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ビケ足場とは|勘違いしやすいポイントと特徴・相場・入手方法を解説

「ビケ足場について知りたい!普通のくさび緊結(きんけつ)式足場とどこが違うの?」
「ビケ足場の特徴とか価格を教えて。選ぶポイントはなに?」

足場にもさまざまなタイプがあるため、導入の際には、どれを選ぶべきか悩みますよね。
記事をご覧の方は、ビケ足場の導入を第一に検討しておられるのでしょうか。

その場合、まず確認しておきたいのは、ビケ足場とは、1980年に株式会社ダイサンが開発した「くさび緊結式足場」の商品名であることです。

日本初のくさび緊結式足場であったため、「ビケ足場」といえば「くさび緊結式足場」を指すというイメージが広く浸透しました。

もしあなたが、総体的な意味での「くさび緊結式足場」を想定していた場合は、最初に認識を改めておきましょう。

そこで、この記事では、ダイサンの商品である「ビケ足場」の特徴や価格、入手方法をわかりやすく解説します。

※メーカーに関係なく「くさび緊結式足場」の導入を検討したい方は、下記の記事で他の足場タイプとの違いやメリット・デメリット特徴を解説していますので、そちらを参考にしてください。
くさび式足場とは?単管・枠組足場との違いを交えてわかりやすく解説

ビケ足場は、ハンマーだけで組み立てられるシンプルな部材を使った足場ですが、現場によって必要な部材の数量や、かかるコストは異なります。

調達の際は、後半でお伝えする「ビケ足場をお得に入手する方法」をしっかり押さえておくと良いでしょう。

【この記事を読めばわかること】
  • ビケ足場とは
  • ビケ足場とビティ足場の違い
  • ビケ足場の種類と特徴
  • ビケ足場を賢く調達する際のポイント

記事を読んでいただければ、ビケ足場のなりたちがしっかり理解でき、現場に導入すべきかどうかの判断ができるようになります。

建築用語に疎かったという方にも、知識が深まり、自信を持っていただける内容ですので、ぜひ最後まで目を通していただけたらと思います。

目次

1. ビケ足場は株式会社ダイサンが開発した「くさび緊結式足場」の商品名

ビケ足場は株式会社ダイサンが開発した「くさび緊結式足場」の商品名

ビケ足場とは、株式会社ダイサンが開発した「くさび緊結式足場」の商品名です。

1980年、『日本で初めて「くさび(楔)方式」を採用した足場』として登場したことで、この名称は広く普及し、ビケ足場といえば「くさび緊結式足場」というイメージが一般化しました。

そのため、ダイサン以外のメーカーから多くの商品が販売されている今に至っても、「くさび緊結式足場」を「ビケ足場」と呼ぶ習慣が残っています。

「ビケ足場」のなりたちと「くさび緊結式足場」

出典:株式会社ダイサン

1980年、ダイサンは、古来より暮らしの中で経験的に用いてきた「くさび(楔)」※をヒントに、日本で初めての「くさび緊結式足場」を開発しました。

※くさびは、日本建築や道具の組み立て、船の修理などで、部材をしっかり固定するために使われてきた伝統的な道具です。

「くさび緊結式足場」とは、鋼管を支柱とし、手すりや筋交いをハンマーでくさびに打ち込んで緊結する足場です。

シンプルな構造ながら安全性・作業性・耐久性に優れ、組み立てや解体がハンマー1本で簡便に行えます。

それまでの日本の住宅用の足場は木材(丸太)などで組まれていて、作業性や耐久性に多くの問題を抱えていました。

ダイサンの「ビケ足場」は、そうした課題を一挙に解決したことで、業界内外で大きな話題となったのです。

ビケ足場は、株式会社ダイサンの商標ですが、くさび緊結式足場の通称としても広く使われています。

したがって、周囲で「ビケ足場」の話題が出た際には、商品名としての「ビケ足場」なのか、「くさび緊結足場」のことを指しているのかを、間違いのないよう、あらかじめ確認すると良いでしょう。

2. ビケ足場とビティ足場は全くの別物

ビケ足場とビティ足場は全くの別物

「ビティ足場っていう名前も耳にするけど、ビケ足場と関係ある?」
「ビケ、ビティ…似てるよね?}

ここまで読んでこられた方の中に、この疑問をお持ちの方はいないでしょうか?

その場合は、「ビケ足場」と「ビティ足場」は全く別の足場タイプですので、混同しないように注意してください。

先述の通り、ビケ足場は、(株)ダイサンの「くさび緊結式足場」の商品名、あるいは「くさび緊結式足場」そのものを指します。

一方、「ビティ足場」とは、鋼管を門型に溶接した建枠やジャッキベース、筋交い材、鋼製布板などを組み合わせて作る「枠組足場」を指します。

一方、「ビティ足場」とは、鋼管を門型に溶接した建枠やジャッキベース、筋交い材、鋼製布板などを組み合わせて作る「枠組足場」を指します。

ちなみにビティ足場(枠組足場)は、クレーンで頑強な部材を荷揚げし、ピンで連結させて組み立てます。

ハンマーだけで組み立てるビケ足場とは構造も違って、さらに強度が高く、主に高層建築物や大規模修繕工事の現場で使用される足場です。

「ビティ足場(枠組足場)」と「ビケ足場(くさび緊結式足場)」は、一見似た名称ですが、全く別種類の足場であることをしっかり把握しておきましょう。

※ビティ足場(枠組足場)について詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
ビデ足場

3. ビケ足場はBタイプに属するくさび緊結式足場

ビケ足場はBタイプに属するくさび緊結式足場

くさび緊結式足場は、各社が製造している商品の特徴からABCの3種類に分類され、ビケ足場はBタイプに属します。

Aタイプ(キャッチャータイプ)流通量が多く、国内で使われるくさび緊結式足場の約50%に該当
Bタイプ(ビケタイプ)Aタイプと比べて横揺れが少なく、広く名称が知られている
Cタイプ(三共タイプ)軽量で施工が早いが、他より揺れが大きく、価格も高いため、流通量は少ない

Bタイプの代表的な商品が、最初に開発したダイサンの「ビケ足場」なので、Bタイプは別名「ビケタイプ」とも呼ばれます。

Bタイプの特徴と、ダイサン製以外の商品との互換性についてみていきましょう。

ビケ足場はBタイプに属する「くさび緊結式足場」
  • Bタイプの「くさび緊結式足場」の特徴
  • ビケ足場以外のBタイプの「くさび緊結式足場」

しっかり理解していきましょう。

3-1. Bタイプの「くさび緊結式足場」の特徴

Bタイプ(ビケタイプ)は、日本国内でAタイプの次によく利用されている「くさび緊結式足場」です。

Aタイプと比べ、横揺れが少ないのが大きな特徴です。

これは、生産当初、ダイサンが戸建て住宅の低層足場使用を重視して作ったため、踏板、ブラケットにAタイプにはない「くさびポケット」が付いていることに起因しています。

他の特徴は以下の通りです。

  • 「くさびポケット」間の長さが475mmで、1層(段)のスパン(高さ)が1900mmと、Aタイプより大きい(作業性が良い)
  • 施工解体はAタイプに比べると手間がかかる(くさびの打ち込み、抜きの作業が多い)
  • コストはABCの中で中価格帯

揺れの少ない足場である一方、組み立てや解体に多少手間がかかる点、またAタイプに比べると費用が高くなる点に注意が必要です。

3-2. ビケ足場以外のBタイプの「くさび緊結式足場」

ダイサンの「ビケ足場」以外にも、Bタイプに属する「くさび緊結式足場」を製造しているメーカーが複数存在します。

主なメーカーと商品は以下の通りです。

Bタイプ|主な製造メーカーと商品
メーカー名商品名
ダイサンビケ足場
信和キャッチャーB
平和技研サスコム475B

Bタイプである限り、規格は基本的に統一されていますが、メーカーごとに使用される鋼材や表面処理(メッキ加工など)が多少とも異なるため、使い勝手や耐久性に差が出ることがあります。

微妙に合わない足場材を繋ぎ合わせると、足場の高さが均等にできなくなる可能性があるため、非常に危険です。できれば、購入するのであれば同じメーカーで統一するのが良いでしょう。

また、現状、具体的にどのメーカーが優れているかを示す明確な評価や商品レビューは見当たりませんでした。

したがって、ダイサンのビケ足場かそれ以外かで購入を迷われている方は、実際に過去使って使いやすかったメーカーのものを選ぶか、一度レンタルで各社の足場材を使ってみて、使用感や価格を比較してから選ぶのもよいでしょう。

4. ビケ足場の価格

ビケ足場の価格

ビケ足場(ダイサン以外のくさび緊結式足場も含む)の単価は、1㎡あたり平均で800円から1,000円前後す。

たとえば、一般的な住宅工事の現場用に新品一式を購入するとなると、目安として約100万円ほどになります。
※「一式」とは、特定の数量ではなく、用途に合わせて揃えられた部材セットを指します。

といっても、これはあくまでも参考価格で、足場の価格は現場の規模や設置条件によって、また地域、店舗、さらには社会情勢によっても変動するため一概にはいえません。

実際、ダイサンの公式ホームページをみても、具体的な価格等は掲載されていません。(2025年2月時点)

仮に標準的な価格表があったとしても、実際の見積もりは各現場の状況に応じて細かく調整されるのが一般的です。

ビケ足場や足場全般の価格が気になる場合は、まず、図面や現場の詳細がわかる資料を用意してメーカーや専門業者、販売代理店に相談してみましょう。

コストを抑えるためには、複数の業者から見積もりを取り、価格や条件を比較するのも有効な手段です。

※足場や足場材の価格を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
足場材 価格

5. ビケ足場(くさび緊結式足場)をお得に入手する3つの方法

ビケ足場(くさび緊結式足場)をお得に入手する3つの方法

ビケ足場の価格は、工事の規模や設置場所だけでなく、社会情勢や市場状況によっても異なります。

また、(株)ダイサンのビケ足場と、別メーカーのBタイプ(ビケタイプ)の「くさび緊結式足場」でも、価格に違いがあります。

そのため、お得に入手するためには、現場や部材の市場状況に詳しい専門業者に相談することが重要です。
また、コストを重視するならレンタルや中古を選択肢にいれるという方法もあります。

ビケ足場をお得に入手する3つの方法
  • 資材店で図面を見せ相談して選ぶ
  • 短期工事の場合はレンタルを検討する
  • コストを重視するなら中古も視野にいれる

しっかり把握しておきましょう。

5-1. 資材店で図面を見せ相談して選ぶ

ビケ足場をお得に入手する方法の1つめは、購入前に資材店で図面を見せて相談することです。

これにより、現場に最適な部材や必要な数量を正確に選ぶことができます。

ビケ足場は、ハンマーだけで組み立てられるシンプルな部材を使った足場ですが、現場によって必要な部材の数量はさまざまです。

また、ビケ足場はくさび緊結式足場の中でBタイプに属しますが、Bタイプだからといって全ての部材に互換性があるわけではありません。
メーカーによっても微妙な違いがあり、自己判断では互換性のないものを間違って選ぶ可能性があります。

そのため、工事の規模や建物の形状がわかる図面を準備し、資材店で相談することが非常に重要です。

専門知識を持ったスタッフに、現場に最適な部材やサイズ、組み合わせや数量に関する意見を聞くことで、間違いのない選定ができるでしょう。

5-2. 短期工事の場合はレンタルを検討する

短期工事でビケ足場を使用する場合は、レンタルを検討するのも一案です。

1ヶ月未満の使用であれば、多くの足場材において、レンタル料金は新品の半額以下になることが一般的です。
そのため一時的な工事 で使用する場合、購入するよりもコストを抑えられる可能性が高いでしょう。

ただし、レンタル期間が長くなる(約3ヶ月以上)と、レンタル料金が購入費用を上回る可能性もあるため注意が必要です。

また、以下の点にも気をつけましょう。

  • 返却時の状態 :汚れや損傷があると追加料金が発生することがある
  • 運搬コスト :レンタル会社までの輸送費や返却費用も考慮が必要

事前に レンタル期間・料金・諸費用 をしっかり確認し、トータルコストを比較した上でお得かどうかを判断するようにしてください。

5-3.中古品の活用を選択肢に入れる

3つめにおすすめしたいのは、中古品の活用です。
なぜなら、適切に中古品を取り入れることで、大幅なコスト削減が可能になるからです。

株式会社ダイサンの「ビケ足場」、および他メーカーのビケ足場は、中古品を扱う資材業者やオークションサイトでも手に入ります。

ビケ足場の部材は耐久性に優れており、中古だからといって品質が著しく劣るわけではありません。

特に、布板(踏み板)、横材、クランプ類などの耐久性が高い部材は、中古品でも問題なく使用できるケースが多い上に、新品の20〜30%オフの価格で手に入れることができます。

使用年数や状態をしっかり確認し、品質管理が徹底された中古品を選ぶことで、コストパフォーマンスを向上させつつ、安全性もしっかり確保できます。

品質の高いビケ足場を、コストを抑えてお得に手に入れるためには、中古品の活用を検討しましょう。

6. 足場材なら工事のプロに相談できる「足場JAPAN」へ

足場材なら工事のプロに相談できる「足場JAPAN」へ

足場材のお困りごとは、「足場JAPAN」にお任せください!

「足場JAPAN」は、施工会社を母体とする足場と仮設資材の販売・買取総合サイトです。

施工業者だからこそ知り得るナレッジを活かし、創業7年で全国数千社への販売実績を達成、併せて資材センターを中心とした営業所も全国6拠点へと増設しています。

足場材の確保に苦労した自社の経験から「いい資材を、徹底的に安く、早く届けたい」という願いを持ち続けている、足場JAPANの特徴をお伝えします。

「足場JAPAN」はこんなサイトです!
  1. 豊富なメニューから探せる・選べる
  2. 足場材のセット商品がどこよりもお得な価格で購入できる
  3. 工事のプロに足場材の数量を相談できる

順にみていってください。

6-1. 豊富なメニューから探せる・選べる

足場JAPANサイトでは、豊富なメニューから簡単に必要な足場材の情報が得られます。

新品、中古から探せるのはもちろん、メーカーから商品を探して選ぶことも可能です。

足場JAPANサイトでは、豊富なメニューから簡単に必要な足場材の情報が得られます。

新品、中古から探せるのはもちろん、メーカーから商品を探して選ぶことも可能です。
出典:足場JAPAN|MENU

足場材の見積もりができるフォームや、施工距離ごとの安全鋼板数量計算表、また、足場材の処分でお困りの方には、必要事項と買取資材の写真を送るだけで査定ができるサービスもご用意しています。

直感的な操作でスムーズに必要な情報が見つかるため、画面操作に不安がある方も安心です。

足場JAPANサイトには、購入から買取まで、足場材に関するお悩みを解決できる充実のメニューをご用意しています。

6-2. 足場材のセット商品がどこよりもお得な価格で購入できる

足場JAPANなら、足場材のセット商品がお得な価格で購入できます。

足場JAPANなら、足場材のセット商品がお得な価格で購入できます。

 

ビケ足場、次世代足場、単管パイプ、安全鋼板といった一定期間で入れ替えが必要な消耗品は、一度に費用がかかるため、負担に思われているのではないでしょうか。

足場JAPANでは、セット商品を大量購入されるお客様には大きく値引きすることが可能です。

それは弊社が、資材の提供とは別に、大規模工事も事業として行っているからです。

一度の資材仕入れ量が多く、ロット単位で発注することでコストを抑えられるため、自ずとご提供価格も割安になります。

実際、ご満足いただき繰り返しご利用いただいているケースが多いです。

大量購入をご検討のお客様は、一度お見積りいただければ、足場JAPANの安さを実感していただけますので、ぜひお試しください。

6-3. 工事のプロに足場材の数量を相談できる

足場JAPANでは、足場材の数量についてのご相談もお受け付けしています。

足場JAPANでは、足場材の数量についてのご相談もお受け付けしています。

 

社長や上司から、「この図面にかける足場材を買わなきゃいけないから見積もりしておいてくれ」と指示されたものの、どの部材を何個発注すればよいか検討がつかない…
といったことはないでしょうか。

足場JAPANには、施工現場における豊富な経験を持つ担当者がいますので、図面を送っていただければ必要な数量と見積もりを同時にお出しすることが可能です。

いかがでしょうか。

足場JAPANは、自社が培ってきた経験を、仮設足場業界、建設業界の発展のためにこれからも還元し続けたいと考えています。

足場材に関するお悩みは、目の前のお客様の『困ったな』に最大限お答えする「足場JAPAN」にご相談ください。

足場JAPANに相談する

7. まとめ

ビケ足場は、株式会社ダイサンの商品名ですが、くさび緊結式足場の通称としても広く使われています。

ビケ足場は、ABCの3種に分かれる「くさび緊結式足場」の中ではBタイプに属します。
特徴は、Aタイプと比べて横揺れが少なく、安定性が高い点です。

ただ同じBタイプでも、メーカーによって部材の互換性がない場合があるので注意が必要です。
また、工事の規模や現場の条件により、ビケ足場に使用する最適な部材や数量は異なることも覚えておいてください。

そのため、ビケ足場を導入する際には、工事規模や建物の形状がわかる図面を準備し、資材店で相談して選ぶことをおすすめします。

この記事が、あなたの疑問やお悩みを解消する手助けとなることを願っています。

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この記事を書いた人

株式会社エルライン 社長室 1級電気工事施工管理技士

新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向し、教育に携わる。2024年4月にエルライングループにジョインし、教育や採用活動、広報・マーケティング業務などに従事。

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