機会を損失してしまうため、トータルで見ると損をしていると感じる可能性が生じます。

また、いきなり1級に挑戦して不合格になってしまう場合もあります。

そうなると更に無資格期間が延びてしまうので、短期間でもキャリアアップを目指す方からすると損な期間が長引いてしまいます。

いきなり1級建築施工管理技士を挑戦するのに向いている人のチェックリスト

これらを踏まえた上で、派遣の施工管理に向いているかどうかのチェックリストを用意しました。

各質問に対する答えがYESなら◯をつけ、最後に◯の数をカウントしてください。

いきなり1級建築施工管理技士の受験に向いているかチェックしてみよう!
質問当てはまるものに◯
2級の勉強時間を短縮したい人
すぐにキャリアアップしたい人
現在の現場の残業時間が短い人
受験資格の実務経験年数を満たしている人
自己学習の習慣が確立している人
学習費用を抑えたい人
現場メンバーから一目置かれたい人
勉強は苦手なので一回の受験で終わらせたい人
過去に資格取得の経験がある人
より高い給料を稼いでいきたい人
(右の列の◯の数の合計)

◯の数が多いほど、いきなり1級建築施工管理技士の受験に向いている可能性が高いと考えてよいでしょう。

いきなり1級建築施工管理技士に挑戦する時の注意点

いきなり1級に挑戦する人は、難易度の高さと学習範囲の広さから、挫折しやすいというリスクがあります。筆者がこれまでに見てきた成功・失敗事例に基づき、必ず押さえておくべき注意点をお伝えします。

【注意点①】計画的に対してなるべく前倒しで勉強を進める

いきなり1級に挑戦する場合、必要となる勉強時間は多くなりがちです。

試験日から逆算して、「いつまでにどこまで終わらせるか」という具体的な学習計画を立ててから勉強をスタートしてください。例えば、申し込み期間(概ね2月頃)から試験日まで、毎日1時間程度の勉強を継続できれば合格ラインに到達できる、という意識で計画を立てましょう。

また、多くの人は施工管理の業務と並行して資格の勉強を進めることになります。施工管理の業務特性上、現場でイレギュラーが発生して、急に忙しくなることも多々あります。

だからこそ、計画に対してなるべく前倒しで勉強を進めておくことが大事です。

【注意点②】分からない問題に執着せず前へと進む

1級の学習範囲は非常に広範であり、特に未経験の分野や専門外の工法など、耳馴染みのない用語が必ず出てきます。

難関資格に合格するためには、過去問を繰り返し解き、出題パターンと知識を定着させることが何よりも重要です。

一つの問題に完璧に執着しすぎると、過去問をこなす「回数」が減ってしまい、全体のペースが遅れます。「5分考えて分からなかったら次に進む」など、時間制限を設けて、まずは全体を複数回まわす効率的な学習を心がけましょう。

【注意点③】二次試験に関しては受験資格を満たすかしっかり確認する

第一次検定と異なり、第二次検定には厳格な実務経験要件があります。

学歴、実務経験の種類、そして必要な年数は制度によって細かく規定されています。申し込みの前に、自身の実務経験が第二次検定の受験資格を確実に満たしているかを、公式の情報を基に必ず確認してください。

【注意点④】二次試験の記述は適切なフィードバックを貰う

第二次検定には、選択式問題に加え、記述式(経験記述)の問題が出題されます。

第一次検定のように明確な正解がない記述式の問題は、「どういう形式で回答すれば点数が取れるか」という型を学ぶ必要があります。

  • 独学で自己満足に陥らないこと
  • 適切な表現や構成ができているか

を確認するためにも、会社の先輩や上司など、既に1級建築施工管理技士を持つベテランに自分の作成した記述を見てもらい、客観的で適切なフィードバックをもらうことが合格への近道です。経験の浅い自分自身が作成した記述よりも、経験豊富なベテランの視点が入ることで、より質の高い記述を作成できるようになります。

1級建築施工管理技士の勉強時間と勉強方法

いきなり1級に挑戦する場合、学習の計画性が合否を分けます。試験の特性やご自身の経験度合いに応じて、最適な学習時間と方法で取り組んでください。

一次試験の勉強時間

第一次検定の合格に必要な勉強時間は、個人の知識レベルや現場経験によって異なりますが、目安として以下を参考にしてください。

  • 最低ライン:100時間
  • 未経験から挑戦する場合:150時間程度

仮に、受験申し込み(2月頃)から試験開始までを約5〜6ヶ月とすると、1日あたり1時間の勉強を継続できれば合格ラインに到達可能です。しかし、勉強に慣れていない人は日々の継続が難しい場合があるため、計画を立てた上でなるべく前倒しで勉強を進めることが重要です。

一次試験の勉強方法

第一次検定の学習は、過去問の徹底的な反復に尽きます。

勉強方法の要点詳細
基本戦略繰り返し過去問を解きまくること。
推奨目安過去7年分の過去問を5周することを意識してください。
意識すべきこと試験では過去問と似た問題や形式が繰り返し出題されるため、解答のパターンと知識を定着させることを意識してください。

二次試験の勉強時間

第二次検定に特化した勉強時間は、第一次検定の学習を終えた後からで十分です。

  • 目安時間:50時間程度

第一次検定の合格発表後に学習をスタートさせても十分に間に合います。例えば、4月や5月の段階で第一次検定と第二次検定の勉強を並行して行う必要はありません。まずは第一次検定の合格に全力を注ぎましょう。

二次試験の勉強方法

第二次検定は「選択式」と「記述式」に分かれており、それぞれ対策方法が異なります。

出題形式勉強方法
選択式第一次検定と全く同じ対策で問題ありません。過去7年分の過去問を繰り返し解くことで、知識問題はクリアできます。目安としては5周ほどすれば問題ないでしょう。
記述式(経験記述)適切な文章で回答するため、回答の「型」を学ぶことが最重要です。前述の通り、ベテランからのフィードバックを得ることで、合格できる質の高い文章を作成できるようにしてください。

いきなり1級建築施工管理技士に挑戦する際によくある質問

いきなり1級に挑戦する人が抱きがちな、具体的な疑問や不安に対し、筆者の経験を交えながら回答していきます。

Q1.第一次検定だけ受けるメリットはありますか?

A.あります。

合格すると「1級建築施工管理技士補」という国家資格が与えられ、資格手当が出る会社も多く、現場での評価にも繋がります。

Q2.二次試験の対策はいつから始めればいいですか?

A.第一次検定の合格発表が終わってからで大丈夫です。

合格発表から1日1時間程度の勉強を続ければ十分に間に合います。

Q3.仕事が忙しく、勉強時間が確保できません。どうすればいいですか?

A.隙間時間の活用と、生活習慣の変更が鍵です。

通勤時間(YouTubeや書籍等で学習)や昼休みなど、隙間時間を活用していくことで、忙しい中でも勉強時間を確保することができます。

また、勉強を習慣化するのもオススメです。例えば、毎朝1時間早く出社して、朝の1時間を資格の勉強に充てるといった習慣を作ることで学習コストを下げることができます。

Q4.「1級建築施工管理技士補」の資格は、仕事でどのように役立ちますか?

A.制度改正により新設された「監理技術者補佐」として、現場に配置されることが可能になりました。

これにより、監理技術者が2つの現場を兼務できるようになり、若手でも責任ある立場を任されやすくなります。企業側にとっても監理技術者不足を補う大きなメリットとなるため、現場で評価されやすくなります。

Q5.資格を取る際は周りに宣言した方がいいと思いますか?

A.宣言した方が良いです。

いきなり1級建築施工管理技士にチャレンジすると宣言することで、現場の人が「試験近いから今日は早く帰っていいよ」「勉強しなよ」といった協力的な姿勢を見せてくれるケースが多く、周囲の応援を力に変えることができます。

Q6.未経験の独学でも合格できますか?通信講座は必要ですか?

A.未経験の独学でも合格は可能です。

基本的な教材があれば、特に通信講座は必須ではありません。費用もかかるため、まずは市販のテキストと過去問で独学に挑戦してみることをおすすめします。

Q7.「技士補」の資格は、実際に転職活動で評価されますか?

A.評価されます。「補」とはいえ国家資格であり、第一次検定を突破した証明になるため、「知識を習得している」「成長意欲がある」として企業へのアピール材料になります。

ただし、より実務能力の証明となる「技士(第二次検定合格)」のほうが評価される傾向にあるため、技士補はあくまで通過点として捉えましょう。

Q8.1級取得で、実際どれくらいの昇給が見込めますか?

A.企業によって昇給額は大きく異なりますが、資格手当で月数万円の昇給が見込める会社が多いです。

例えば、株式会社レバキャリでは、1級建築施工管理技士補の合格で月5万円アップ、1級建築施工管理技士の合格で月6万円アップを保証しています。

1級建築施工管理技士に合格すると、市場から高い評価を受けることができるので、もし所属している会社から思うような評価を受けることができない場合は転職を検討しても良いかもしれません。

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この記事を書いた人

水野源太
株式会社エルライン 社長室 1級電気工事施工管理技士

新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての実務経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向し、教育に携わる。2024年4月にエルライングループにジョインし、教育や採用、広報・デジタルマーケティング・新規事業開発などに従事。

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