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【2025年最新】建築資材の高騰と市場動向・今後の対応策も解説

「建築資材の高騰に関する情報を知りたい!どうしてこんなに上がっているの?」
「建築資材の高騰はいつまで続くのだろう。このままでは会社の経営が危うくなりそう」

近年、特にコロナ禍以降の建築資材の高騰は深刻化し、建設業に携わる方々の不安が高まっていますよね。

残念ながら、建築資材の高騰は現状収まる兆しが見えず、2025年以降も続く可能性が高いといわれています。

この背景には、主に次の4つの原因があります。

建築資材が高騰し続ける4つの原因
  1. ウッドショックによる木材不足
  2. アイアンショックによる鉄鋼価格の高止まり
  3. ウクライナ情勢による物流の混乱
  4. 円安の影響による輸入コストの増加

この記事では、建築資材の高騰について、原因や現状、今後の展望を、データを交えて解説します。

ただ、市場動向を把握するだけでは、不安の解消にはなりません。
「大変だ」と嘆くだけで、何も手を打たず現状維持を続けてしまうと、むしろ大きなリスクを抱えることになります。

資材費の増加がそのままコストとなり、利益が圧迫され、長期的に事業そのものの存続を脅かしかねないからです。

そこで記事では、建築資材の高騰を乗り切るための具体的な対応策をお伝えします。
現状を直視し、今日から行動を始めましょう。

<この記事を読めばわかること>


  • 建築資材の高騰の今とこれから

  • 建築資材が高騰し続ける具体的な理由

  • 貴社が何らかの手を打つべき状態にあるかどうかのチェックリスト

  • 建築資材高騰に対して取るべき対応策

この記事を読めば、建築資材の高騰に対して、自分は何をすればよいのかが具体的にわかります。

先行きの不安を解消したい人、今をうまく乗り切って会社をしっかり継続したいという人に役立つ内容ですので、ぜひ最後まで目を通していただけたらと思います。

目次

1. 2025年最新|建築資材の高騰と「値下がり」が望めない市場動向

2025年最新|建築資材の高騰と「値下がり」が望めない市場動向

ここ数年、建築資材の高騰は、建築業界を揺るがす深刻な関心事となっています。
問題なのは、2025年以降も価格の値下がりが期待しづらいという現状です。

建築資材の価格は2021年にウッドショックの影響で上昇し始めました。
※ウッドショック:2021年春頃から輸入木材の需要が高まり、価格が高騰して混乱が生じた状況。

その後、2022年にはウクライナ情勢の影響も加わり、原材料が世界的に不足する事態が発生しました。
さらに、原油価格の高騰や円安などの複合的な要因が重なり、価格上昇に拍車をかけることになったのです。

国土交通省の「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によれば、平成18年から令和4年までの東京における主要建設資材の価格は、以下のように推移しています。

国土交通省の「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によれば、平成18年から令和4年までの東京における主要建設資材の価格は、以下のように推移しています。
出典:国土交通省|最近の建設業を巡る状況について【報告】

データが示す通り、資材価格は「原料高」「世界的な需要量の増加」「原油高騰」といった要因により、2021年を境に急激に高騰しています。

2025年現在の市場動向をみても、これらの要因が収束する兆しは見えておらず、むしろさらなる価格上昇が懸念されます。

一体どうして資材価格は高騰し続けるのか?

次章では建築資材が高騰する原因を詳しくみていきます。
今後の対応策を講じるためにも、現状を正しく把握していきましょう。

2. 2025年も建築資材の高騰が予測される原因4つ

2025年も建築資材の高騰が予測される原因4つ

 2025年以降も、建築資材は高騰し続けると予測されています。

その主な原因として、以下の4つが挙げられます。

建築資材は2025年も高騰し続ける原因4つ
  • ウッドショックによる木材不足が続いているから
  • アイアンショックで鉄鋼価格が高止まりしているから
  • ウクライナ情勢の影響で物流が混乱しているから
  • 円安の影響で輸入コストが増加しているから

順に解説します。
世界情勢が直接影響する建築資材の価格動向を、しっかりと把握しておきましょう。

1. ウッドショックによる木材不足が続いているから

原因の1つめは、ウッドショックによる木材不足が続いていることです。

ウッドショックとは、コロナ禍で2021年3月頃から輸入木材の需要が急増したことをきっかけとして、価格が急騰した現象を指します。

ウッドショックが発生した主な原因は以下の通りです。

ウッドショックが発生した主な原因
  • コロナ禍でのリモートワーク普及による北米の住宅需要の拡大
    →その結果、輸出用の木材が現地で消費され、供給が圧迫された
  • コロナ禍の物流混乱で世界的に輸送用コンテナが不足
    →木材の輸送が滞り、供給が不安定になった
  • 燃料費の高騰や物流の混乱による輸送コストの上昇
    →これにより、輸入木材の価格がさらに高騰した

コロナの影響がまだ続いているの?と思われる方がいるかもしれません。
実際、「北米の住宅需要は落ち着き、ウッドショックは収束傾向にある」と見る向きもあります。

しかしながら、現状も輸入資材は依然として高騰し続けており、4年経った現在も元の価格帯に戻る傾向は見られておりません。今後も続く可能性が高いと考えた方が良いでしょう。

そのため、安定的な仕入れルートの確保や、国内産木材の利用促進など、柔軟で長期的な対応策が求められます。

チェック!【度重なる山火事もウッドショックを長引かせる要因の1つ】

昨今、北米やオーストラリアなど主要な木材生産国では、森林火災が頻発しています。
伐採可能な木材が大量に焼失しているため、輸入資材の減少や価格の高騰への影響は避けられません。
一概には言えませんが、こうした時事的なことも、ウッドショックが長期化する要因の1つと考えられます。

2. アイアンショックで鉄鋼価格が高止まりしているから

次に、アイアンショックで建設に欠かせない鉄鋼の価格が高止まりしていることが挙げられます。

アイアンショックとは、2021年頃から鉄筋や鉄骨といった鋼材の価格が急激に高騰した現象を指します。

アメリカや中国の住宅需要の拡大で、鉄鉱石の需要が供給を上回り、未だ値下がりの兆しがみえません。
日本は、鉄筋や鉄鉱を輸入に頼っているため、ウッドショックと同様、他国の住宅事情の影響を大きく被ってしまいます。

アイアンショックの主な原因は以下の通りです。

アイアンショックが発生した主な原因
  • アメリカや中国の住宅需要の拡大
    →鉄鉱石の需要が供給を上回り、価格が上昇した
  • 原材料の価格上昇
    →鉄鋼の製造に必要な鉄鉱石やコークスの価格が上昇し、鋼材の価格に直接影響を与えた

アイアンショックも一時的な現象ではなく、しばらくは続く可能性が高いと予測されているため、鉄鋼の安定的な仕入れルートの確保や、代替素材の検討などの対応策が求められます。

3. ウクライナ情勢の影響で物流が混乱しているから

建築資材の高騰が続く背景には、ウクライナ情勢が大きく影響しています。

戦争が勃発したことにより、ヨーロッパを中心とした国際物流に混乱をきたしてしまったからです。

ウクライナ情勢が建築資材の高騰に及ぼす具体的な影響は以下の通りです。

ウクライナ情勢が建築資材の高騰に及ぼす具体的な影響

輸送ルートの制約
輸送ルートが制約され、建築資材を輸送する船舶や鉄道の通行が困難に。別ルートからの輸送で、輸送時間が長くなるとともに、物流の遅延が発生し、資材価格にも影響を与えた。

供給チェーンの減少
ウクライナとロシアからの資材供給が減少し、これが世界市場に波及して資材価格が高騰した。

燃料費の上昇
戦争の影響で石油や天然ガスの供給が減少し、価格が急騰。その結果、物流業者が運送コストを引き上げざるを得なくなり、建築資材の価格にも反映された。

前項で鉄鋼価格の高止まりについて言及しましたが、建設総合指数が4年間で55ポイントも上昇した背景には、アイアンショックだけでなくウクライナ情勢も大きな影響を与えています。

ウクライナ情勢によって燃料費(特に石炭や天然ガス)の高騰が引き起こされ、これがすでにアイアンショックで打撃を受けていた鉄鋼の生産コストや輸送価格をさらに押し上げたのです。

ウクライナ情勢による物流の混乱は、建築業界にとどまらず、世界経済全体に深刻な影響を与えています。

事態は短期的に収束する見込みが少なく、今後も建築資材を含めた物流の混乱は続くでしょう。

4. 円安の影響で輸入コストが増加しているから

円安の影響で輸入コストが増加していることも、建築資材の高騰が続く原因の1つです。

近年、円安が進行する中で、日本国内での輸入品の価格上昇が顕著になっています。

円安とは、日本円の価値が外国通貨、特に米ドルやユーロに対して低くなることです。
円安が進むと、外国から輸入する際に必要となる日本円の金額が増加し、その結果、輸入品の価格が高騰します。

円安とは、日本円の価値が外国通貨、特に米ドルやユーロに対して低くなることです。
円安が進むと、外国から輸入する際に必要となる日本円の金額が増加し、その結果、輸入品の価格が高騰します。

繰り返しお伝えしているように、日本の建築業界では、鉄鋼、木材、化学製品など多くの資材を海外から輸入しています。
これにより、円安の影響を直接受け、資材価格が上昇しているのです。

円安の影響は2025年現在も依然として続いており、しばらくはこの傾向が続くと予想されています。

いかがでしょうか。

既におわかりのように、建築資材高騰の原因は1つではなく、複数の要素が絡み合っています。
だからこそ、すぐには価格の引き下げが期待できない現状があります。

ただ、なかなか値下がりしないからといって、打つ手がないまま現状維持を続けることには、大きなリスクが伴います。

次章では、建設資材の高騰下で現状維持を選んだ場合に生じうる3つのリスクについて詳しく解説します。

3. 建築資材高騰の中での現状維持が招く3つのリスク

建築資材高騰の中での現状維持が招く3つのリスク

建設業全体が、建設資材の価格高騰による深刻な事態に直面していることがご理解いただけたでしょうか。

「でも今のところウチはそこまで打撃うけてないからピンとこないな」
「確かに利益は減ってきてるけど、何すればいいのかわからないし、今のままを維持してれば、そのうち良くなるかも…」

こんな風に楽観視をされているかもしれませんが、実は、「現状維持でいい」にはさまざまなリスクが伴います。

この章では、建設資材高騰の中で現状維持が招く3つのリスクを解説します。

建築資材高騰の中での現状維持が招く3つのリスク
  • 利益率が悪化するリスク
  • 職場環境が悪化するリスク
  • 【最悪の場合】事業継続が危うくなるリスク

既にどれかに心当たりのある方もおられるのではないでしょうか。
貴社の状況と照らし合わせながらご覧ください。

3-1. 利益率が悪化するリスク

建設資材の価格高騰の中、これまでと同じ感覚で経営を続けると、利益率が大幅に悪化するリスクがあります。

資材費の増加分がそのままコストとして重くのしかかり、結果として得られる利益が大幅に目減りする可能性が高いためです。

一般社団法人日本建設業連合会の資料から、2021年1月〜2023年12月の建設資材物価指数(東京)の推移をご覧ください。

一般社団法人日本建設業連合会の資料から、2021年1月〜2023年12月の建設資材物価指数(東京)の推移をご覧ください。
出典:一般社団法人日本建設業連合会|建設工事を発注する民間事業者・施主の皆様に対するお願い(2024年1月版)

データによると、2021年1月〜2023年12月の間に資材価格は29%上昇しています。

この影響を踏まえて、仮に年商が6億円の建設会社で利益にどのような変化が起きるのかを試算してみましょう。

シミュレーション
※原材料費が年商の50%、原材料費以外の経費が40%、利益率は10%と仮定します
【これまでの経営状況】

・年商:6億円
・原材料費:3億円(年商の50%)
・原材料費以外の経費(人件費、設備費など):2.4億円(年商の40%)
利益:6,000万円(利益率10%)

【原材料費が29%上昇した場合】

・原材料費:3億円 × 1.29 = 3.87億円
・利益:6億円(年商)− 3.87億円(原材料費)− 2.4億円(その他経費) = −2,700万円
利益:赤字2,700万円(利益率−4.5%)

このシミュレーションから分かる通り、資材価格の高騰を無視して現状維持を続けると、赤字経営に陥るリスクが非常に高いのです。

「これまでと同じやり方でなんとかなる」と思い込むことは、気づかないうちに経営を悪化させ、利益を守れないどころか、最悪の場合、事業継続の危機に直面することになります。

※なお、実際には人件費や設備費などの他のコストも影響を受けている可能性があり、全体の経営にさらなる負担がかかることが予想されます。

3-2. 職場環境が悪化するリスク

建設資材が高騰しても、手を打たずに収益が下がり続けることで、職場環境の悪化を引き起こすリスクが高まります。

利益が減少することで、人件費の削減や労働条件の悪化が避けられなくなるからです。

結果として、社員に以下のような負担を追わせざるを得なくなります。

  • 従業員の給与カット
  • 労働時間の延長
  • 福利厚生の削減

これらの措置は短期的にはコスト削減効果をもたらすかもしれませんが、従業員の士気を低下させ、離職率の上昇を招き、優秀な人材の流出につながります。

さらには、職場環境の悪化により新規採用の難易度が上がり、人手不足が一層深刻化することになるでしょう。

3-3. 【最悪の場合】事業継続が危うくなるリスク

資材価格の高騰が続く中で現状維持に固執することは、長期的に事業そのものの存続を脅かし、最悪の場合、倒産の恐れも生じます。

利益率の低下は仕事の質を下げ、案件を獲得できなくなり、さらに信用を失って金融機関からお金を借りることもできなくなるからです。

最悪のケースを順を追って見てみましょう。

事業継続が危うくなる最悪の流れ
  1. 利益が減少することで、良い資材や優れた人材が確保できなくなる。
  2. その結果、仕事の質が低下し、顧客からの信頼を失う。
  3. 信頼を失ったことで競合他社に抜かれ、案件が獲得できなくなる。
  4. 収益がさらに減少し職場環境も悪化、人材が流出し続ける。
  5. 経営が困難になり、金融機関からお金を借りようとしても、信用がないため融資を受けられない
  6. 倒産…

最悪のケースではありますが、資材高騰に対して現状維持を選ぶことは、利益減少にとどまらず、いつのまにか競争力や信頼を失い、事業継続が困難になるリスクまで引き起こすのです。

したがって、多少とも建築資材高騰の影響を感じている方は、5.建築資材の高騰を乗り切る3つの対応策で示すような対策を直ちに講じなければなりません。

「でもウチはまだそこまで追い込まれていないのでは…どうだろう?」
と迷っている方に向けて、次章では、建築資材の高騰への対処を早めた方がよいケースについて見ていきます。

4.【チェックリスト】建築資材の高騰に対処していく必要がある5つのケース

【チェックリスト】建築資材の高騰に対処していく必要がある5つのケース

4章では、建築資材の高騰に対して早急に対応しなければならない具体的なケースを挙げます。

以下のチェックリストで、貴社に当てはまる項目にチェックを入れてください。
該当項目がある場合、現状のまま放置すると、事業継続が困難になる恐れがあります。

現状に目を背けず、しっかりと見極めていきましょう。

【✔チェックリスト】建築資材の高騰に対処していく必要がある5つのケース
▢利益率が大幅に低下していると感じる

<考えるべきポイント>

・最近のプロジェクトで収益が以前より減少している
・利益率が10%以上低下したプロジェクトが複数ある

【自社の粗利率を正確に計算したい方はこちらの記事を参考にしてください】
建設業の平均粗利率は約23%!自社の計算法と経営改善策を紹介
▢従業員の士気が低下している

<考えるべきポイント>

・人件費削減や過重労働によって職場環境が悪化している
・離職が増加している
・現場の声を無視して業務を進めざるを得ない状況になっている
▢資金繰りが厳しくなっている

<考えるべきポイント>

・運転資金の確保が困難になっている
金融機関からの融資条件が厳しくなったと感じている
▢競争力を失いつつあると感じる

<考えるべきポイント>

・案件獲得数が減少している
・顧客から「他社に頼む」と言われる機会が増えている
▢長期的な戦略が不明確になっている

<考えるべきポイント>

・現在の価格高騰を一時的なものと楽観視しているところがある
・これまで価格高騰に対応するための明確な行動計画立てたことがない

該当項目が1つでもあった場合、現状を放置すると、経営が危うくなる可能性があります。

複数項目に当てはまる場合、倒産の危機は間近まで差し迫っているかもしれない、急を要する状態です。

次章では、こうした緊急事態を回避するために、今すぐ取り組むべき対応策を紹介します。

5. 建築資材の高騰を乗り切る3つの対応策

建築資材の高騰を乗り切る3つの対応策

前章で紹介したチェックリストに該当してしまった方に向けて、「建築資材の高騰を乗り切る対応策」を解説します。

できることから取り掛かりましょう。

建築資材の高騰を乗り切る3つの対応策
  • リスクを最小限にするために計画決定のスピードを早める
  • 適正価格を守るためにスライド条項を適用する
  • 資材高騰対策として中古資材を採用する

しっかり把握していきましょう。

5-1. リスクを最小限にするために計画決定のスピードを早める

資材価格の高騰に立ち向かうため、今すぐ実行すべき対策は、「施工計画」や「資材発注」などの、計画の決定スピードを上げることです。

今まで通り、検討に時間をかけて発注を行っていると、資材の価格上昇に追いつけなくなり、損失を被ることになります。

資材価格が高騰し続ける現状では、発注が遅れるほど、コストが急増する可能性が高くなります。
計画の遅れや発注タイミングのわずかな遅延が、予算を大幅に超過させる事態を招きかねません。

したがって、以下のプロセスを従来のペースよりも迅速に進めることが求められます。

  • 施工計画の策定
  • 対応する資材や数量の計算
  • 発注のタイミングの見極め
  • 関係者間での情報共有と承認作業

これらの決定を迅速に行い、資材発注を早期に実施することで、価格上昇のリスクを最小限に抑えられます。

スピードを意識した対応が、リスクを抑え、予算内での工事を成功させるカギとなるでしょう。現状アナログ管理、その人に聞かないとわからない、というような状態で思うように作業が進まないのであれば、専用のシステムを導入するのも、一つのアイデアとなるでしょう。

5-2. 適正価格を守るためにスライド条項を適用する

契約を締結した時には、「スライド条項」が正しく適用されているかを必ず確認しましょう。

スライド条項が適用されることで、資材費や人件費の変動に応じて契約金額を調整することが可能になります。

スライド条項について
スライド条項とは、建設工事請負契約書に定められた規定で、契約締結後に物価や賃金が変動した場合、請負代金額の変更を請求できる仕組みです。

たとえば、新しい住宅工事を請け負い、契約当初の価格で進めていたものの、途中で材料費や人件費が大幅に上昇した場合、スライド条項を活用することで、その増加分を反映した追加料金を請求することができます。

スライド条項の適用により、建設会社は適正な利益を確保しながら、工事をスムーズに継続できるのです。

したがって、契約時には条項の内容を施主にもしっかり確認し、適切に運用できるようにしておきましょう。

ただし、すべてのケースで追加料金が認められるとは限らないため、契約内容について十分理解し、交渉準備を怠らないようにすることも重要です。

 ※契約書に明記されていない場合や、価格変動に合理的な根拠がない場合は、スライド条項が認められない可能性があります。また、価格調整が過度に一方的だったり、予期しない大幅な変動に基づかない場合にも適用されません。こうした条件については、契約時に相手と事前に確認し、明確に取り決めておくと良いでしょう。

5-3. 資材高騰対策として中古資材を採用する

高騰する資材コストを下げるために、中古資材を積極的に採用するのも一案です。

一般的に、中古資材は新品より約30%安く調達できることが多いため、コスト削減の大きな手段となるでしょう。

たとえば、鋼材系の一般的な資材価格を比較してみましょう。

鋼材系の資材価格(例)
名称(サイズ等)新品中古
単管パイプ
(4m・1本)
1,500〜2,000円1,000〜1,500円
筋交い材
(3m・1本)
1,000〜1,200円600〜800円
ブラケット
(1.5m・1本)
1,800〜2,000円1,200円〜1,500円
鋼製梁材
(5m・1本)
3,500〜4,500円2,500〜3,000円

※記載価格は、一般的な資材屋やオンラインサイトを参考にした目安です。社会情勢や市場状況により、大きく変化する可能性があります。
※中古価格は、状態や年式、販売店によって異なります。

ご覧のように、中古資材を使用するだけで大幅なコスト削減が可能です。

建築資材は、そもそも非常に頑丈で耐久性が高いものが多いため、中古品でも十分に使用に耐えうる品質があります。
特に鋼材などの強度が求められる資材は、数回の使用でもその性能に大きな影響を与えません。

適切に保管された中古資材であれば、安全性や耐久性の面でも問題なく、コスト削減をしっかりと実現できます。

これにより長期的な資材供給の柔軟性が高まり、計画的な事業拡大や経営の安定化にもつながるでしょう。

【足場材を購入するなら足場JAPANがおすすめ】

「足場材を安く購入したい」と考えている方におすすめなのが足場JAPANです。

足場JAPANは、くさび式足場・次世代足場・単管パイプ・安全鋼板・シートやネット類など、建設工事に必要な資材を新品・中古の両方で取り揃えています。

さらに、足場JAPAN運営元である私たちエルラインは、自社でも建設工事を行うため、メーカーから大量に資材を仕入れることで、大幅なボリュームディスカウントを実現しています。

セットで大量に購入する場合は、さらに値引きも可能ですので、ぜひご検討ください。

また、「必要な足場材の種類や数量がはっきりとはわからない」という方に向けては、相談サービスも提供しています。

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足場材を定期的に購入する必要がある方は、足場JAPANの利用をご検討ください。

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6. 計画決定のスピードを早めるためにはクラウドシステムの導入がおすすめ

資材価格の高騰に資材価格の高騰に立ち向かうためには、計画決定のスピードを早めなければなりません。

そのためには、業務が効率化できるクラウドシステムの導入がおすすめです。

クラウドシステムを導入すると、リアルタイムで情報を共有・更新でき、仕様や発注についての調整が迅速に行えるため、計画決定のスピードが大幅に向上します。

クラウドシステムとは、インターネットを通じてデータや業務プロセスを管理・共有できるツールのことです。

コスト削減につながるクラウドシステム導入の効果を下表にまとめましたのでご覧ください。

クラウドシステム導入でできること

リアルタイムの在庫管理
在庫状況を常に最新の情報で把握し、発注タイミングや数量を正確に管理します。
これにより、必要な資材を適切なタイミングで手配できます。

発注から納品までのプロセスを一元化
発注、納品、在庫管理のプロセスをクラウドシステムで一元化し、無駄な手間を省きます。
これにより、スタッフの業務負担を軽減し、時間や人件費の削減が可能となります。

発注ミスの防止
発注内容がシステム内で自動的に処理されるため、手作業で発生しやすい発注ミスを防ぎ、過剰発注や資材不足を回避します。

過剰在庫の削減
システムがリアルタイムで在庫の状況を把握するため、無駄なストックを減らし、スペースや保管費用を削減できます。これにより、コスト効率を高められます。

クラウドシステムを導入することで、発注ミスや過剰在庫が防げるだけでなく、計画決定のスピードが早まり、発注タイミングを最適化することで、資材高騰のリスクが抑えられます。

結果として、コスト削減が可能となり、企業の長期的な競争力向上にもつながるでしょう。

建設業の在庫管理システムなら「エルライン」にお任せください

建設業のクラウドシステムなら、現場革命を牽引するエルラインにお任せください!

専門工事事業での豊富な実績を持つエルラインは、DX(デジタル変革)を通じて建設業界の中小企業経営を支援し、安定した経営を実現するための様々なサービスを提供しています。
 
 
現場での使いやすさと実用性を重視し、中小規模の建設会社でも導入しやすいよう設計しています。
特に建設資材の高騰に対抗するためには、在庫管理システムであるLPREから検討をはじめていただくのがおすすめです。
通常の在庫管理システムに搭載されている機能の他、建設業の業務効率化に嬉しい下記3つの機能が強みとなっています。


機能名


概要

過入庫管理機能
「出荷時より多くの資材が返却される」という業界特有の事態が生じた際、「どこの資材センターにどれくらい過入庫があったか」を把握し、トラブルを防ぐ
レンタル品の請求管理機能
販売品だけでなく、足場仮設資材などのレンタル品の管理もできる
WEBオーダー機能
現場からスマートフォンで必要な資材を発注部門にオーダーできる

さらに今後の展開として、



  • LPRE登録者がどこにいるか探せる「マップ機能」
  • 近場で資材の貸し借りを行える「マッチング機能」


などの「痒いところに手が届く」機能を順次リリース予定です。


建築資材高騰を乗り切るための業務効率化を考えるなら、現場で働く人のためのイノベーションを推進するエルラインに、まずは気軽にご相談ください。


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6. まとめ

建築資材の高騰は、2025年以降もしばらく続くと予測されています。

高騰に直面している中で、「現状維持でいい」とそのまま何もしないでいると、下記のようなリスクを招きます。

  • 利益率が悪化するリスク
  • 職場環境が悪化するリスク
  • 事業継続が危うくなるリスク

建築資材の高騰を乗り切るために、取り組むべき対策は3つ挙げられます。

  • リスクを最小限にするために計画決定のスピードを早める
  • 適正価格を守るためにスライド条項を適用する
  • 資材高騰対策として中古資材を採用する

自社に合った対策に今日から取り組んでいきましょう。

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