「高所作業って具体的にはどんな仕事をするの?」
「高いところで活躍する仕事をやってみたい」
求人情報に出てくる「高所作業」というワードや、工事現場の高所で働く職人の姿が気になるものの、具体的な仕事内容はわからない方も多いでしょう。
高所作業とは、法律上では「高さ2m以上の場所で行う作業」のことを指します。
建物の建築・修繕・解体、土木工事、ビルメンテナンス、電気工事などの現場で多く発生するものです。
地上での作業とは異なり、高所作業は少しのミスや気のゆるみが命取りとなる危険な仕事です。
「厚生労働省 令和6年労働災害発生状況」によると、労働災害の事故の型別における死亡者数は「墜落・転落」がもっとも多く、全体の4分の1(25.2%)を占めています。
【令和5年と令和6年における事故の型別労働災害発生状況】

労働災害全体としての死亡者数は長期的に減少が続いているものの、墜落・転落の危険がともなう高所作業は、依然としてリスクの高い業務といえるでしょう。
高さに対する恐怖感やプレッシャーも、作業者にとって大きな負担となります。
一方で、会社の安全対策や従業員への意識づけが適切であれば、事故の発生を抑えることも可能です。
そのため高所作業に就く際には、自分に高所作業への適性があるかを見極めたうえで、しっかりと安全対策を行っている会社を選ぶことが大切です。
そこでこの記事では、高所作業に興味がある方に向けて以下の内容をまとめました。
| この記事を読むとわかること |
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記事をお読みいただくと、よりリアルに高所作業のイメージを掴んだうえで、高所作業にチャレンジするかどうか自信をもって判断できるようになるでしょう。
ぜひ最後までお読みいただき、高所作業という専門的で一目置かれる業務へと踏み出してみてください。
1. 高所作業ってどんなことを指すの?具体的な仕事内容

労働安全衛生規則の518条において、高所作業とは「高さ2m以上の場所で行う作業のこと」と定義されています。
高さ2m以上で作業を行う作業員は、墜落を防ぐための保護具(墜落制止用器具)の装着のほか、安全を確保するためのルールや手順にもとづいた作業を求められます。
高所作業は、具体的には以下のような現場や業務において発生することが多いです。
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高所作業とは一体どのような仕事なのかをイメージしやすいように、具体的な仕事内容を詳しくみていきましょう。
1-1. 足場を使った建設や解体工事
高所作業としてイメージしやすいのが、建物の建築やリフォームといった足場を使った工事に関わる仕事ではないでしょうか。
建物を新築する際の鉄骨や柱・梁の組み立て、今ある建物の修繕や解体といった業務は、高所での作業を安全に行うために足場を設置して業務にあたります。
足場自体の設置や解体も、高所作業の代表例です。
【足場が設置された建設現場】

足場を用いて工事を行う職種をまとめると、以下のような例が挙げられます。
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職種
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高所作業の例
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|---|---|
| 足場鳶 | 新築や修繕、解体工事に必要となる足場の組立や解体 |
| 鉄骨鳶 | 高層ビルなどの骨組みとなる鉄骨の吊り上げや組み立て |
| 大工 | 木造建物の柱や梁の組み立て、外壁や屋根の修繕 |
| 塗装職人 | 外壁や屋根など建物の高所における塗装 |
| 解体職人 | 高層建築物の解体、屋根や外壁の撤去作業 |
たとえば足場鳶の場合、足場資材の受け渡しやパイプ同士の固定、取り外しといった作業を、高い足場の上で行います。
重たい足場資材を高所で取り扱うため、「体のバランスを崩さないようにする」「資材や道具を落下させないようにする」といった点に注意して作業に取り組まなければなりません。
1-2. 設備の設置やメンテナンス
設備の設置やメンテナンス、修理などの作業も、高所作業が必要となることがあります。
具体的には以下のような作業において高所作業が発生します。
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たとえば電柱の配電工事は、人を乗せて昇降できる作業用バスケットを備えた高所作業車を用いて、電線の張替えや補修、変圧器の新設などを行います。
【作業高所車による電柱の配電工事】

設備の設置やメンテナンスにおける高所作業の場合、足場を設置できないケースも多いため、さまざまな道具や機械を用いて高所作業にあたります。
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【高所作業に使われる道具・機械の一例】
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高層ビルの窓ガラス清掃であれば、屋上からつるしたロープとブランコで作業員の体を支えるロープアクセス工法のほか、ゴンドラや高所作業車といった機械が用いられます。

作業場所の高さや内容、周囲の環境に合わせて適切な道具や機械が使い分けられるため、作業員にはさまざまな手段での高所作業が求められます。
1-3. 斜面や橋梁などの土木工事・点検
高所作業は、インフラの構築に関わる土木工事や点検作業などでも発生します。
たとえば、山の斜面が崩落しないように補強する法面工事や、橋梁や高架道路の工事・点検において、足場を設置できない危険な場所での高所作業が求められることが多いです。
法面工事においては、作業員が斜面に立ち、墜落を制止するためにロープにぶら下がりながら、植物を繁殖させるための基材やモルタルの吹き付け作業などを実施します。

橋梁の新設工事における高所作業で活躍するのは、「橋梁鳶」と呼ばれる鳶職人です。
巨大で複雑な形状の橋への足場設置、鉄骨の組み立て、橋桁の架け渡しなど、高所において多岐に渡る作業を担います。
橋梁の点検作業は、橋梁のあらゆる場所に手で触れるまでの距離に近づいて、点検ハンマーを用いながら劣化や損傷がないかを目視でチェックしていく仕事です。
高所作業車や橋梁点検車を使うほか、法面での高所作業と同様にロープに作業員がぶら下がって作業する方法も取られます。

このように、法面や橋梁に関わる高所作業は、地域のインフラを支える社会に欠かせない仕事といえるでしょう。
1-4. プラントや工場での作業
大型な生産設備を扱うプラントや工場においては、生産設備の設置やメンテナンス、配管や配線、電気工事などに高所作業がともないます。
| プラントとは |
エネルギーや素材を大量に生産するために、複数の設備が配管でつながり連携している大規模な施設のこと。![]() |
プラントの新設や増設、補修といった工事の際には、何百トンもある大型機械の搬入・設置や、汚水やガスを通す配管の取付など、さまざまな場面で高所作業が行われます。
【プラント工事における高所作業の例】
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プラント工事で発生する高所作業は、重量物の運搬や据付を専門とする重量鳶をはじめ、配管工や電気工事士などの職人たちがそれぞれの専門分野で作業を担います。
また、プラントや工場では、設備を安定的に稼働させるための定期的なメンテナンスが必要となります。
たとえば、高所にあるバルブの操作や配管補修などの際には、移動式足場や小型の高所作業車などを使って作業します。

このように、プラントや工場に関わる高所作業には高度な知識や技術が求められるため、プラント工事の専門業者が工事を請け負うことが多いです。
| 【高所作業では墜落制止用器具の装着をとおして安全が図られています】 |
|---|
| 高所作業に就く作業員は、転落による事故を防ぐため、原則「墜落制止用器具」を装着して作業にあたります。 墜落制止用器具とは、墜落事故から身を守るための個人用保護具のことです。 ![]() 高さや作業床の条件などに応じて違いはありますが、法律上では「手すりなどを設けた作業床の設置が困難な高所作業の場合、フルハーネス型の墜落制止用器具を使用することが原則」と定められています。 ※高さ6.75m以下(建設業では5m以下)での作業では、胴ベルト型を選定することもあり 高さが2m以上で作業床を設置できない場所での作業時に、フルハーネス型墜落制止用器具を用いて作業する労働者には、特別教育の受講も義務付けられています。 このように、高所作業をする際は、墜落制止用器具の装着をとおして安全が図られているのです。 出典:e-Gov「労働安全衛生規則518条」、厚生労働省「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」 |
2. 実際の現場から見る!高所作業の作業例

前章で説明したように、高所作業は建設工事やメンテナンス、土木工事、電気工事などの業種や職種で求められ、実際の仕事内容はさまざまです。
ここでは、高所作業の代表ともいえる「鳶職人」の具体的な作業例を解説します。
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【鳶職人における高所作業の例】
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リアルな高所作業のイメージを掴んで、高所作業への興味や関心を再確認していきましょう。
2-1. 地上から高所への重たい資材の運搬
鳶職人のメイン作業となるのは、足場の組立や建物の建設に必要となる資材を地上から高所へと運搬する作業です。
たとえば、足場の組立や解体を行う足場鳶の場合、足場資材を担いで運んだり、高所と地上との間で資材を手渡しで受け渡したりといった作業を行います。
高層な建物の足場の場合は、効率よく作業を進めるために、ウインチやクレーンなどの重量物を吊り上げて運搬する機械を使います。

また、高層ビル建設における鉄骨の運搬や組立は、「鉄骨鳶」と呼ばれる鳶職人の仕事です。
地上で鉄骨にワイヤーをかけ、クレーンで高所の設置位置まで吊り上げて運搬します。
高所への資材の受け渡しや、重量物の吊り上げには、資材や荷物の落下事故が起きる恐れがあります。作業者同士で合図を出し合い、コミュニケーションを取りながら作業を進めていくことが大切です。
2-2. 高所での組み立て・解体作業
高所に運搬した資材や部材をその場で計画どおりに正しく組み立てたり、不要になった足場を取り外して地上に降ろしたりするのも鳶職人の仕事です。
足元が不安定な高所において、工具を用いて資材同士を正しい位置で固定したり取り外したりといった作業をこなさなければならないため、確かなスキルと慎重さが必要です。

とくに鉄骨鳶は、鉄骨の位置を数ミリ単位で調整し、溶接やボルトで固定するといった難しい作業が求められます。
足場鳶においては、組立だけではなく解体作業も必要です。
解体は組立の半分ほどの時間で済むことが多いですが、資材の落下リスクも高まる作業です。解体手順を遵守して、スピーディーかつ正確に作業を進めなければなりません。
2-3. 高所作業をサポートする機械の取り扱い
大規模な現場での高所作業には、作業を効率的に進めるための機械が不可欠であり、その機械の取り扱いも鳶職人に任されることが多くあります。
主に、以下のような機械の操作を任されるケースがあります。
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機械そのものの操作だけでなく、ウインチやクレーンで安全に荷物を吊り上げるための玉掛け作業も、多くの現場で求められるスキルです。
また、高層建物の建築には欠かせないタワークレーンや工事用エレベーターの組立や解体も鳶職人が行います。
【タワークレーン】

タワークレーンは大型で精密な機械です。不安定な高所での大型部材の取付作業や、細かく定められた手順どおりの作業が求められるため、組立や解体作業には専門知識や熟練の技術が欠かせません。
これら高所作業に関わる機械の操作には、資格の取得が必要です。
取り扱える機械を増やせると、鳶職人としての仕事の幅を広げていけるでしょう。
3. 高所作業は「高さへのプレッシャー」が想像以上!具体的にどのような負担が起きるのか解説

さまざまな業務において必要とされる高所作業ですが、すべての高所作業に共通していえるのが「高さへのプレッシャー」が非常に大きい点です。
足場がない、もしくはあっても簡易的な足場しかないような場所での高所作業は、少しの判断ミスや不注意が自分自身や仲間を巻き込む重大な労働災害を引き起こしかねません。
この高さへのプレッシャーは、具体的には以下の3つの負担として作業者にのしかかります。
【高所作業の作業者にかかる3つの負担】
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順に詳しくみていきましょう。
3-1. 心理的な負担:高さそのものへの恐怖心
まず、高所作業に初めて取り組む人のほとんどが、高さに対する恐怖心に悩まされるでしょう。
高所に立つときに恐怖心が起こるのは、人間に備わっている自然なメカニズムです。
高所の危険性を本能的に認識しているからこそ恐怖を感じ、その結果、慎重に動いたり集中して作業にあたったりといった危険を回避する行動を取るようになります。
高さに対する恐怖は、「最初は怖かったが少しずつ慣れていった」と鳶職人の多くがいうように、一般的には経験やスキルを身に付けていくうちに和らいでいくようです。
一方で、新人の頃とはまた違う、経験を積んできたからこそ大きくなる恐怖心もあります。
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【経験を積むにつれて感じる恐怖】
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経験豊富な鳶職人は、リアルな危険体験や現場で発生したヒヤリハットを身をもって実感しているため、その恐怖を安全意識へとつなげて慎重な作業を徹底している方も多いです。
経験を積んで高さに慣れてきても「高所はまったく怖くない」という方は少なく、人によって感じ方に差があるものの、常に恐怖心とともに高所作業に取り組んでいるのが実態といえるでしょう。
3-2. 精神的な負担:一瞬のミスが命取りとなる緊張感
危険をともなう高所作業は、常に緊張感を抱きながらの作業を強いられるのが辛いところです。
一瞬のミスや不注意が事故を引き起こし、自分自身や仲間の命を危険にさらす可能性があるため、常に間違いのない作業をこなすための集中力が求められます。
| 【ちょっとしたミスが重大な事故を引き起こした事例】 ・足場の組立中に移動する際、墜落制止用器具を親綱に固定するためのフックを掛け替えたつもりが、完全には掛けられていなかった。 ⇒日没間際で足元が見えにくく足を踏み外してしまい、墜落制止用器具を装着していたのに、フックが外れて地上へと転落。 ![]() 出典:厚生労働省 職場のあんぜんサイト「労働災害事例」 共同住宅兼店舗の足場解体作業中、落下物を防ぐために設置する防護棚が一部取り外されており、その部分から足場資材を落下させてしまった。 ⇒地上の通行人の頭部に直撃 ![]() 出典:国土交通省「建築物事故の概要(平成22年12月1日~令和6年9月30日)」 |
また、高所作業ではクレーンや高所作業車などの機械を用いることも多く、その場合には作業者と機械の操作者の間で合図を取り合って作業を進める必要があります。
合図を間違えたり、合図を待たずに作業に入ったりしてしまうと、機械や吊り荷が作業者に大きな危害を及ぼす可能性が高まります。
高所作業でのヒヤリハットは命に関わる重大事故へ直結するものです。常に慎重さや緊張感をもって作業しなければならず、作業者の精神的な負担は非常に大きいことが容易に想像できるでしょう。
3-3. 身体的な負担:不安定な姿勢や重たい装備の装着による体力消耗
高所での作業は、身体的にも大きな負担がかかります。
高所作業は、地上よりも動きにくい不利な条件のもとでの作業が求められ、高所ならではの身体的な辛さが出てくるからです。
【高所作業における身体的な負担】
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さらに鳶職人であれば、屋外の厳しい環境下で重量物を取り扱う作業となるため、体力の消耗もより激しくなります。
4. 覚悟ある?高所作業の仕事に向いている人の特徴

前章をお読みいただき、高所作業におけるさまざまな負担やプレッシャーをご理解いただけたと思います。
そのうえでもなお高所作業にチャレンジしてみたい方は、まずは自分自身が高所作業に向いているかどうかをチェックしてみましょう。
【高所作業の仕事に向いている人の特徴】
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高所作業はチームを組んでの現場作業が基本となるため、高所そのものへの適性だけでなく、体を使うことやチームワークへの適性も求められます。
順に説明します。
4-1. 高所に対して適度な恐怖感をもてる人
高所作業となると、高いところが怖くない人が向いていると思われがちですが、実はそうとはいえません。高所に対してきちんと恐怖を感じる人のほうが、高所作業には向いているのです。
「3-1. 心理的な負担:高さそのものへの恐怖心がある」でもお伝えしたように、適度な恐怖心は人間がもつ防衛本能による自然な反応です。
恐怖心があることで危険を予測し注意深く作業にあたれるため、リスクの回避に役立ちます。
一方で、高所に対して恐怖をまったく感じない人や極端に恐怖を感じる人の場合、高所作業が向いているとはいえません。

高所への適度な恐怖心がある人こそ、危険予知をしながら集中力や緊張感を保って作業に取り組めるでしょう。
エルラインのTikTokでは、足場鳶職人が「高所恐怖症でも足場できる?」というテーマで本音を語っていますので、ぜひあわせてご覧ください。
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高所恐怖症でも足場できる?
4-2. 体を動かすのが好きな人
高所作業は、「スポーツが好き」「体を鍛えるのが趣味」といったような、体を動かすのが好きな人が向いています。
高所作業は、実際に自分の体を使って作業を進める現場仕事です。とくに鳶職人であれば、重たい資材を扱いこなせる筋力と、夏の暑さや冬の寒さのなかでも動き回れる体力が求められます。
ただし、最初から筋力や体力を備えておく必要はありません。一定の体力があって仕事を続けることさえできれば、体は自然に鍛えられていきます。
体を使う仕事を続けるのが苦にならないためには、「体を動かすことが好き」という適性が欠かせないでしょう。
4-3. チームワークが得意な人
高所作業に向いている人の特徴として、チームワークが得意であることも挙げられます。
高所作業は、個人が単独で作業できるものではありません。チームで役割を分担したうえで協力しながら取り組まなければ、全体の作業が進まず、進捗遅れや品質の低下を招いてしまいます。
たとえば足場の組立作業の場合、以下のような役割分担のもと、チームでコミュニケーションをとりながら作業を行います。
【足場の組立作業における役割分担の例】
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さらにウインチやクレーンなどを用いる場合には、機械の操作が作業者を巻き込む事故につながる恐れがあるため、作業者と操作者との意思疎通が非常に重要です。
危険性が高い高所作業をスムーズに進めるには、自分の役割を果たす責任感と、周囲との連携を図るコミュニケーション能力が求められます。
それらをあわせもつ人こそ、チームワークが得意な人として高所作業で活躍できるでしょう。
エルラインのTikTokでは、足場作業における声掛け・コミュニケーションの重要さを紹介しています。現場のリアルな声をぜひ参考にしてください。
▼動画で見る!
鳶職人の新人研修-受け渡し編-
4-4. 向上心をもって仕事に取り組める人
高所作業において、向上心をもって仕事に取り組める人は適性があるといえます。
高所作業は、高さへの恐怖や体力面での負担が大きい作業のため、不慣れなうちは辛く感じる人も多いでしょう。
だからこそ、自分自身で「もっと高所作業のスキルを高めたい」「キャリアアップしたい」といった強い向上心がなければ、仕事に慣れるまでの辛い期間を乗り越えるのが難しいかもしれません。
鳶職人においては、積極的に新たなスキルを身に付けたり資格を増やしたりすることで、できる仕事の幅を広げていけます。

頑張り次第で職人としての価値を高められるため、向上心の高い人がしっかり成果を出しやすい仕事といえるでしょう。
5. 高所作業の仕事に就くなら安全対策がきちんとされている会社に入ることが重要

高所作業の危険性や適性を理解したうえで、「それでも高所作業をやってみたい!」と考えている方にお伝えしたいのが、高所作業に就くための会社選びです。
常に危険と隣り合わせとなる高所作業ですが、少しでも安心できる環境で業務をまっとうしたいのであれば、しっかりと安全対策が取られている会社を選ばなければなりません。
なぜなら、高所作業における危険性は、適切な対策を徹底することでそのリスクが大きく軽減できるからです。
たとえば足場においても、作業床のすき間を埋める防網の設置や、足場の組立時に常に手すりを先行して設置する工法の採用などで、作業時の安全性を高められます。

安全対策が行き届いている会社かどうかを見極めるためには、以下のようなポイントをチェックしましょう。
| きちんと安全対策されている会社かを見極めるチェックポイント |
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【高所作業の安全対策となる装備や道具が導入されているか】
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【作業員同士のコミュニケーションが円滑に行われているか】
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【現場が整理整頓されているか】
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これらのポイントは、自分の目で見て確認しないとわからない部分も多いため、可能であれば実際の作業現場をチェックできると安心でしょう。
傾向としては、小規模な会社よりも比較的規模の大きい会社のほうが資金に余裕があるため、安全対策にもコストをかけて取り組んでいるといえます。
| エルラインなら安全対策にも注力!高所作業のプロフェッショナルを目指しませんか? |
|---|
![]() エルラインでは、マンションや病院、物流倉庫などの幅広い大規模現場におけるとび・土工工事を手掛けています。鳶職人としてさまざまな経験を積んでいただけるため、スキルを高めていきたい方にはピッタリの環境です。 【エルラインの安全対策】 エルラインの現場では、フルハーネス型の墜落制止用器具やヘルメットのほか、作業に必要な道具、作業服を貸与し、安全に作業に臨める現場づくりに努めています。 ![]() 安全講和や表彰をとおして、「安全はすべてに優先する」という意識を全社で再確認しています。 また現場では、労働災害を防ぐためのKY活動(危険予知活動)を取り入れています。 チーム全員で危険なポイントを共有し合うため、チーム一丸となった的確な安全対策のもと安心して作業に臨めます。 ▼動画でみる! KY活動、好きですか? 【資格取得支援制度でスキルアップ】 エルラインでは、従業員の資格取得費用を会社が負担する「資格取得支援制度」を設けています。 たとえば、足場工事における高所作業に就くには、「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育」のほか、「足場の組立て等作業従事者特別教育」などの資格が必要です。 そのほか業務に必要な資格であれば、資格取得にかかる費用をエルラインが負担いたしますので、お金の心配をすることなくスキルアップが目指せます。 「現場主義」を貫き、建設業界の変革を掲げて成長を続けるエルラインで、あなたも鳶職人としての成長を目指しませんか? まずはお気軽に募集要項をチェックしてください。 |
6. 高所作業についてよくある質問に回答します

最後に、「高所作業に興味はあるけど事故が多そうで心配」「未経験の自分でも大丈夫?」といった方に向けて、よくある質問と回答をまとめました。
【高所作業についてよくある質問】
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高所作業にトライしたものの「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、気になる不安を解消してから高所作業に臨みましょう。
6-1. 【Q1】やっぱり事故って多いの?
高所作業での事故は多いものの、死亡事故は減少傾向といえます。
厚生労働省の「令和6年労働災害発生状況」によると、労働災害における死亡者数全体のうち、墜落・転落が原因のものがもっとも多く、全体の25.2%にのぼります。
【令和5年と令和6年における事故の型別労働災害発生状況】

一方で、建設業における労働災害にしぼって転落・墜落による死亡災害数の推移をまとめると、以下のように全体的に減少していることがわかります。
【建設業の労働災害のうち墜落・転落による死亡災害数の推移】

2022年(令和4年)1月から「高所作業においてフルハーネス型の墜落制止用器具の着用を原則」とする法改正が完全施行されたこともあって、ここ2年はとくに減少傾向です。
また建設業の全体の死亡災害は、昭和44年から令和3年の約50年間のあいだで約9分の1にまで減少しており、現場における安全意識も大きく向上していることがわかります。
高所作業が危険な作業であることには変わりありませんが、技術の進歩や安全対策の強化によって死亡事故は今後も抑えられていくでしょう。
6-2. 【Q2】実際にはどんな事故が起きているの?
建設業における墜落・転落を原因とする死亡事故では、以下のような場所からの墜落・転落が多く発生しています。
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足場からの転落事故として、足場解体中の事故事例を紹介します。
| 足場からの転落事故事例 |
| 【状況】 鉄筋コンクリート3階建てマンションの新築工事に設置した足場解体作業中の事故。 足場の上部から解体を行い、はじめは解体した部材を手渡しで降ろしていたが、途中からは地上へ投下して作業を進めていた。 作業員が足場の建枠を投げ降ろそうとしたところ、建枠とともに5.8m下の地面に墜落。 【原因】 被災者は墜落制止用器具を着用していなかった。 現場における作業主任者の選任もされておらず、具体的な作業手順も指示されていない状況だった。 出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト 労働災害事例」 |
また高所作業においては、資材や吊り荷の落下や、吊り荷のコントロールミスによる事故も起こっています。とくにクレーンの吊り荷は大型で重量があるため、大きな被害を引き起こす可能性があります。
| クレーンの吊り荷による事故事例 |
| 【状況】 木造3階建て住宅の新築工事現場における、3階部分の棟上げ作業時の事故。 木材12本をまとめて荷掛けしクレーンを使って3階へと吊り上げたものの、置き場所がなかったために地上へとそのまま戻すことに。その移動時に木材が荷崩れを起こして落下。吊り荷の旋回にあわせて荷を降ろす予定の場所へ移動していた作業者に直撃した。 【原因】 複数の吊り荷全体が結束されていなかったうえに、ロープがずれやすい方法で玉掛けしていた。 玉掛けをした被災者は玉掛け技能講習を修了しておらず、吊り荷の下に立ち入っていた。 出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト労働災害事例」 |
このほか、高所作業においては「足場の倒壊」や「屋根の踏み抜き」といった事故も発生しています。
労働災害事例のなかには、ルール通りの安全対策を講じていれば防げていたであろうものも多くみられます。高所作業に就くのであれば、高所の危険性と安全対策の重要さを常に頭に入れておくべきといえるでしょう。
6-3. 【Q3】未経験でも大丈夫?
一口に高所作業といっても、建築工事や土木工事といった建設業だけでなく、製造業やインフラ業界など幅広い現場においても高所作業が発生します。
そのため、一概に未経験でも高所作業に就けるとは言い切れません。
一方鳶職人に限れば、未経験でもトライしやすい仕事といえます。
鳶職人というと、「指導がきつそう」「上下関係が厳しそう」といったネガティブなイメージを抱く方も多いかもしれません。
しかし昨今では、業界全体で人手不足が慢性化しているため、人材を定着させるために丁寧な指導を行う会社が増えています。
とくに教育体制が整った会社を選べば、研修や現場でのマンツーマン指導といったきめ細かな育成を受けられるため、未経験でも安心してチャレンジできるでしょう。
未経験からの鳶職人への挑戦に興味がある方は、「鳶職は未経験でも挑戦できる!悔いなく始めるためのロードマップ」もぜひ参考にしてください。
6-4. 【Q4】資格は必要なの?
「1. 高所作業ってどんなことを指すの?具体的な仕事内容」でお伝えしたように、高所作業の仕事をするには、「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育」の受講を求められる現場が多いです。
しかし、「高所作業の仕事に就きたいから、まずは資格を取得しておこう!」と資格の勉強を始めるのは、少し遠回りかもしれません。
業務に必要な資格であれば取得費用を会社が負担してくれる「資格取得支援制度」を設けている会社も多く、入社してから資格を取得するのでも問題がないケースがほとんどです。
また、高所作業の内容によって必要となる資格も変わってきます。まずは高所作業に就ける会社への内定をもらってから、その会社の業務に必要な資格の取得を目指すのが効率的でしょう。
高所作業に用いる道具や機械の取り扱いに必要な資格としては、以下のようなものが挙げられます。
| 資格名 | どのようなことができる資格か | 資格が必要となる作業例 |
|---|---|---|
| ロープ高所作業特別教育 | ロープを使って体を支えながらの高所作業に必要 | 法面や橋梁の工事・点検 高層ビルの窓清掃など |
| 高所作業車運転特別教育・技能講習 | 人を乗せて昇降できる作業用のバスケットを備えた高所作業車の操作に必要 | 電柱の配電工事 電線電気工事士としての照明や配線設置など |
| ゴンドラ取扱い業務特別教育 | 吊り下げ式の作業床の操作に必要 | 高層ビルの窓清掃 外壁塗装など |
このほか、足場を設置するには「足場の組立て等作業従事者特別教育」、クレーンで荷物を吊り上げるには「玉掛け」や「クレーン操作」といったように、業務によって必要な資格はさまざまです。
高所作業の仕事に就くためには、まずは自分がやりたい高所作業ができる会社への就職を目指したうえで、必要な資格の取得に取り組んでいきましょう。
6-5. 【Q5】入社してすぐに高所作業できるの?
入社してすぐに高所作業ができるかどうかは、作業の内容や難易度によるでしょう。
足場鳶職人の場合、新人がすぐに高所作業できるわけではありません。まずは地上での作業からスタートし、仕事に慣れてくる半年ほどで高所での足場の組立や解体を任されていくのが一般的です。
入社してからしばらくは、トラックから作業場所まで資材を運搬したり、高所で作業する先輩職人に資材を受け渡したりといった作業を担当して、足場工事の流れを学んでいきます。
図面を読み、自分で足場の設計から解体までをこなせるような「1人前の鳶職人」になるまでには、3~5年程度かかるのが一般的です。
7. まとめ
高所作業とは、高さ2m以上の場所で行う作業を指し、建設業や電気工事、ビルメンテナンスといった業界で多く発生します。
【高所作業にあたる仕事内容】
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高所作業においては高さへのプレッシャーが非常に大きく、作業員にはさまざまな負担がのしかかります。
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危険も負担も大きい高所作業で活躍するには、以下のような適性をもっていることが重要です。
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適切な安全対策に取り組んでいる会社を見極めたうえで、少しでも安心できる環境のもとで高所作業に挑戦していきましょう。









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