「足場の数量計算を自分で行うのが久しぶり…正しい計算方法をもう1度把握しておきたい」
「手間がかかる足場の数量計算を、効率的に行う方法はないだろうか…」
このように考えていませんか。
どのような足場材が、どれだけの量必要かを把握するために必要な足場の数量計算。
しかし、独立して間もない場合などであれば「あれ?この計算方法で合っていたっけ?」と不安になってしまうことも多いでしょう。
計算ミスにより必要な足場材が揃わず、現場の作業に遅れがでてしまったり、資材を発注しすぎて無駄なコストがかかってしまったりもするかもしれません。
したがって、スムーズに現場作業を進めるためには、正しい数量計算に基づいた足場材の発注が必要です。
そこで本記事では、以下の内容を詳しく解説します。
【本記事の内容】
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また、「発注の納期が迫っているので、足場の数量計算に多くの時間はかけられない」と悩んでいる方も、安心してください。
本記事では、便利な計算ツールを使用した簡単なやり方を紹介します。
記事を最後まで読めば、早く・正確に足場の数量を計算できるようになるので、スムーズに足場材の発注を終えられるでしょう。
足場の数量計算に苦戦している方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
1. 足場の数量計算のために知っておくべき基礎知識

はじめに、「足場の数量計算のために知っておくべき基礎知識」について解説します。
正しい数量計算を行うためにも、しっかりと把握しておきましょう。
1-1. 足場の数量計算について定めた法律
足場の数量計算は、「公共建築数量積算基準」という法律に基づいて行います。
「公共建築数量積算基準」とは、建築資材の数量を算出するための計測・計算方法を定めた基準のことです。
足場の数量計算についても、以下のように記載されています。
(3)足場
1)外部足場
1.外部本足場の数量は、足場の中心の水平長さと構築物等の上部までの高さによる面積とする。足場の中心は、作業幅を考慮し、構築物等の外壁面から1.0mの位置を標準とする。また、最上部には安全手すりを設けるものとし、その数量は足場の水平長さとする。
2.一側足場の数量は、構築物等の外壁面から0.5mの位置を標準とし、その水平長さと足場高さによる面積とする。また、一側足場の場合は安全手すりの高さに変えて、構築物等の上部までの高さに1.0mを加算した高さを足場高さとする。
少し複雑な言葉で表現されているので、分かりづらく感じる方も多いでしょう。
要約した内容を以下に記載するので参考にしてください。
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建物や現場の状況によって変動する場合もありますが、基本的には、足場の数量計算は上記の内容をもとに行います。
1-2. 基本的な数量計算のやり方
それでは、「公共建築数量積算基準」をもとにした数量計算のやり方を説明します。
たとえば、「横幅10m・奥行6m・高さ8m」の以下の図のような建物に外部本足場を架けると想定してみましょう。

まずは、「建物の外壁から足場の中心までの距離を含めた建物の外周」を求めます。
「公共建築数量積算基準」に従うと、建物の外壁から足場の中心までの距離は1mです。
しかしこの数値は、建物や現場の状況によって変動する場合もあると心得ておきましょう。
今回の例では1mと仮定して計算すると、計算式は以下のようになります。
(10m+1m+1m)+(6m+1m+1m)+(10m+1m+1m)+(6m+1m+1m)=40m
そして、外周に建物の高さをかけます。
40m×8m=320㎡
したがって、足場の架け面積は「320㎡」です。
【一側足場の場合の計算例】 (10m+0.5m+0.5m)+(6m+0.5m+0.5m)+(10m+0.5m+0.5m)+(6m+0.5m+0.5m) 36m×(高さ8m+1m)=324㎡ 足場の架け面積は「324㎡」 |
そして、足場の架け面積がわかったら、次は必要な足場材の数量を求めていきます。
たとえば、足場の高さに応じた本数が必要になる「鉛直材」で考えてみましょう。
【鉛直材の数量計算】
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上記のように、一つひとつ漏れなく計算していきます。
この作業を、水平材や階段材などのさまざまな足場材ごとに行っていくので、かなりの時間を要するでしょう。
計算方法を理解しておくことは大切ですが、「足場の数量計算をすぐに終わらせたい」と考えている方にとっては、最適な方法だとはいえません。
そこでおすすめなのが、足場の数量をすぐに算出してくれる「計算ツール」です。
次の章では、便利な計算ツールを使用してシミュレーションを行っていきます。
早くて簡単な方法が知りたい方は、一緒に確認していきましょう。
2. 【戸建て】足場の数量計算のやり方3ステップ

それでは、便利な計算ツール使用した足場の数量計算方法を3ステップで解説していきます。足場の数量計算を早く・正確に行いたいと考えている方は必見です。
まずは、戸建て住宅に足場を設置すると仮定してシミュレーションを行います。
2-1. 住宅の外周を測る
まずは現地調査を行い、住宅の外周・高さを測定します。
先ほど説明した通り、足場の数量計算をするには、住宅の外周×高さで算出した架け面積を求める必要があります。
これは本記事で紹介する足場の数量計算ツールを使用する際にも必要な工程ですから、しっかりと測定をしておいてください。
外周を測定する際には、建物の大まかな平面図・立体図をノートなどに書いて、そこに数値を記入していくようにしましょう。
今回は、以下のような形の戸建て住宅の青線の面に外部本足場を架けると仮定します。

住宅の高さは5mです。
上の図では足場をかける部分の数値だけを記載していますが、実際に測量する際は、凸凹部分も含めて測っておきましょう。
2-2. 足場の架け面積を計算する
住宅の外周や高さの測定が終了したら、足場の架け面積を計算します。
前章で解説したように、本足場を架けるときは「建物の外壁から足場の中心までの距離」を1mとる必要があります。
したがって、今回の例では足場をかける外周の長さは以下のようになります。

この図をもとに足場の架け面積を出す場合の計算式は以下のようになります。
【架け面積の計算】 ※1番左側の辺から時計回りに加算 10m+8m+6.5m+6m=30.5m 足場の外周=30.5m 30.5m×5m(住宅の高さ)=152.5㎡ |
このように、今回の住宅の場合の架け面積は152.5㎡だということになります。
2-3. 計算ツールを使用して足場の数量を算出する
足場の架け面積がわかったら、最後に計算ツールを使用して足場の数量を算出します。
今回使用するのは、足場JAPANが無料で提供している計算ツールです。
戸建て住宅の場合は、「くさびA」の計算表を用います。

上の図のように、先ほど求めた足場の架け面積と住宅の高さを入力してください。
そうすると、必要な足場材の「種類・重量・数量・合計重量・概算金額」が自動で表示されます。

足場幅600と900の2パターンが算出されるので、都合の良い方を選択できます。
足場JAPANで足場材を購入する場合は、このまま見積依頼を出すことも可能です。
本来であれば、一つひとつの資材の数量を人の手で計算していかなければならないため、多くの時間を要する「足場の数量計算」。
しかし計算ツールを使用すれば、数値を入力するだけですぐに結果が出るので、足場の数量計算にかかる時間を大幅に短縮できるでしょう。
【足場材を購入するなら足場JAPANがおすすめ】 |
「足場材を安く大量に購入したい」 と考えている方におすすめなのが「足場JAPAN」です。
・セットで大量に購入する場合は大幅な値引きが可能 また、「必要な足場材の種類や数量がはっきりとはわからない」という方に向けては、相談サービスも提供しています。 足場を架ける建物の図面を送れば、経験豊富な担当者が足場材の数量を算出し、無料で見積もりを出すことが可能です。 足場材を定期的に購入する必要がある方は、足場JAPANの利用をご検討ください。 ![]() |
3. 【マンション】足場の数量計算のやり方3ステップ

次に、マンションやアパートに足場を設置する場合の数量計算方法を3ステップで解説します。
戸建ての場合と同様に、足場JAPANの計算ツールを使用してシミュレーションを行います。
3-1. マンションの外周を測る
戸建ての場合と同様に、まずは現地調査に出向いてマンションの外周を測定します。
外周を測定する際には、建物の大まかな平面図・立体図をノートなどに書いて、そこに数値を記入していくようにしましょう。
今回は、以下のような形のマンションに外部本足場を架けると仮定します。
5階建てで、高さは15mだと想定してください。

戸建てに比べて横幅の数値も奥行の数値も大きくなりますが、ズレがないように正確に測定しましょう。
3-2. 足場の架け面積を計算する
外周の測定が完了したら、次は足場の架け面積を計算します。

上の図の緑の点線が足場の中心ラインです。
「建物の外壁から足場の中心までの距離1m」も忘れずに外周に含めてください。
【足場の架け面積の計算】 1.外周を求める 2.面積を求める |
したがって、今回の例では足場の架け面積は720㎡です。
3-3. 計算ツールを使用して足場の数量を算出する
足場の架け面積がわかったら、戸建てのときと同様に計算ツールを使用して足場の数量を算出します。
マンションやアパートなどの大きめの建物に足場を架ける場合は、足場JAPANの「枠組足場(新型)」か「次世代足場IQ」の数量計算表を使用しましょう。
「枠組足場」とは、大規模な建築物や高層建築にも対応できる強度が高い足場のことを指します。 そして、その枠組足場の安全性をさらに高めたものが「次世代足場」です。 |
足場材にかかる費用は、枠組足場よりも次世代足場の方が高くなる傾向にあります。
現場の状態や予算に合わせて選んでください。
今回は「枠組足場(新型)」の数量計算表でシミュレーションを行います。

上の図のように、先ほど求めた足場の架け面積とマンションの高さを入力しましょう。
そうすると、必要な足場材の「種類・重量・数量・合計重量・概算金額」が自動で表示されます。

600枠・900枠・1200枠の3パターンで算出してくれるので、都合に合うものを選択しましょう。
マンションやアパートの場合は、戸建て住宅よりも足場の架け面積が大きくなるので、その分数量計算も大変になります。
足場JAPANが提供している計算ツールを使用すれば、足場の数量計算にかかる時間を大幅に短縮できるのでおすすめです。
ちなみに、足場JAPANで足場材を購入する場合は、このまま見積依頼を出すことも可能です。
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4. 足場の数量計算をより正確に行うためのポイント

足場の数量計算は、建物の形が特殊になればなるほど複雑になります。
計算方法をしっかりと理解していたとしても、誤差やミスが生まれてしまうかもしれません。
そこでこの章では、足場の数量計算を正確に行うためのポイントを4つ紹介します。
【数量計算を正確に行うためのポイント】
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4つポイントをしっかりとおさえて、ミスなくスムーズに足場の数量計算を行いましょう。
以下で各ポイントを詳しく解説していきます。
4-1. クランクや配管の出っ張りなどの長さも詳しく測る
現地調査を行う際に、クランクや配管の出っ張りなどの長さも詳しく測るようにしましょう。
下の写真のようなアパートのベランダ部分がクランクにあたります。

外壁部分よりもベランダ部分が出っ張っているので、「どのくらい出っ張っているのか」「出っ張っている部分の横幅はどれくらいか」もしっかりと測定してください。
出っ張っている分だけ足場も外側に架けなければいけないので、必要な足場材の数量や長さが変化するからです。
また、配管の出っ張りについても同様です。

上の写真のように配管が出っ張っていると、その分足場も外側に組まないといけなくなります。
必要な足場材の数量や長さも、微妙に違ってくるでしょう。
クランク部分や配管の出っ張りの長さを測定しないで数量計算をしてしまうと、いざ足場を組むとなったときに「足場材が足りない!」「足場材のサイズが合っていない」などの問題が起こる可能性があります。
クランクや配管など、出っ張っている部分の長さまで細かく測定して、誤差が出ない足場の数量計算を心がけましょう。
4-2. カーポートなどの干渉物の長さも測っておく
下の写真のようにカーポートなどの干渉物がある場合は、干渉物の横幅や奥行も正確に測っておきましょう。
干渉物の形や大きさによって、干渉物を一時的に取り外す必要があるのか、それとも現状のままでも足場を架けられるのかが変わってきます。
また、「干渉物と建物の外壁の間にどれくらいの隙間があるのか」も確認しておきたいポイントです。
隙間が十分にあれば、通常どおりに建物のすぐ外側に足場を設置できます。
しかし隙間がなければ、干渉物の外側に足場を組むなどの工夫が必要です。
必要な足場材の数量やサイズも大きく変わってくるでしょう。
干渉物の形状は足場の架け方を左右するので、間違いのないように正確に測定するようにしてください。
4-3. 現地調査のときに建物の写真を撮る
現地調査で外周の測定が終わったら、必ず建物の写真を撮るようにしましょう。
長さを記入した平面図や立体図だけでは、建物の形を思い出しづらいからです。
事務所に帰って数量計算を行うときに、「あれ?ここの形はどうなっていたっけ?」と記憶が曖昧になっていると、正確な量の足場材を発注できなくなります。
また、足場を実際に組むことになる職人が、一緒に現地調査に来られるとは限りません。
足場を組むときにスムーズに作業を行えるようにするためにも、建物の形を詳細に伝えておくことは大切です。
その際に活躍するのが、ひと目見ただけでイメージがつかめる「写真」です。
建物の外観はもちろんですが、クランク部分や配管の出っ張り、カーポートなどの干渉物の写真も必要になります。
数量計算や足場の組み立ての効率化のために、数値や図だけではなく、建物の写真も残しておくようにしましょう。
4-4. 第三者に計算結果を確認してもらう
自分だけで数量計算を終わらせるのではなく、第三者に計算結果を確認してもらうようにしましょう。
建物の形が複雑になればなるほど計算工程も増えるので、ミスが起こりやすくなるからです。
理想をいえば、外周の測定も何人かで確認しながら行うのがおすすめです。しかし、人手不足の現場も多く、実際は難しいですよね。
外周の測定を1人で行うのであれば、外周測定後の数量計算だけでも第三者に確認してもらうようにしましょう。
自分と第三者の2人でダブルチェックを行えば、計算ミスが起こるリスクもかなり減らせます。
足場材の発注不足も未然に防げるようになるので、スムーズな現場作業にもつながるでしょう。
5. まとめ
本記事では、足場の数量計算について詳しく解説しました。要点をまとめておきましょう。
足場の数量計算は、「公共建築数量積算基準」という法律に基づいて行います。
「公共建築数量積算基準」の主な内容を以下に記します。
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上記の内容に従って足場の架け面積を求めたら、次は足場材の数量計算を行っていきます。
ただ数量計算は、鉛直材や水平材など足場材の種類ごとに1つずつ計算していかなけれなならないため、かなりの時間を要してしまうのが難点です。
その際に利用すると便利なのが、自動で数量計算を行ってくれる足場JAPANの計算ツールです。
上記の計算ツールを使用すれば、数値を入力するだけで「必要な足場材の数量」や「費用の目安」がわかります。
足場の数量計算にかかる時間を大幅に短縮できるようになるでしょう。
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