「足場材って、いくらくらいで売れるんだろう?」
「買取に出したいけど、相場がわからない…」
「できれば少しでも高く買い取ってほしい!」
現場の整理や倉庫の片づけなどで不要になった足場材を手放したいと考えたとき、「今ある資材を無駄にせず、できるだけ良い条件で売却したい」と考える方は多いはず。
そんな思いから、足場材の買取相場を検索されたのだと思います。
しかし、結論から言いますと、足場材の買取相場は下記の3つの要素が大きく影響するため、一概に「相場はいくら」と言えません。

では、少しでも有利な条件で足場材を売却するには、どうすれば良いのでしょうか?
大切なのは、「高く売れやすい足場材の特徴」や「売却準備のコツ」を知っておくことです。
これらを押さえておくことで、買取交渉をスムーズに進めたり、より良い条件を引き出せたりする可能性が高まります。
そこで今回の記事では、足場材をできるだけ有利に売却するために知っておきたい情報を、わかりやすく整理してご紹介します。
【この記事を読んでわかること】 ・足場材の買取相場の考え方と、価格が変動する理由 ・専門の買取業者とスクラップ買取の、買取金額のシミュレーション ・高く売れやすい足場材の特徴 ・売却成立を目指すために押さえておきたい準備のポイント |
最後までお読みいただければ、不要になった足場材を少しでも良い条件で売るために、「今何をすべきか」「どのように売却方法を選べば良いか」が見えてくるでしょう。
売却の不安を解消し、資材をムダにしない現金化を目指すために、ぜひ参考にしてください。
1. 足場材の買取相場は「足場材そのものの買取価格・搬入/トラック費用・整備費用」によって常に変わる

使わなくなった足場材を売りたいと思ったとき、まず気になるのは「いくらくらいで買い取ってもらえるのか」という相場ではないでしょうか。
しかし、冒頭でもお伝えした通り、足場材の買取相場は一律で決まっているわけではありません。
実際には、複数の要素によって最終的な買取価格が大きく変わるため、「一概にこの価格です」とは言えないのが実情です。
主に影響するのは、次の3つの要素です。

つまり、買取金額は、下記のような式で決まるイメージです。

足場材のコンディションや、引き取り方法によっても大きく変わるため、実際の買取価格はケースバイケースとなります。
また、足場材そのものの買取価格も、単純に「新品価格の何割」というだけでなく、
・業者の仕入れ力(=新品を何%で仕入れているか/完全社外秘) ・現在の中古市場の需要 ・鉄スクラップ価格の相場 |
といった複数の要素も絡んできます。
新品に近い状態であれば高く、劣化が進んでいればスクラップに近い価格に…と、状態による差も非常に大きいのです。
状態による価格差は、次の章でシミュレーションしていきましょう。
2. 足場材の買取業者VSスクラップに出したときの費用シミュレーション

使わなくなった足場材を売却する場合、大きく分けて「足場材専門の買取業者に売る方法」と「鉄スクラップとして売却する方法」の2つがあります。
「どちらに売ったほうが得なのだろう?」と迷う方も多いはず。
ここでは業界で最も流通している「くさび緊結式足場Aタイプ・支柱3600」を例に、売却価格の目安をシミュレーションしてみます。
なお、実際には運搬費用や整備費用が発生することもありますが、今回は「足場材そのものの買取価格」に絞って比較を行います。
まずは、足場材の買取業者に依頼した場合の価格目安を見ていきましょう。
2-1. 足場材の買取業者に依頼した場合
足場材を買取業者に依頼する場合、買取価格は足場材の状態によって大きく変わります。
これは、業者が
「その足場材を再販できるかどうか」
「どの程度の価格で売れそうか」
といった見込みをもとに、定価に対する「買取率」を決めているためです。
例えば、使用感が少なく再利用しやすい足場材は、比較的高く買い取ってもらえる一方、サビや劣化が進んだものは価値が下がり、買取額も低くなるのが一般的です。
また、同じ状態の足場でも、業者の仕入の力(=新品をどれだけ安く仕入れられるか)によって、買取率に影響が出る傾向があります。
そこでここでは、
・仕入力の高い業者A ・比較的仕入力の低い業者B |
という2つの架空業者を設定し、ミズホ機材株式会社の「くさび緊結式足場Aタイプ支柱3600(推定定価約11,850円)」の、状態ごとの買取価格をシミュレーションしてみました。
買取品の状態別の業者ごとの買取価格(1本あたり)は、業者Aのほうが、全体的に業者Bより高く買い取ってもらえる結果になりました。

複数本でまとめて買取に出した場合は、下記の通りとなります。

※価格はすべて税込、あくまで参考値です。
なぜ業者Aのほうが高く買い取れるのかと言いますと、「新品をどれだけ安く仕入れられるか」という「仕入力」の違いが影響しているためです。
上記で示した買取価格は、以下のような買取率(=定価に対する割合)を基に算出しています。

新品の足場材を大量に安く仕入れられるAのような業者であれば、他社よりも安く販売できるため、販売競争力が高く、結果としてしっかりと利益を確保しやすい傾向にあります。
つまり、「多少高く中古品を買い取っても、採算がとれる」と判断しやすく、特に状態の良い足場材に対しては、「積極的に買い取りたい」と高めの買取価格を提示してくれる可能性があるのです。
一方で、仕入れコストが高く、新品販売での利益幅が限られている業者Bの場合、同じ状態の足場材であっても、高値での買取は利益を圧迫してしまうため、どうしても買取価格は控えめになりがちです。
状態の良い足場材は、仕入力の高い業者に依頼することで、より有利な価格で買い取ってもらえる可能性が高いと言えるでしょう。
2-2. スクラップに出した場合
足場材をスクラップとして売却する場合、重さに応じて価格が決まります。
くさび緊結式足場Aタイプの支柱3600(ミズホ機材製)の重量は、1本あたり13.2kgです。
また、鉄スクラップの価格は、日本鉄リサイクル工業会(JISRI)が発表している鉄スクラップ価格(2025年3月時点)のうち、関東地区・H2種の価格約40円/kgを基準に設定します。
この条件で計算すると、支柱3600をスクラップとして売却した場合の価格は次の通りです。

そして、複数本でまとめて買取に出した場合は、下記のような価格になることが予想できます。

※実際の取引価格は市況や業者により異なります。
2-3. 足場材の買取業者VSスクラップに出したときの比較結果
上記の買取業者A・Bと、スクラップに出したときのシミュレーション結果をまとめると、下記の通りです。

ここまでのシミュレーションからわかるように、状態が良好な足場材であれば、買取業者に依頼したほうが高く売却できる可能性が高いと言えます。
特に、「仕入力」の高い業者を見極めて依頼できれば、より高値での買取が期待できるでしょう。
新品の販売価格が比較的安く設定されている業者は、「仕入力」が高い傾向にあるため、業者選びの目安にお役立てください。
一方で、スクラップに近い状態のものについては、買取業者とスクラップ業者のどちらに出しても価格差が少ないと言えるでしょう。
冒頭でもお伝えした通り、今回のシミュレーションでは本来買取金額に反映される「搬入/トラック費用」や「整備費用」は全く考慮されておりません。
実際の買取金額とは相違がある点、改めてご承知おきください。
買取先選びには、価格だけでなく「手間」と「スピード」も重要 |
---|
買取業者とスクラップ売却では「どちらがお得か?」を判断する際には、買取の価格だけでなく「手間」と「スピード」も重要なポイントです。 買取業者に依頼する場合は、事前査定や状態確認、搬入・引き取り手配など、比較的多くの手間と時間を要することが一般的だからです。そのため、状態が足場材を持ち込むと、「買取拒否」されることもあります。せっかくの労力が無駄になってしまうのです。 一方、スクラップ業者に持ち込む場合は、足場材の状態問わず、基本的に「重さに応じた価格」で即時現金化でき、手間も少なく済みます。 価格だけでなく、手続きにかかる時間や労力も含めて、自分にとって最適な方法を選びましょう。 少しでも高く売りたい場合は買取業者、早く・手間なく処分したい場合は、スクラップ業者という基準で選ぶのも一つの方法です。 |
3. 高く買取してもらえる足場材の特徴

せっかく足場材を売却するなら、できるだけ高く買い取ってもらいたいものです。高額査定を狙いやすい足場材には、次のような特徴があります。

各特徴を挙げた理由について、もう少し詳しくご紹介しましょう。
アルミ製の足場材:
アルミは鉄に比べて重量が軽く、持ち運びや設置作業の負担が小さいため、「現場での使い勝手が良い」と評価されやすいです。
また、耐久性が高く、屋外保管による劣化リスクも低いため、中古市場でも人気が高い傾向にあります。
人気メーカー品:
信頼できるメーカーの足場材は、部材の互換性や規格適合性が高く、安心して現場投入できる点が大きな強みです。
結果として、買い手がつきやすく、中古流通市場でも安定した取引価格が期待できます。
状態が良好な足場材:
多少の使用感があっても、曲がり・歪み・大きなサビなどがない足場材であれば、そのまま次の現場で問題なく使えるため、高額査定につながります。
単に見た目がきれいなだけでなく、強度や安全性が十分に保たれているかどうかが、査定では特に重視されます。
付属品が揃っているセット品:
支柱だけ、手すりだけといった単体ではなく、必要な部材がまとめて揃っていることで、買い手側がすぐに使い始められるメリットがあります。
特に、現場ですぐに組み立てたいニーズにマッチするため、セット販売できる足場材は高く評価されやすいと言えるでしょう。
上記のように、材質、メーカー、状態、付属品といったポイントを押さえた足場材であれば、買取業者からも高く評価される可能性が高まります。
「これ、高く売れるかな?」と思ったら「足場JAPAN」にお任せ!
|
---|
「この足場材、ちゃんと評価してもらえるだろうか?」 「せっかく状態が良いのだから、できるだけ高く買い取ってもらいたい…」 そんなときは、株式会社エルラインの運営する、足場・仮設資材の専門サイト「足場JAPAN」の活用をご検討ください。 当社では、現場経験のあるスタッフが資材の状態や仕様を踏まえて、適正な価格をご提案しています。 メーカー問わず幅広く対応しており、「この部材は現場で求められるだろうか?」「セットとして使いやすいか?」といった視点から、実用性に即した査定で価値を見極めます。 「良いものを、きちんと評価して売りたい!」 そう感じたときは、ぜひお気軽にご相談ください。 |
4. 実際のところ「多少のサビ」でも足場材は買取が難しい

前章では、高く買い取ってもらいやすい足場材の特徴を4つご紹介しました。とはいえ、条件に当てはまっていても、実際の現場では、期待通りの査定が出ないこともあります。
なぜなら、足場材の価値は外見だけでは判断できず、「安全に使えるか」「再利用できるか」という基準が非常に厳しく見られるからです。
特に注意したいのが、サビや劣化による影響です。
「足場材に多少のサビがある程度なら問題ない」と感じるかもしれませんが、業者側の基準ははるかにシビアです。
例えば、相続した倉庫の中から出てきた単管や支柱。
持ち主から見れば「表面に少しサビが浮いている程度」と思えても、業者から見れば「安全性に不安がある=再利用不可」と判断されるケースがほとんどです。
また、仮にサビを落として整備できるレベルだったとしても、
・一本一本手作業で清掃・検品を行う手間 ・万が一、再販後に事故が起きた際のリスク |
を考慮すると、コスト的にもリスク的にも買い取るメリットが小さくなるため、スクラップ処分が選択される現実があります。
たとえ「多少のサビなら大丈夫」と思っても、業者基準では買取対象外となる可能性が非常に高いと認識しておくことが重要です。
サビや劣化以外にも!実際に買取が難しい足場材の例も知っておこう |
---|
サビや劣化が目立つ足場材は買取が難しいとお伝えしましたが、それ以外にも、現在の現場で使用が難しい仕様や、構造上の問題を抱える足場材については、同様に査定対象外となる場合が多いです。 以下に、買取が難しい具体例を整理します。 ![]() このような足場材については、無理に買取査定に出すよりも、金属スクラップ業者への持ち込みを検討するほうが、スムーズかつ現実的な対応だと言えるでしょう。 |
5. 足場材を少しでも高く買取してもらうためのコツ

買取の現場では、想像以上に厳しい基準で足場材がチェックされることをご紹介してきましたが、
「できることならなんとか買取してほしい」
「少しでも高く手放したい」
と思う方は多いはず。
実は、買取査定の結果は、事前の工夫や準備によって変わることもあります。
ここでは、買取成立や査定アップの可能性を高めるために、ぜひ押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
【足場材を少しでも高く買取してもらうためのコツ】 ・5-1. 買取依頼前にメンテナンスをしておく ・5-2. まとめて買取依頼をする ・5-3. 可能であれば「持ち込み」にする ・5-4. 【少量なら】フリマサイトで個人間交渉する手もある |
ひと手間かけることで、希望に近い形で手放せる可能性を広げましょう。
5-1. 買取依頼前にメンテナンスをしておく
買取を依頼する前には、ご自身(あるいは自社で)簡単なメンテナンスをしておくことをおすすめします。
きれいな状態で持ち込めば、業者側の再販準備にかかる手間を減らせるため、査定時の評価アップにつながる期待が持てるからです。
具体的には、以下のような簡単なメンテナンスを行なってみましょう。

確かに、曲がりや破損、重度のサビといった大きなダメージがある場合は、買取が難しいかもしれません。
しかし、汚れ落とし程度であれば、自分でケアしておくだけで査定結果に好影響を与えることが期待できるでしょう。
5-2. まとめて買取依頼をする
足場材は、数量をまとめて売るほど査定条件が有利になる傾向があります。
数がまとまっていれば、業者側の手間やコストを抑えられ、再販効率も高まるからです。
逆に、少量では対応コストがかさみ、買取自体を断られるリスクも高まります。
できれば、同じ種類・同じ規格の足場材をまとめて依頼することで、よりスムーズに査定が進みやすくなります。
バラバラの部材を集めた状態より、一定のまとまりがあるほうが好印象にもつながります。
5-3. 可能であれば「持ち込み」にする
自分で業者に持ち込む場合、搬入コストを抑えられるため、買取条件が有利になることがあります。
出張引き取りでは、トラック手配や人員コストがかかり、その分が査定額に反映されてしまうことが多いからです。
小型トラックやレンタカーを活用して、数十本単位でも直接持ち込めれば、その分のコストを節約でき、より良い条件を引き出しやすくなるでしょう。
5-4. 【少量なら】フリマサイトで個人間交渉する手もある
少量の足場材を手放したい場合、フリマアプリで個人間売買を検討するのも一つの選択肢です。
売り手と買い手が直接やり取りするため、業者のような厳しい再販基準や査定基準が存在しないからです。
例えば、数本だけ倉庫に眠っていた支柱などでも、欲しい人が見つかればスムーズに売却できる可能性があります。
ただし、買い手がすぐ現れるとは限らず、また発送手続きややり取りなど、自力で進める手間がかかる点には注意が必要です。
少量を売りたい場合は、時間や労力を考慮しつつ、フリマサイトの活用も視野に入れてみましょう。
6. まとめ
この記事では、足場材の買取相場について解説しました。
最後に、記事の要点を振り返りましょう。
まず、足場材の買取相場は、「足場材そのものの買取価格・搬入/トラック費用・整備費用」によって常に変わりますので、一概に「相場はいくら」とは言い切れません。
足場材のコンディションや、引き取り方法によっても大きく変わるため、実際の買取価格はケースバイケースです。
とはいえ、状態が良好な足場材であれば買取業者に依頼したほうが、スクラップ買取に出すよりも高値で売却しやすいと言えます。
特に、下記の特徴を持つ足場は高く買取してもらいやすいでしょう。
【高く買取してもらえる足場材の特徴】 ・アルミ製の足場材 ・人気メーカー品 ・状態が良好な足場材 ・付属品が揃っているセット品 |
ただし、実際の買取現場では、「多少のサビ」でも買い取ってもらいにくい現状があります。
現場で使用が難しい仕様や、構造上の問題を抱える足場材は、無理に買取査定に出すよりも、金属スクラップ業者への持ち込みを検討するほうが、スムーズかつ現実的な対応と言えるでしょう。
とはいえ、下記のコツを踏まえて工夫すれば、希望に近い形で手放せる可能性もあります。
【足場材を少しでも高く買取してもらうためのコツ】 ・買取依頼前にメンテナンスをしておく ・まとめて買取依頼をする ・可能であれば「持ち込み」にする ・【少量なら】フリマサイトで個人間交渉する手もある |
ご紹介した買取現場の事情や、売却のコツを知り、少しでもスムーズかつ高く売却できるよう、ぜひお役立てください。
コメント