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ステージ足場とは?組み立て方と日数・費用など気になる目安を解説

「実際にステージ足場を組むとなったら、どんな感じで進めれば良いのだろう?」

ステージ足場を組んだ経験がない場合、どのように対応すればよいかわからず戸惑ってしまいますよね。

ステージ足場とは、その名が示す通り、ステージのような広がりを持つ作業床の足場です。正式名称は、棚足場です。

その特徴的なステージのように広い作業床により、

  • 前後左右に自由に動き回れる
  • 複数人が1ヶ所で作業できる
  • 工具・資材を手元に置きながら作業できる

といった、一般的な足場にはない作業性の高さが実現します。

また、足元のスペースの広さは、落下・転落リスクを大幅に低減し、安全性の高さにもつながります。

とはいえ、足場の中ではやや特殊な部類に属するといえるステージ足場だけに、勝手が分からず、スムーズに対応できそうにもないと感じる方は少なくないでしょう。

そこで本記事では、下記について解説します。

この記事を読むとわかること
  • ステージ足場の基本情報
  • ステージ足場の構造・組み立て方
  • ステージ足場の積載荷重の考え方
  • ステージ足場の費用相場
  • ステージ足場に必要な足場材とその調達方法

お読みいただければ、ステージ足場に関する疑問点がクリアになり、自社の現場へのステージ足場導入の見通しが立つようになります。

ぜひ最後までお読みいただき、ステージ足場のスムーズな導入を実現してください。

目次

1. ステージ足場とは

ステージ足場とは

ステージ足場とは、その名が示す通り、ステージのような広がりを持つ作業床の足場です。
正式名称は「棚足場」です。

ステージ足場とは、その名が示す通り、ステージのような広がりを持つ作業床の足場です。
正式名称は「棚足場」です。
[出典]厚生労働省「棚足場の例」

一般的な足場は、2人の作業者がギリギリすれ違える程度の幅しかなく、一定の間隔で設置されている支柱を気にしながら、その狭い通路状の板の上を建物に沿って移動することしかできません。

一方、ステージ足場には邪魔になる支柱もなく、広々としたスペースを前後左右に動き回れます。

そうした特長を持つステージ足場の主なメリットには、次に挙げるようなものがあります。

  • 作業効率アップ(自由に歩き回れる、複数人が1ヶ所で作業できる、工具や資材を手元に置ける)
  • 安全性向上(作業員・工具の落下リスクが軽減)

使われるのは、主に下記のような現場・用途です。

  • 体育館、コンサートホール、工場といった広くて天井も高い空間での高所作業
    (配管工事、空調工事、照明器具設置工事など)
  • 高所での作業時に、作業スペースと資材・工具置場を兼ねて
    (屋根の葺き替え、太陽光パネル設置など)
  • 高所への建機・資材搬入用の荷取ステージとして
    (搬入口前に張り出させて設ける)
  • 作業構台(資材や機材の集積場所や、重機や車両の搬入出路とするための仮設構造物)として
  • イベント時の仮設ステージとして

このように「細くて狭くて足を踏み外しそう」な一般的な足場とは一線を画すのが、ステージ足場であるといえるでしょう。

2. ステージ足場の組み立て方

ステージ足場の組み立て方

ステージ足場では、通常の足場のように単純に垂直方向に積み上げるのではなく、前後に設置した足場の間に腕木(梁)を渡し、その上に棚板を敷き詰めて前後左右に広いスペースを生み出していきます。

イメージとしては、通路のように細長く作業床をつなげるのではなく、タイルカーペットのように敷き詰めていき、下の写真のような1区画の足場を前後左右に連結して広い作業スペースをつくっていきます。(手すりは連結させてできた全体の外周にのみ設置します)

イメージとしては、通路のように細長く作業床をつなげるのではなく、タイルカーペットのように敷き詰めていき、下の写真のような1区画の足場を前後左右に連結して広い作業スペースをつくっていきます。(手すりは連結させてできた全体の外周にのみ設置します)

建枠のはめ込み方やクランプの締め方といった組み立ての基本手順は、一般的な足場と変わりません。そのため、同じ「ステージ足場」でも、組み方によって以下のような違いが生まれます。

【比較項目】単管足場枠組足場くさび緊結式足場次世代足場
対応現場規模小〜中規模中〜大規模小〜中規模小〜大規模
設置スピード遅め速い速い
自由度高い低い中〜高
安定性(強度)技量による高い中〜高中〜高
主な使用シーン狭所作業
変形スペース
大空間
小〜高層
大空間
小〜中層
大空間
小〜高層
主な使用部材単管パイプ、クランプ、足場板等建枠、ブレース、アンチ板等支柱、くさび金具、足場板等支柱、緊結部材、足場板等
資材コスト低〜中高い

ここでは、上記4つの足場の組み方(単管足場、枠組足場、くさび緊結式足場、次世代足場)について、ステージ足場として組んだ際の違いに着目して解説します。

2-1. 単管足場でステージ足場を組む場合

単管足場は、主に単管パイプとクランプで構成されており、非常に自由度の高い構造が特徴の組み方です。変形スペースや狭所など、複雑な構造物に沿って柔軟に設置できます。

【比較項目】単管足場
対応現場規模小〜中規模
設置スピード遅め
自由度高い
安定性(強度)技量による
主な使用シーン狭所作業
変形スペース
主な使用部材単管パイプ、クランプ、足場板等
資材コスト低〜中

ステージ足場を単管足場で組む場合、梁や壁の干渉を避けながら組めるため、複雑な形状の建物に対応しやすい点が最大の特徴でしょう。

また、少ない部材で構成でき、保管・運搬が容易という特徴もあります。一方で、安全性や強度は技量によるところも多く、もともと構造的にも他の組み方と比べて劣ります。

そのため、ステージの積載荷重は限定的と言わざるを得なく、仮置きスペースとしての使用には注意が必要です。大量の資材を置くには不向きと言えるでしょう。

2-2. 枠組足場でステージ足場を組む場合

枠組足場は、建枠・ジャッキベース・アンチ板などの規格化された部材によって構成され、最も一般的にステージ足場として使用される足場です。

【比較項目】
枠組足場
対応現場規模中〜大規模
設置スピード
自由度低い
安定性(強度)高い
主な使用シーン大空間
小〜高層
主な使用部材建枠、ブレース、アンチ板等
資材コスト

単管足場と違って規格化されているため、組立・解体がスムーズで、部材の接続強度も高く、複数人での同時作業や複数段のステージを設置するのにも適しています。

ステージ上に資材を仮置きするような使い方にも向いており、作業効率の面でも優れています。

ただし、設置にはある程度のスペースが必要で、狭小な現場では制約を受ける可能性がある点に注意が必要です。

2-3. くさび緊結式足場でステージ足場を組む場合

くさび緊結式足場は、支柱とくさび金具で部材を結合するシステムで、スピーディな組立が可能な足場です。

【比較項目】くさび緊結式足場
対応現場規模小〜中規模
設置スピード速い
自由度
安定性(強度)中〜高
主な使用シーン大空間
小〜中層
主な使用部材支柱、くさび金具、足場板など
資材コスト

くさび緊結式足場は、部材同士をくさびで緊結する構造で、スピーディな組立が可能な足場です。ステージ足場としても、迅速に設置・解体できるメリットが最大の魅力となるでしょう。

結合部の安定性が高く、比較的安全性も確保されています。高さや間隔の調整もしやすく、枠組足場よりも現場の状況に合わせた柔軟な設計が可能です。

ただし、積載荷重は枠組足場よりやや劣るため、資材の大量仮置きには不向きな場合がある点に注意が必要です。

2-4. 次世代足場でステージ足場を組む場合

次世代足場は、従来の足場の課題(重量、安全性、施工効率)を解決するために開発された進化型の足場です。

【比較項目】次世代足場
対応現場規模小〜大規模
設置スピード速い
自由度中〜高
安定性(強度)中〜高
主な使用シーン大空間
小〜高層
主な使用部材支柱、緊結部材、足場板等
資材コスト高い

次世代足場は、軽量でありながら高い強度を持ち、安全性と作業効率の両立が可能な足場です。ステージ足場としても非常に優れており、複数段のステージを効率よく構築できます。

施工品質のバラつきが少なく、現場ごとの条件に合わせた高精度な設計・施工が可能です。省スペース性や安全性の高さから、屋内や狭小現場、大規模施設まで幅広く活用されています。

初期コストは高めですが、長期的に見れば安全性や施工効率によってコストパフォーマンスの高い選択肢となるでしょう。

上から吊るタイプの「吊り足場」もあ

地面に足場を設置できない場所で行われる下記のような工事に用いられる「吊り足場(吊り棚足場)」も、一種のステージ足場といえます。

・橋桁の塗装・補修工事
・プラントの改修
・高層ビルの吹き抜け部の天井工事 等

広い床状の足場を上方から吊り下げ、空中に作業床を設けます。

井桁状に組んだ単管の上にアンチを敷き詰めるのが従来の組み方ですが、近年ではパネルを連結する方式のシステム吊り足場も普及しています。

吊り足場については「吊り足場」で解説していますので、さらにお知りになりたい場合はご参照ください。

このように、ステージ足場を構成する際には、基礎となる足場の種類によって大きく性能や施工性が異なります。現場の特性や用途に合わせて、最適な足場方式を選定することが、安全性と作業効率の向上につながります。

次章では、このように組み立てていくステージ足場の設置にかかる時間・日数の目安を確認していきます。

3. ステージ足場を組み立てるのに必要な日数目安

ステージ足場を組み立てるのに必要な日数目安

ステージ足場を組み立てるのにどのくらいの時間・日数がかかるのでしょうか。

実際のところ、所要時間・日数は、基本的には足場のサイズ(作業床の面積+高さ)、組み立方によって大きく変わってきます。

現場の状況や作業者の熟練度なども作業スピードに影響すると考えられますが、ここではシンプルに作業床の面積だけで考えて試算してみましょう。

各種条件と試算結果は、下表の通りです。
※なお、ステージ足場は、部材が多く・手間がかかることを考慮し、「約25㎡/人工」で設定しています。実際には、組み方や技量により、人工は前後します。

想定する現場平均的な小学校の体育館(高さ7m)
想定する現場の広さ約900平米(バスケットボールコート2面を並列に配置できる程度の広さ)のうち、天井下の600㎡のみ
足場の構成ステージ足場(1層構成)
足場の組立標準作業量約25㎡/人工
組立に要する人工600㎡ ÷ 25㎡ = 24人工
5人で組み立てた場合の所要日数24人工 ÷ 5人 = 約4.8日

この試算では、平均的な小学校の体育館の天井工事のために600平米のステージ足場を組み立てるのに24人工。したがって、5人で作業するのであれば約4.8日かかる計算です。

比較的小規模のステージ足場であれば、さほど手間はかからないかもしれません。しかし、何層にもなる大規模なステージ足場を組む場合は、その分より緻密な計算と多くの部材が必要になるため、一般的な足場を組む場合と比較して所用日数が多くなる傾向があります。

繰り返しとなりますが、この試算結果は面積だけから機械的に導き出したものであり、他要素を一切考慮していません。あくまでおおまかな目安でしかないことにご留意ください。

4. ステージ足場の積載荷重算出時のポイント

ステージ足場の積載荷重算出時のポイント

ステージ足場の積載重量を算出する際は、基準値に基づきスパン単位でシンプルに算出するという枠組足場や単管足場の場合とは異なり、現場ごとに個別の詳細計算を行う必要があります。

なぜなら、広い作業床を支える構造のステージ足場は、支柱や枠ごとの荷重分担を前提とするからです。

厳密な荷重配分を行うために、

  • 支柱やアンチなどの部材の自重
  • 衝撃荷重
  • 複数層での荷重分担

などを加味します。

もちろん、

「支柱1本で何kgまで支えられるか」
「中央部に何kgまで載せてよいか」

といった局所的な強度設計も必要ですので、建枠や支柱1本当たりの許容荷重と照らし合わせながら安全性を確認するという複合的な計算が、ステージ足場の積載荷重算出のポイントとなります。

5. ステージ足場の費用相場

ステージ足場の費用相場

ここまで、ステージ足場というものを明確にイメージするのに必要な情報をお伝えしてきましたが、ステージ足場の設置を本格的に検討するのであれば、費用面も把握しておく必要がありますよね。

ステージ足場に必要な部材の調達コストの相場としては、たとえば3,600mm×3,600mm×H1,800mmのごく小型のステージ足場の場合、新品を購入するのであれば20万円程度という試算となりました。

【上記試算で想定する使用部材一覧】
(※サンプル業者で購入した場合の税込価格表示)

もちろん、これより広いステージを用意する、高さを追加する、などで費用は大幅に変わります。

6. ステージ足場はレンタルで用意することも可能

ステージ足場はレンタルで用意することも可能

ステージ足場は作業床が広いため、多くの踏板が必要になります。特に複層構造となると、手持ちの資材だけでは足りないケースも出てくるでしょう。

そんなときは、足りない分を購入するのではなく、レンタルで補うのも一つの手です。設置が一時的で、今後も使用頻度が高くないと見込まれる場合、レンタル単価が多少高くても、保管やメンテナンスの手間を考えれば、結果的にコストを抑えられることが多いからです。

実際、必要部材をレンタルした場合、種類や期間にもよりますが、費用は数万円以内に収まることが一般的。1〜2回しか使わないのであれば、その都度必要な分だけ調達できるレンタルのほうが合理的と言えるでしょう。

一方で、将来的に使用頻度が増える、または事業の拡大が見込まれる場合は、購入した資材を他の現場で流用できるため、長期的には購入のほうが経済的になる可能性もあります。

使用頻度や今後の事業計画を踏まえ、購入とレンタルを使い分けることが賢明です。

7. 今後もステージ足場の案件を継続受注するなら中古購入が一番お得!

今後もステージ足場の案件を継続受注するなら中古購入が一番お得!

ステージ足場に使う部材を購入以外で調達する方法としてレンタルを挙げましたが、もう一つ検討したいのが、中古の足場材を購入するという選択肢です。

特に、今後もステージ足場を使う工事を継続的に受注する見込みがある場合は、中古購入がもっともコストを抑えられる手段となる可能性が高いでしょう。

なぜなら、新品よりも安い中古品を選べば、少ない使用回数でも「もとが取れる」からです。

ただし、中古品の在庫状況は常に変化しており、希望するメーカーや仕様の足場材がタイミングよく入手できるとは限りません。

中古であれば、新品の約7〜8割のコストで手に入れられ、大きなコスト削減につながります。

明らかな劣化はないか、変形などはないかといった品質の見極めさえしっかりと行えば、「新品は高過ぎるけれど、レンタルはもったいない気がする」といったニーズを満たせる手段が中古品購入と言えるでしょう。

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そのため、中古品を中心に見ながら、手の届く新品があればそちらも検討してみるといった使い方もできます。
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8. まとめ

▼ステージ足場とは、ステージのような広がりを持つ作業床の足場のこと。「棚足場」とも呼ばれる。

▼アンチ(踏板、足場板)を長手方向に連続させて通路のようにするのではなく、タイルカーペットのように敷き詰める点が一般的な足場との相違点。

▼ステージ足場の積載重量を算出する際は、厳密な荷重配分を行うため、現場ごとに個別の詳細計算を行う必要がある。

▼ステージ足場の費用相場は、20万円程度。(3,600mm×3,600mm×H1,800mmのごく小型のステージ足場用に、新品を購入する予定)

▼ステージ足場に必要な部材は、レンタルもできる。

本記事の内容が、ステージ足場のスムーズな設置に少しでも寄与できますなら幸いです。

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この記事を書いた人

株式会社エルライン 社長室 1級電気工事施工管理技士

新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向し、教育に携わる。2024年4月にエルライングループにジョインし、教育や採用活動、広報・マーケティング業務などに従事。

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