「足場にはアンカーというのを使うそうだけど、それってどんなのなんだろう?」
「最近よく取り扱いの有無を尋ねられる足場のアンカーについて知りたい」
じわじわと増えてきた、取引先やエンドユーザーからの「アンカー、取り扱ってますか?」の声。
以前はあまり気に留めていなかったそうした問い合わせに、今ではニーズにつながる可能性を感じて、アンカーについてもっとよく知りたいと思っていませんか?
足場で使うアンカーとは、建物と足場を連結させるために使われる金具のことです。
そして、足場の安全性を左右する「足場の命綱」であると同時に「伸び代のある商材」でもあります。
なぜなら、アンカーは足場が倒壊するのを防ぐ上で重要な部材であり、5m以上(足場の種類によっては9m以上)の高さの足場では使用が法的義務。つまり高層建築では必須の部材だからです。
さらに近年では、建設業界全体での安全基準の強化などもあり、アンカー需要は安定的に推移中なのです。
アンカーは、基本的に工事のたびに調達が必要なため、施工会社や足場業者との継続的な取引につながる可能性を秘めた導入アイテム。
しかも、単価こそ低いですが、現場ごとに数十本から数百本単位のまとまった数量が必要とされます。
そこで本記事では、そんな商材としての可能性を秘めた足場のアンカーについて知りたい方に向けて、以下のポイントをわかりやすく解説していきます。
この記事を読むとわかること |
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お読みいただければ、足場用アンカーの基礎知識からニーズまで一気に把握でき、自社で取り扱うべきかどうかを自信を持って判断できるようになります。
さらに、安く・大量に仕入れるための仕入れ先情報もご紹介していますので、すぐに社内提案まで動き出せる状態が実現します。
足場アンカーの知識を深めて、次なる商機の扉を開くために、ぜひ最後までお読みください。
1. 足場で使うアンカーとは?その役割・特徴・使い方

足場で使う「アンカー」とは、建物とそれに隣接する足場を物理的に連結させるために、建物の壁内部に取り付ける金具です。
足場作業に関わることがなければ、まず使うことはなく、見る機会もほとんどない部材ですので、どういったものなのかイメージしづらいという方も多いはず。
本章では、足場用アンカーというものについてよく知っていただけるよう、下記について解説します。
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以下で順番に詳しく見ていきましょう。
1-1. 足場用アンカーの役割
足場用アンカーの役割は、足場の変形や倒壊を防ぐために、建物に足場をしっかりと固定することです。

足場は、単に地面に立てておくだけでは、強風や地震などの際に変形したり倒壊したりする恐れがあります。そのため、
- 高さ5mを超える単管足場およびくさび緊結式足場(法規上単管足場の適用を受ける)
- 高さ9mを超える枠組足場
においては、建物と足場を「壁つなぎ*」で連結することが法令により義務づけられています。
*壁つなぎとは:足場を建物の壁につないで(=連結して)固定するために使用する金具のこと ![]() |
この「壁つなぎ」の受けとなるのがアンカーで、喩えるならば、ねじ(=壁つなぎ)を受け止めるためのねじ穴(=アンカー)です。
「壁つなぎ」とタッグを組んで、足場をがっちりと固定します。
1-2. 足場用アンカーの特徴
足場用アンカーの特徴は、
- ねじそのものではなく「ねじ穴」側として機能する点
- 隠れているけれど実はとても重要な部材である点
の2点であると言えます。
一般的に「アンカー」と聞くと、フェンスや看板、各種機器などをコンクリートの床や壁にしっかり固定するための金属製のボルト(アンカーボルト)を思い浮かべる人が多いかもしれません。

アンカーという言葉自体は広く「固定するためのもの」を指すため、足場用アンカーも一般的なアンカーボルトもひと括りにされているのが実情です。
しかし、足場用アンカーは「ねじ穴」として機能する点で、構造も性質も一般的なアンカーボルトとは異なります。
また、足場用アンカーは、壁に打ち込まれるため表からはほとんど見えず(詳細後述)、決して目立つ部材ではありません。

目立たない部材ではありますが、足場用アンカーがなければ足場が倒壊しかねないのですから、現場の安全確保のためには必須の存在なのです。
戸建て住宅ではアンカーを使わないことも一般的 |
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戸建て住宅(特に新築)では、次の2つの理由から、アンカーを使用しないケースがよくあります。 ・外壁に穴をあけることへの施主の抵抗感 ・1辺14m未満の戸建てなら壁つなぎでの足場連結は義務ではないこと 壁つなぎに代わるような、自立安定性を強化するための措置(控えやジャッキの設置など)は必要となりますが、戸建て住宅ではアンカーの打ち込みを避けることが一般的です。 |
1-3. 足場用アンカーの使い方
足場用アンカーは、「使い捨て」に近い使い方をします。
アンカーは以下のような手順で設置され、足場解体後はそのまま壁の中に埋め込まれることが一般的なのです。
足場用アンカーの設置手順
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役目を終えたアンカーは回収・再利用されることがないため、現場の数だけ需要が発生します。
つまり、足場工事のたびに必ず必要とされる消耗品なのです。
取引単価は小さくても、上記のような事情から「継続して売れ続ける」という点で、アンカーは安定性と回転性を兼ね備えた商材と言えるでしょう。
次章では、こうした足場用アンカーに対するニーズの背景について、詳しく掘り下げていきます。
アンカーを壁の中に残さないケースもある |
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足場固定に使われたアンカーは、そのまま壁の中に埋め込まれるというのが足場解体後の一般的な処理ですが、下記のような方法で壁の中に残らないようにするケースもあります。 ・設置するのに穴をあける必要のないアンカーブラケット(コンクリート壁の厚み部分を挟みこんで固定する金具)を使う ・後から引き抜いて撤去できるタイプのアンカーを使う ・引き抜き工具でアンカーを引き抜く ただし、こうしたケースはあまり多くはなく、壁の中にそのまま残しておくというのが主流です。 |
2. 足場用アンカーは主に「内部コーン打込み式アンカー」と「本体打込み式アンカー」

非常に多くの種類があるアンカーのうち、足場用のアンカーは、「内部コーン打込み式アンカー」と「本体打込み式アンカー」が中心です。
主なアンカーの種類(赤字=足場でよく使用されるアンカー)
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施工方式によって上記のようにさまざまに分類されるうちでも、足場の固定に用いることができる形状と強度を持つものはごく限られているということです。
なぜ主に上記2種類となるのか、その判断の流れをチャートで表したのが、下図です。

「内部コーン打込み式アンカー」または「本体打込み式アンカー」が足場の固定用に選ばれる理由を理解できていれば、アンカー選定での間違いを避けることができます。
以下で順を追って説明していきますので、確認しておきましょう。
2-1. 足場用アンカーは「あと施工アンカー」

アンカーは、まず、施工タイミング別に「先施工アンカー」と「あと施工アンカー」の2種類に大別され、足場を固定するために使われるのは「あと施工アンカー」です。
先施工アンカー | コンクリート打設前に設置しておき、そこにコンクリートを流し込み、構造材と一体化させる |
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あと施工アンカー | 既に固まったコンクリートに穴をあけて打ち込む |
強度がより優れているのは先施工アンカーですが、主に次の2つの理由により、足場固定用としては一般的には使われません。
- 現場状況に応じた足場の設置位置変更を行えない
- 既に完成している建物には、あと施工アンカーでしか対応できない
そのため、足場を固定するために使われるのは、「あと施工アンカー」に分類されるアンカーということになります。
足場で先施工アンカーが使われることも皆無ではない |
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先施工アンカーは足場固定用として一般的ではないとお伝えしましたが、中には足場用として販売されている先施工アンカー(例:ゼン技研の先付け施工タイプ「プレートアンカー」)もあります。ただし、こうした製品は例外的であり、足場固定用途では基本的にはあと施工アンカーが使われます。 |
2-2. 足場用アンカーは「メカニカルアンカー」

あと施工アンカーには、固着メカニズム別に「メカニカルアンカー」と「ケミカルアンカー」の2種類に分けられ、足場を固定するために使われるのは「メカニカルアンカー」です。
メカニカルアンカー (金属系) | 物理的な膨張や摩擦力で固定するタイプ |
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ケミカルアンカー (接着系) | 接着剤を使用して固定するタイプ |
(※上記2種類の他にプラスチック製のものや、一般的なねじとさほど変わらないようなものもありますが、足場を固定するには強度が不十分なものが大半のため、ここでは取り上げません)
引抜強度がより優れているのはケミカルアンカーですが、主に次の2つの理由により、足場固定用としては一般的には使われません。
- 接着剤が硬化して足場を固定できるようになるまで数時間〜1日以上かかる
(国土交通省の指針では、接着系アンカーの養生時間は原則として24時間) - メカニカルアンカーより単価が高いため、多数必要となる足場固定ではコストがかさむ
そのため、足場を固定するために使われるのは、「メカニカルアンカー」に分類されるアンカーということになります。
2-3. 足場用アンカーは「打ち込み方式」

メカニカルアンカーには数多くの種類がありますが、固定方式別に「打込み方式」と「締付け方式」に大別され、足場を固定するために使われるのは「打込み方式」のアンカーです。
打込み方式のアンカー | ハンマーで叩いて壁に打ち込むことにより先端部を拡張させて、壁内部に圧着・固定させるタイプ |
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締付け方式のアンカー | ナット等を締め付ける力で先端部を拡張させて、壁内部に圧着・固定させるタイプ |
両方式とも、壁内部で先端部を拡張させ、先に行くほど太い形状とすることで引き抜き抵抗が増す原理を利用するアンカーです。
先端が広がる形のほぞを溝に差し込むことで引っ張りや抜けに強くする、木造建築や家具で使われる伝統的な継手「蟻組み」と同じ仕組みですね。

ただし、この原理は両方式に共通しているものの、先端部を拡張させる方法が異なります。
打込み方式のアンカーは、ハンマーで打ち込むだけで施工が完了。作業が手早く済みます。
一方、締付け方式はナットやボルトを所定のトルクで締める必要があり、トルク管理も求められるため、やや手間がかかります。
そのため、多数のアンカーを短時間で確実に施工する必要がある足場固定シーンでは、作業効率において勝っている打込み方式が選ばれるのです。
2-4. 足場用アンカーは「内部コーン打込み式」と「本体打込み式」

打込み式のアンカーには多くの種類がありますが、そのうち足場を固定するために使われるのは、「内部コーン打込み式アンカー」と「本体打込み式アンカー」の2種類です。
内部コーン打込み式アンカー | アンカー本体内部のコーンを、専用の打込み棒を使って打ち込むタイプ (例:CTアンカー) |
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本体打込み式アンカー | アンカー本体をそのまま壁に打ち込むタイプ (例:グリップアンカー) |

いずれも部材内部が雌ねじとなっており、壁つなぎの雄ねじをねじ込むことで連結が可能なつくりです。
この2種類のメリットとデメリットをまとめ、比較したものが下表です。
内部コーン打込み式 | 特徴 | 本体打込み式 |
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◯ 専用打込み棒を使うため、施工完了の状態が分かりやすい |
施工の容易さ | △ ハンマー打撃音や手応えの変化などで施工完了を判別するため、スキルが必要 |
△ 拡張範囲や面積が本体打込み式より小さい場合が多く、その分だけ固定力が劣る |
固定力 | ◯ 拡張部が大きく、広い面積で圧着するため、高い引抜き耐力を発揮する |
△ 本体打込み式に比べやや高い傾向 |
コスト | ◯ 内部コーン打込み方式に比べやや安価な傾向 |
上の表で比較していますが、両者の機能面やコスト面での差はそこまで大きくないため、どちらを選ぶかは現場次第ということになるでしょう。
鉄骨造の建物の新築工事では「鉄骨につなげる」タイプのアンカーを使用 |
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上記は、既に完成している建物のコンクリート壁と足場をつなぐケースを想定しています。 鉄骨造の建物の新築工事の場合は、鉄骨に直接固定するタイプの ・ナット固定式アンカー ・溶接アンカー ・クランプ式アンカー などが用いられます。 |
3. 足場用アンカーの価格と現場使用量のリアル

足場で使われる「内部コーン打込み式アンカー」と「本体打込み式アンカー」には、価格面でも違いがあることは、前章でお伝えした通りです。
特にステンレス製では、内部コーン打込み式のほうが1本当たり100円程度高くなる傾向が見られます。(※スチール製では差が小さい)
実際の相場感は、下表の通りです。
一般的なサイズである、呼び(対応する雄ねじの外径)がM10とM12の製品で比較しています。
種類 | スチール製(M10・M12) | ステンレス製(M10・M12) |
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内部コーン打込み式 | 約70~300円/本 | 約400~1,000円/本 |
本体打込み式 | 約40~250円/本 | 約300~900円/本 |
差額 | 数30〜50円/本 | 約100円/本 |
(※上の表はあくまで目安であり、メーカー・材質・サイズ・購入数量により変動します。正確な価格は最新カタログや販売サイトをご参照ください)
では、実際の現場ではどれくらいの数を使うことになるのでしょうか。
足場JAPANの数量計算表でシミュレーションできます。(壁つなぎの必要数=アンカーの必要数)
たとえば、10階建てで100戸規模のマンション(建坪600平米前後、高さ30m前後)の現場で枠組足場を設置する場合、必要なアンカーの数とその費用感は下表のようになります。
【10階建てで100戸規模のマンションの例】※建坪600平米前後、高さ30m前後、枠組足場を想定
50個購入した場合の費用目安 | |
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種類 | 費用目安 |
本体打込み式アンカー(スチール製) | 約5,000円(100円/本) |
本体打込み式アンカー(ステンレス製) | 約25,000円(500円/本) |
内部コーン打込み式アンカー(スチール製) | 約3,500円(70円/本) |
内部コーン打込み式アンカー(ステンレス製) | 約20,000円(400円/本) |
現場の規模や仕様により異なりますが、1件あたりの取引額は数万円〜十数万円前後に収まることが多く、大規模な建材に比べると金額的なインパクトは小さいかもしれません。
しかし、次項でご説明するような「需要が途切れないという特性」が、大きな価値につながります。どういうことなのか、詳しく見ていきましょう。
4. なぜ今、足場用アンカーの需要が伸びているのか

足場用アンカーの需要は、ここ数年で着実に高まっています。
背景には、以下のような複数の要因が重なっています。
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それぞれについて、具体的にどういったことがアンカーのニーズに影響しているのかを、以下で確認しておきましょう。
4-1. 【要因1】自然災害への備え
自然災害への備えとして、足場の固定をより確実に行う必要性が高まり、それがアンカー需要の増加につながる一因となっています。
近年、豪雨や台風による洪水・土砂災害などの自然災害リスクが増大しており、足場の安全性にも大きな影響を及ぼしているからです。
実際、たとえば2019年に首都圏を直撃した台風15号は、その記録的な暴風により、複数の足場倒壊事故をもたらしました。
これを機に、「固定が甘い足場は強風に耐えきれない」という当然のリスクと、壁つなぎの重要性が、改めて業界内で認識されるようになりました。
今後は、災害対策の一環として、足場の安全性に対する社会的な関心や要求もいっそう高まっていくと考えられ、確実なアンカーおよび壁つなぎの施工が一層求められるでしょう。
4-2. 【要因2】大規模修繕工事の増加
大規模修繕工事の増加も、アンカー需要の増加の一因です。
大規模修繕工事が増えているということは、足場が必要とされる工事の件数そのものの増加を意味しているからです。
背景には、コンクリート構造物の長寿命化を図る動きがあります。
かつては50〜60年程度とされていた建物の寿命を、可能な限り延ばそうとする取り組みが進んでおり、定期的な補修や改修工事が必要とされているのです。
全国的に老朽インフラの維持・補修が課題となっており、外壁補修や設備更新などの作業には足場が欠かせません。そして、その足場を安全に支えるのが、壁つなぎ用のアンカーというわけです。
こうした背景から、建物の長寿命化が進むほど、あちこちで頻繁に足場が設置されるようになり、アンカー需要は継続的に増加していくと考えられます。
4-3. 【要因3】業界全体の安全志向の高まり
業界全体の安全志向の高まりも、特に公共工事の現場を中心としたアンカー需要の増加の背景となっています。
公共施設の工事において仮設足場の安全管理を徹底するよう、自治体が指導を強化するケースが増えてきているためです。
2012年に発生した笹子トンネルの事故(アンカーの打込み不足などが重なり吊り足場が崩落)をきっかけに、アンカー施工の重要性が広く認識されるようになったことも影響していると言えるでしょう。
現場によってはアンカーの使用が実質的に必須とされており、これがアンカーの使用量増加に直結しています。
このように、行政指導による安全意識の高まりも、足場用アンカーの安定した需要拡大を後押ししていると言えます。
5. 足場用アンカーは「現場に適したもの」を「正しく使う」ことが人命を守る鍵

前章で見てきたように、足場アンカーの需要は高まり続けていますが、それに伴い「どんなアンカーを、どう使うか」という視点もますます重要になっています。
足場用アンカーは、現場の構造や環境に適した種類を選び、正しい施工条件に従って使用しなければ、重大な事故を引き起こすリスクがあり、場合によっては人命に関わることもあるからです。
アンカーが関連した足場の倒壊事故の主な原因には、次のようなものがあります。
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最終的なアンカー選びは現場判断に委ねられますが、何らかの形でアンカーに関わる立場にあるならば、これらの原因がはらむリスクと、どう対処すべきかを理解しておくことは、信頼感につながります。
以下でしっかりと確認しておきましょう。
5-1. アンカーの種類選定ミス
壁材の強度や構造、現場の環境に適していないアンカーを使用してしまうと、十分な保持力が得られません。
選定ミスの例と、本来どうすべきであるかをいくつかご紹介します。
選定ミスの内容 | 起こり得る不具合 | 正しい選定・対応 |
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ALC造や木造などの軽量構造物に、RC用の高負荷対応アンカーを使用する | 壁材の保持力不足でアンカーが抜けやすくなる | アンカーは「強ければ良い」というものではない。壁材の特性に合ったものを選ぶ |
海沿いや工場地帯などに位置する現場で、スチール製のアンカーを使用する | 錆・腐食により固定力が低下する | 耐食性が高いステンレス製のアンカーを使用する |
中空壁に通常の回転式アンカーを使用する | 空転してしまい、十分に保持できない | 空転防止機構のあるアンカーを使用する |
アンカーを選ぶ際には、仕様や、メーカーの謳っている使用用途などを参考にするのが基本ですが、最終的には「現場との相性」を第一に考える姿勢が求められると言えるでしょう。
5-2. 施工不備による強度不足
適切に施工されていなければ、アンカーや壁つなぎの本来の性能が発揮されません。
カタログ値の性能が得られないケースの原因としては、次に挙げるようなことが考えられます。
- 十分に打ち込まれていない(埋込長不足)
- 下穴が適切に処理されていない(径が大き過ぎる、切粉を取り除けていない等)
- 設置位置が不適切(コンクリートの密度や設置位置によって保持力が異なる)
施工が甘いと、必要な強度が確保できず、想定外の負荷で抜け落ちる恐れもあります。
施工仕様書に従った正確な作業と、施工後の強度が確保されているかどうかの検証が不可欠です。
5-3. コンクリート躯体の状態不良
コンクリートの劣化やクラックが原因で、十分な強度が出ないというケースもあります。
古い建物では、表面は健全でも内部が脆くなっていることがあります。劣化した箇所にアンカーを打ち込むと、保持力が不安定になるため、施工前のコンクリートの状態確認が欠かせません。
必要に応じて、試験施工で強度を確認する工程を入れることで、安全性をより確実に担保できます。
6. 足場用アンカーを安く仕入れるなら、大量発注に対応できる仮設資材販売業者がおすすめ

ここまでお読みいただき、継続的な需要が見込めて販路拡大にもつながる足場用アンカーの取り扱いを始めることにしたなら、仕入れ先には「大量発注にも対応可能な仮設資材販売業者」がおすすめです。
なぜなら、仕入れ先としてそうした業者を選ぶことで、次の3つのメリットが得られるからです。
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上記3つのメリットがどう有利に働くかについて、以下で詳しく見ていきましょう。
6-1. 【理由1】価格競争力を確保できるから
大量発注が可能な仮設資材販売業者から仕入れることで、価格競争力を確保できます。
大量発注が可能ということは、それだけメーカーからの仕入れ数量が多いということ。
メーカーからの仕入れ価格をスケールメリットで抑えているはずなので、販売価格にもそれが反映されやすく、安く調達するルートとして有力だからです。
たとえば、建設現場で毎回数百本単位のアンカーを使用する会社にとっては、数十円単位の差でもトータルコストに大きく影響します。
価格面に強い仮設資材販売業者を仕入れルートとして持てば、こうしたニーズに応えられるという点で、売買量の多い仮設資材販売業者からの仕入れは現実的かつ有効な選択肢です。
6-2. 【理由2】急な発注や現場変更にも対応できるから
大量発注が可能な仮設資材販売業者から仕入れることで、急な発注や現場変更にも対応できます。
仕入れ量が多い仮設資材販売業者は、当然の結果として在庫を豊富に持っている可能性が高く、急な発注にも柔軟に対応可能な場合が多いからです。
現場では「資材がすぐ必要」というケースが頻繁にあります。
在庫が潤沢な業者を味方につけていれば、追加発注や現場変更にも即対応でき、商機を逃しません。
業者によっては、午前中の注文で当日出荷が可能なところもあります。
スピードが重視される仮設資材の調達では、即納体制を持つ業者との連携が販路拡大の強力な武器となります。
全国展開しているかどうかは、納期の短さの目安となり得る |
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仕入れ量の多い仮設資材販売業者は、全国展開しているケースも少なくありません。 そして、こうした業者は、即日配送に対応できる体制を整えていることが多いと考えられます。 そのため、全国展開しているかどうかが仕入れ先選びの決め手になるわけではありませんが、「即日配送が可能かどうか」を見極めるうえでの目安にはなりそうです。 |
6-3. 【理由3】プロのアドバイスを得られるから
大量発注が可能な仮設資材販売業者を仕入れ先として持てば、アンカー選びについて「足場のプロ」の実践的なアドバイスを受けられます。
大量発注が可能な仮設資材販売業者は、足場工事の経験を持っている場合が多いからです。
自社の現場で必要となるアンカーを購入しようとしている建築関係者から相談を受けた際に、実情に即した提案ができれば、頼りになるパートナーとして信頼してもらいやすくなるでしょう。
しかし、現場の構造や環境に適したアンカー選定は、商品知識と施工経験がある人間でなければ難しいものです。
だからこそ、現場に応じたアンカーの見極めについて専門的な知見を持つ業者との関係構築は、営業活動の質を高めることにもつながります。
7. 足場で使うアンカーのことなら足場・仮設資材の販売・買取総合サイトの「足場JAPAN」にお任せください!

足場用アンカーの取り扱いを始めるに当たり、大量発注に対応できる仮設資材販売業者がおすすめとお伝えしましたが、「信頼できる仕入れ先」であることが大前提であるのは言うまでもありません。
大量発注に対応可能で、信頼するに足る仮設資材販売業者として、足場用アンカーの仕入れをぜひお任せいただきたいのが「足場JAPAN」です。
「足場JAPAN」にお任せいただきたい理由は、次の4つです。
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安心してアンカーの取り扱いを始めていただくための、貴社のパートナーとして「足場JAPAN」がなぜおすすめなのか、その4つの理由について以下でご説明します。
7-1. 【任せる理由1】豊富な経験と実績
足場JAPANにお任せいただきたい理由の1つ目は、足場に関する豊富な経験と、仮設資材販売業者としての長年の実績を有していることです。
足場JAPANは、大規模工事も手がける株式会社エルラインが、足場材の確保に苦労した創業当初の経験から「いい資材を、徹底的に安く、早く届けたい」という願いで立ち上げた足場・仮設資材の専門サイトです。
2014年に運営を開始して以来、現場経験が豊富だからこそわかる、目の前のお客様の「困ったな」に最大限お応えしようと努めてきました。
数千社ものお客様とのやり取りを重ね、ますます多くのリピーター様にご愛顧いただいています。
現場での経験をもとに積み上げてきた実績、そして信頼が、足場JAPANの強みなのです。
7-2. 【任せる理由2】価格競争力
足場JAPANにお任せいただきたい理由の2つ目は、その価格競争力です。
足場JAPANでは、自社使用分と販売分とをまとめて大量に仕入れているため、スケールメリットを活かしたお手頃価格で各種仮設資材をご提供しています。
さらに、大量購入されるお客様には大きな値引きにも対応させていただきますので、優れたコストパフォーマンスを実現可能です。
7-3. 【任せる理由3】柔軟な対応
足場JAPANにお任せいただきたい理由の3つ目は、柔軟な対応が可能な体制です。
足場JAPANでは、急な発注や現場変更にも対応できる体制を整えています。
即日発送を実現する全国5拠点体制(札幌、東北、相模原、埼玉、関西)を敷き、資材センターでのお引き取りも可能。スピード重視の現場にもご満足いただいています。
※対応可否は在庫状況によります
こうした体制があるため、納期の遅れや在庫切れの心配なく、安心してお取引を進めていただけます。
7-4. 【任せる理由4】専門知識とコンサルティング
足場JAPANにお任せいただきたい理由の4つ目は、専門知識と、培ったノウハウを活かしたコンサルティングをご提供できることです。
足場JAPANでは、資材の販売にとどまらず、培ったノウハウを活かした施工相談などのコンサルティング支援も提供しています。
スタッフは、資材に関する専門知識を有しており、現場ごとの細かなニーズにも対応可能です。
アンカー選びや施工方法についてのアドバイスを提供し、最適な提案を行います。
また、よくある「どの部材を何個発注すればいいのかわからない」というお悩みの解決もお手伝い。
図面を送っていただければ、施工現場での豊富な経験を持つ担当者が、必要な数量と見積もりを同時にお出しいたします。
足場JAPANがサポートさせていただくことで、取引先やエンドユーザーからのより高い信頼を得ることができるはずです。
どんな小さなことでも、「こんなこと聞いていいのかな?」と迷わず、どうぞお気軽にご相談ください。
8. まとめ
足場用アンカーについて、理解を深めていただけたでしょうか。
本記事で解説した内容の要点を、以下にまとめます。
▼足場で使用されるアンカーとは、建物とそれに隣接する足場を物理的に連結させることで足場の倒壊を防ぐことを目的とした金具のこと。
▼足場を固定するために使用されるのは、主に次の2種類のアンカー。
- 内部コーン打込み式アンカー
- 本体打込み式アンカー
▼アンカーの単価は、おおむね数十円から数百円の間に収まる程度と少額だが、次に挙げる理由から、魅力ある商材と言える。
- 使い捨てとなる部材であるため、現場ごとに新しく購入する必要があり、継続的な需要を見込める
- 一つの現場につき少なくとも数十個が必要となるため、単価は低くても購入額としてはそれなりになる
- 年々深刻化する自然災害の脅威に対する備えとして、足場の固定をより確実に行う必要性が高まっている
- コンクリート構造物の長寿命化を図る動きに伴い、大規模修繕工事(=足場が必要な現場)が増加している
- 自治体中心に業界全体の安全志向が高まっている
▼アンカーが関連した足場の倒壊事故の主な原因には、次のようなものが挙げられる。
- アンカーの種類選定ミス
- 施工不備による強度不足
- コンクリート躯体の状態不良
本記事で足場用アンカーに関して得た知識が、新たなビジネスチャンスにおいてお役に立ちましたら幸いです。
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