「鳶職ってどんな仕事なんだろう…?」
「未経験でもできるのかなぁ?」
鳶職という言葉は聞いたことあるし、建設現場で働く姿は見たことあるけど、
- 実際にどんな仕事なのか
- 収入はどれくらいか
- どのくらいハードな仕事なのか
実際のところどうなんだろう?と思ってしまいますよね…。
そこで本記事では、足場の施工・販売を手掛ける専門家である株式会社エルラインが、鳶職の基本的な仕事内容や給与情報やキャリアパスについて解説していきたいと思います。
たくさんの鳶職人を抱えるエルラインだからこそ話せる、内部情報も合わせてお伝えしていくので、最後までご覧ください。
鳶職(足場鳶)の仕事内容と役割は?
鳶職には足場鳶、鉄骨鳶、橋桁・重量鳶の主に3種類あります。
鳶職の中でも、職人数がもっとも多いのが、足場鳶(あしばとび)です。
一般的な場面で使われる「鳶職」は、この足場鳶を指していることが多いため、本記事ではこの足場鳶の仕事を中心に解説していきます。
足場鳶は、建設現場で作業員が安全に作業できるように足場を組み立て、解体する専門職です。
建築工事や塗装工事、修繕工事など、あらゆる工事に関わるため、建設業界の縁の下の力持ちとして重要な役割を担っています。
鳶職(足場鳶)の主な仕事内容
鳶職(足場鳶)の仕事は、大きく分けて以下の3つの工程に分類されます。
① 足場の組立て
- 建設現場の状況に応じて、安全な足場を計画・設計。
- 支柱・筋交い・踏板などの部材を組み合わせて足場を作る。
- クレーンやリフトを使って高所に資材を運搬し、組み立て作業を行う。
② 足場の点検・管理
- 作業員が安全に作業できるかどうかを常に確認。
- 足場の揺れや強度をチェックし、必要に応じて補強する。
- 気象条件(強風・雨・雪)による影響を考慮して、安全対策を実施。
③ 足場の解体
- 工事完了後、不要になった足場を解体して撤去。
- 周囲に危険がないように慎重に作業し、資材を回収・整理。
足場の種類と特徴
鳶職(足場鳶)は、現場に応じて異なる足場を組み立てるため、それぞれの足場の特性を理解しておく必要があります。
足場の種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
くさび式足場 | 部材をはめ込むだけで組立・解体が簡単 | 戸建て・低層建築・リフォーム |
枠組足場 | 頑丈で高所作業向き | 高層建築・ビル・マンション |
単管足場 | 鉄パイプを組み合わせて自由度が高い | 狭い場所・特殊形状の建物 |
吊り足場 | 上部から吊り下げる足場 | 橋梁・トンネル工事 |
鳶職(足場鳶)の役割
鳶職(足場鳶)は、建設現場での安全確保だけでなく、工事全体の進行を左右する重要な役割を担っています。
① 建設現場の安全を守る
- 作業員が安全に仕事できる環境を作るのが最大の役割。
- 事故を防ぐために、適切な足場の設計と点検が不可欠。
② 工事のスムーズな進行を支える
- 足場の完成が遅れると、他の工事(大工・塗装・設備工事など)が進められない。
- 工期を守るために、迅速かつ正確な足場の設置が求められる。
③ チームワークの中心となる
- 鳶職(足場鳶)は仲間と協力しながら作業を進めるため、チームワークが重要。
- 職長(リーダー)は現場の安全管理や作業スケジュールの調整も担当。
鳶職人の技が光る足場技術の違い
建設現場で見かける足場は、一見どれも同じように見えます。しかし、実際には職人の技術によって仕上がりに大きな違いが生まれます。
例えば、熟練した鳶職(足場鳶)が組んだ足場は、安定感があり、揺れが少ないのが特徴です。部材同士の接合がしっかりしており、クランプの締め方や足場板の配置も計算されています。
これに対し、経験の浅い職人が組んだ足場は、わずかなズレや緩みが生じることがあり、歩いたときの微妙な振動やガタつきが気になることがあります。
また、作業効率にも差が出ます。
熟練の職人は、現場の状況を瞬時に判断し、最適な組み方を選択するため、短時間で頑丈な足場を組み上げます。
安全性と作業しやすさを両立させる技術こそが、職人の腕の見せどころなのです。
鳶職(足場鳶)の一日の流れは?
鳶職(足場鳶)の仕事は、建設現場で安全に作業を進めるための足場を組み立てたり、解体したりすることです。高所での作業が多く、チームでの連携が非常に重要になります。ここでは、鳶職(足場鳶)の一般的な一日の流れを時系列で紹介します。
1. 朝礼・準備(7:00〜7:30)
現場に集合し、朝礼を行います。この時間に、作業員全員が集まり、その日の作業内容や注意点を確認します。
- 当日の作業内容や担当の確認
- 安全確認(ヘルメット、安全帯などの装備チェック)
- 体調確認(体調がすぐれない場合は無理せず申告)
- 危険ポイントの共有(高所作業時の注意点など)
また、作業前にはストレッチや軽い準備運動を行い、ケガを防ぐための準備を整えます。
2. 作業開始(7:30〜10:00)
朝礼が終わると、いよいよ作業が始まります。
・資材運搬(7:30〜8:00)
最初に、足場を組み立てるための資材を運搬します。鉄パイプやクランプ、足場板などの材料を現場に搬入し、作業がスムーズに進むように配置します。
・足場の組み立て(8:00〜10:00)
足場を組み立てる作業に入ります。高所作業になるため、安全帯を装着しながら慎重に作業を進めます。
- 足場の支柱を設置し、水平を確認しながら組み上げる
- クランプ(足場を固定する金具)でしっかり固定
- 各部材がしっかり固定されているかチェック
3. 休憩(10:00〜10:30)
鳶職(足場鳶)の仕事は体力を使うため、午前の作業が一段落したら小休憩を取ります。
- 水分補給をして熱中症対策
- 軽く体をほぐして疲労を軽減
- 作業の進捗状況を確認し、次の工程を調整
4. 作業再開(10:30〜12:00)
休憩が終わると、午前の作業の続きを行います。
- 足場の高さを上げる(数メートルごとに段階的に組み立て)
- 安全点検を行いながら作業を進める
- チームで連携しながら効率的に作業を進行
鳶職(足場鳶)の作業は、高所でのバランス感覚や正確な手順が求められるため、慎重に作業を行います。
5. 昼休憩(12:00〜13:00)
午前の作業が終わったら、昼休憩です。
- 弁当を食べてしっかり栄養補給
- 体を休めるために横になったり、ストレッチをする
- 水分補給を忘れずに行い、午後の作業に備える
体をしっかり休めることで、午後の作業を安全に進めることができます。
6. 午後の作業開始(13:00〜15:00)
昼休憩が終わると、再び作業開始です。午後は、足場の組み立ての仕上げや調整作業を行います。
- 組み上げた足場の点検
- 手すりや補強材を取り付け、安全性を高める
- クランプの締め直しやガタつきがないか確認
また、この時間帯は作業の集中力が落ちやすいため、こまめに声を掛け合い、安全確認を徹底します。
7. 休憩(15:00〜15:30)
午後の作業の途中で、もう一度休憩を取ります。特に夏場は熱中症の危険があるため、水分補給や体調管理が重要です。
- 日陰で休んで体温を下げる
- 必要に応じて軽くストレッチを行い、体をリラックスさせる
- 作業の進捗を確認し、残りの作業の段取りを考える
8. 仕上げ作業(15:30〜17:00)
最後の作業では、足場の点検や細かい調整を行います。
- 仕上げの安全確認(足場の固定状態を再チェック)
- 工具や余った資材の整理
- 翌日の作業に備えた準備
この時間帯は疲れが出やすいため、特に慎重に作業を進めることが大切です。
9. 片付け・終礼(17:00〜17:30)
作業が終わったら、使用した道具や資材を片付け、終礼を行います。
- 現場の整理整頓(資材や工具の片付け)
- 作業報告(作業の進捗や注意点を共有)
- 翌日の作業確認(必要な資材の準備やスケジュール調整)
終礼が終わったら、解散となります。作業がスムーズに進めば、定時で終わることが多いですが、現場の状況によっては残業が発生する場合もあります。
鳶職(足場鳶)に向いている人は?

足場鳶は、未経験から始める人も多いですが、向き・不向きがある職業でもあります。では、どのような人が鳶職(足場鳶)に向いているのか?
鳶職(足場鳶)に向いている人の特徴は、以下の6つです。
- 高いところが苦手でない人
- 体力に自信がある人
- チームワークを大切にできる人
- 集中力がある人
- 体を動かす仕事が好きな人
- 手に職をつけたい人
一つひとつ解説していきたいと思います。
1. 高いところが苦手でない人
鳶職(足場鳶)の仕事は、建設現場で数メートルから数十メートルの高所で作業することがほとんどです。そのため、高所恐怖症の人には向いていません。
ただし、最初は高所が怖くても、慣れれば問題なく作業できるようになる人もいます。
実際、多くの鳶職人が「最初は怖かったが、今では普通に作業できる」と話しています。
向いている人の特徴
- 高い場所でも冷静に行動できる
- バランス感覚が良い
- 足元をしっかり意識できる
2. 体力に自信がある人
鳶職(足場鳶)の仕事は、一日中体を動かす仕事です。鉄パイプを持ち上げたり、足場板を運んだりと、筋力を使う作業が多くなります。そのため、体力に自信がある人のほうが向いています。
ただし、無理に重いものを持ち上げる必要はなく、適切な道具や技術を使えば負担を軽減することも可能です。また、働きながら自然と筋力がつくため、最初は体力に自信がなくても問題ありません。
向いている人の特徴
- スポーツ経験がある(特に筋力を使う競技)
- 長時間動いても疲れにくい
- 体を鍛えることが好き
3. チームワークを大切にできる人
鳶職(足場鳶)は、チームで作業を進める仕事です。足場を組み立てるときは、仲間と声を掛け合い、協力しながら安全に作業を進めることが重要になります。
個人プレーではなく、仲間と協力しながら作業できる人が向いています。周囲とコミュニケーションを取り、息を合わせて作業できる人は、鳶職の世界で活躍しやすいです。
向いている人の特徴
- 仲間と協力するのが好き
- コミュニケーションが得意
- 周囲の状況をしっかり把握できる
4. 集中力がある人
鳶職(足場鳶)の仕事は、高所での作業が多いため、少しのミスが事故につながる可能性があります。 そのため、一つひとつの作業に集中し、ミスなく作業できる人が向いています。
また、足場を組み立てるときは、部材の固定やバランスの調整を慎重に行う必要があるため、細かい作業が得意な人にも向いています。
向いている人の特徴
- 物事に集中して取り組める
- 注意力が高い
- 慎重に作業するのが得意
5. 体を動かす仕事が好きな人
デスクワークよりも、外で体を動かす仕事が好きな人にはピッタリの仕事です。
鳶職(足場鳶)の仕事は、建設現場での作業が中心のため、屋外で働くことが好きな人に向いています。
また、工事の進捗に合わせて作業内容が変わるため、同じ作業を繰り返すのが苦手な人にもおすすめです。毎日違う環境で働くことにやりがいを感じる人には、非常に向いている仕事です。
向いている人の特徴
- アクティブな仕事が好き
- 同じ作業の繰り返しが苦手
- 屋外での仕事に抵抗がない
6. 手に職をつけたい人
鳶職(足場鳶)は、専門的な技術が必要な仕事です。
そのため、経験を積めば積むほど、スキルが身につき、将来的に独立することも可能です。
また、資格を取得することで、より高度な作業を担当できるようになり、給料アップにもつながります。
「手に職をつけて安定した収入を得たい」と考えている人には、非常に魅力的な職業です。
向いている人の特徴
- 職人として技術を磨きたい
- 将来は独立したい
- 資格を取得してキャリアアップしたい
鳶職(足場鳶)に向いている人は?|まとめ
鳶職(足場鳶)の仕事は、単なる「足場を組む作業」ではなく、
- 現場の安全確保
- 工事のスムーズな進行
- 職人同士のチームワークの形成
といった、建設現場全体を支える重要な役割を担っています。
鳶職(足場鳶)の給与や年収は?
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(令和3年)によると、鳶職の平均月給は約31万円、平均年収は約405万円と報告されています。
ただし、これは全国平均であり、個々の状況によって異なります。
給与や年収は、経験や技術、資格の有無によって変動します。また、地域差もあり、都市部では比較的高めの傾向があります。
鳶職(足場鳶)のキャリアパスと収入の変化
鳶職のキャリアパスは、経験とスキルによって大きく変わります。
鳶職は特に、技術力と責任感が重要視される職業であり、キャリアアップの道は自分の努力次第で大きく広がります。
ここでは、鳶職におけるキャリアパスの段階と、それに伴う年収の変化について詳しく解説します。
1. 未経験者(0〜3年)
未経験者として鳶職に就く場合、最初は基本的な作業から始まります。
足場の組み立てや解体作業、簡単な補助作業を行いながら、現場での経験を積んでいきます。
この時期には、現場での作業や道具の使い方、安全対策について学び、職人としての基礎を築くことが求められます。
年収の目安
- 月収:20万円〜25万円
- 年収:約250万円〜300万円
初めは給料が低めですが、経験を積むことで着実にスキルが向上し、給与にも反映されるようになります。
2. 中堅職人(3〜7年)
ある程度の経験を積んだ中堅職人になると、現場での作業範囲が広がり、より責任のある作業を任されるようになります。
鉄骨工事や重機を使った作業、足場の設計や計画の手伝いなど、専門的な技術を学びながらキャリアを積んでいきます。
この時期には、後輩や新人を指導する役割も求められるようになります。
年収の目安
- 月収:30万円〜40万円
- 年収:約400万円〜500万円
この段階で、収入は安定し、さらに現場ごとの手当や残業代などが加わることもあります。また、独立を考える人も増え、この時期の経験が今後のキャリアに大きな影響を与えます。
3. 職長(リーダー職)(7〜10年)
職長は現場のリーダー的な役割を担い、鳶職の中でも重要なポジションです。現場全体の管理や、作業員の指導・教育、安全対策の確認、進捗状況の報告など、広範な業務をこなします。このポジションではチームを管理し、効率的かつ安全に作業を進めるための調整力が求められます。
年収の目安
- 月収:40万円〜50万円
- 年収:約500万円〜600万円
職長になれば、現場での責任が増す分、給与も大きく上がります。鳶職の中では最も高い収入を得ることができ、職場内での地位も向上します。
4. 独立・自営(10年〜)
長年の経験とスキルを積んだ鳶職は、独立して自分の会社を立ち上げることも可能です。独立後は、元請けとして仕事を請け負うことができます。自分で会社を経営することになるため、収入は大きく変動します。
年収の目安
- 月収:50万円〜100万円以上(仕事の規模や案件による)
- 年収:約600万円〜1000万円以上
安定した受注があれば高収入を得ることも可能ですが、経営者としてのスキルも求められます。経営が軌道に乗ると、年収1000万円以上も現実的になります。
5. 将来のキャリアパスと年収の変化
鳶職のキャリアパスは、技術を磨きながら成長していけるものです。経験を積んでいくことで、より多くの責任を担い、収入の安定性や将来性も高まります。
特に、大型建設現場での経験や特殊な技能を持つ職人は、さらに高収入を得るチャンスが広がります。
将来的には、現場監督として施工管理を行ったり、鳶職に関連する他の分野(足場設計、施工管理)に転職したりする道もあります。
鳶職(足場鳶)の給与や年収について|まとめ
鳶職は、最初は体力的に厳しい部分もありますが、経験を積むことで安定した収入を得られる職業です。
キャリアパスによって年収は大きく変わり、特に経験を積んで職長や独立することで、より高収入を目指せる可能性が高くなります。
自分の技術力を高め、責任のある仕事を任されることで、さらなるキャリアアップが可能です。
鳶職(足場鳶)になるための資格や必要なスキル
鳶職(足場鳶)を目指すためには、いくつかの資格やスキルが求められます。
しかし、エルラインでは未経験者でも安心してスタートできる環境を整えています。
入社後に必要な資格を会社がサポートして取得可能で、専門技術を一から学べるため、経験がなくても安心して挑戦できます。
資格を取得することで、鳶職としての専門的なスキルが身につき、さらなる成長が期待できるのです。
以下に、鳶職に必要な資格や現場で役立つスキルについてまとめました。
必須の資格
1. 足場の組立て等特別教育
足場の組立て・解体・変更の作業に従事する全ての作業員は、「足場の組立て等の作業に係る特別教育」を受講することが義務付けられています。
受講内容:
- 学科: 足場の組立て・解体・変更に関する知識、安全作業の方法、関係法令など
- 実技: 足場の組立て・解体の基本操作
受講時間: 学科7時間、実技1時間(計8時間)
取得すると役立つ資格
1. 足場の組立て等作業主任者
高さ5メートル以上の足場や吊り足場、張り出し足場の組立て・解体・変更作業を行う現場では、「足場の組立て等作業主任者」の資格を持つ者を作業主任者として選任することが求められます。
受講資格:
- 満21歳以上で、足場作業の経験が3年以上ある者
- 満20歳以上で、土木・建築・造船関連の学科を卒業し、その後2年以上の足場作業経験がある者
講習内容:
- 作業方法に関する知識
- 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識
- 作業者に対する教育等に関する知識
- 関係法令
講習時間: 学科13時間、修了試験1時間(一般的に2日間)
2. 玉掛け技能講習
クレーンを使用して資材を吊り上げる際に必要な資格です。鳶職(足場鳶)の現場でも、重量物の移動や設置の際に役立ちます。
受講資格: 特になし
講習内容:
- 学科: クレーンに関する知識、玉掛けの方法、関連法令など
- 実技: 玉掛け作業の実践
講習時間: 学科12時間、実技7時間(計3日間)
3. とび技能士
鳶職の技能を証明する国家資格で、1級から3級まであります。特に1級を取得すると、独立や職業訓練校の講師など、キャリアの幅が広がります。
受験資格:
- 1級: 7年以上の実務経験、または2級合格後2年の実務経験
- 2級: 2年以上の実務経験、または3級合格者
- 3級: 受験資格の制限なし
試験内容:
- 学科試験: 施工法、材料、建築構造、関係法規、安全衛生など
- 実技試験: 足場の組立て作業など
必要なスキル
- 体力: 高所での作業や重い資材の運搬が多いため、持久力や筋力が求められます。
- 集中力・注意力: 高所作業では一瞬の気の緩みが事故につながるため、常に注意を払うことが重要です。
- コミュニケーション能力: チームでの作業が中心のため、円滑なコミュニケーションが安全確保と作業効率向上に不可欠です。
- 繊細さ: 足場の組立ては精密さが求められ、細部まで気を配る能力が必要です。
- 積極性: 現場での学びが多いため、自ら進んで知識や技術を習得しようとする姿勢が大切です。
鳶職の社会的評価やイメージは?

鳶職(足場鳶)は、建設業界で最も身近でありながら、最も重要な職種のひとつです。
しかし、その社会的評価やイメージは、業界内と一般社会で異なることが特徴です。
ここでは、鳶職(足場鳶)に関するポジティブな評価・ネガティブな評価・近年の変化を整理して紹介します。
ポジティブな評価・イメージ
① 建設現場の「縁の下の力持ち」
- 鳶職(足場鳶)は、建設作業の土台を作る職人であり、建築・土木工事に欠かせない存在。
- 大工・塗装・設備工事など、他の職人が安全に作業できるようにする「裏方のプロ」として評価されている。
- 工事の進行を左右する重要なポジションのため、経験を積んだ職人は高く評価される。
② 仕事が豊富で安定している
- 住宅・マンション・商業施設・工場・インフラ工事まで幅広く対応できるため、仕事が途切れにくい。
- 新築工事だけでなくリフォーム・改修工事にも需要があるため、景気に左右されにくい。
- そのため、鳶職(足場鳶)は建設業の中でも最も安定した職種のひとつとされている。
③ 独立しやすく、稼げる
- 経験を積めば独立して「一人親方」になれるため、稼ぎやすい職業。
- 会社に所属する場合でも、熟練の鳶職(足場鳶)は月収40〜50万円以上のことも。
- 技術を持っている限り、一生働ける職種であり、収入も比較的安定。
④ チームワークが強く、仲間意識が強い
- 鳶職(足場鳶)は、複数人で協力しながら作業するため、仲間との信頼関係が非常に強い。
- 「鳶は家族」といわれるほど、助け合いの精神が根付いている。
- 新人でも面倒を見てもらいやすく、成長しやすい環境がある。
⑤ 身体を使うカッコよさ
- 高所で足場を組み立てる姿が「カッコいい」と思われることが多い。
- SNSやYouTubeでも、鳶職(足場鳶)の作業風景は「職人技」として注目されることが増えている。
ネガティブな評価・イメージ
① 「肉体労働」のイメージが強い
- 一般社会では「きつい・汚い・危険」のいわゆる3Kの仕事と思われがち。
- 実際は、技術と経験が求められる職人仕事だが、「単純な力仕事」と誤解されることもある。
② 事故リスクがある
- 高所作業のため、転落事故のリスクがある。
- しかし、近年は安全対策が厳格になり、事故は減少傾向。
- それでも「危険な仕事」というイメージが根強い。
③ 一般社会からの評価が低いこともある
- 「学歴不要の職業」という偏見があり、ホワイトカラー職と比較すると社会的地位が低いと見られることもある。
- 特に都市部では「大卒が多い職業=評価が高い」という価値観が根強いため、職人仕事の社会的評価が低め。
④ 若い世代のなり手が減少
- 若者の間では「デスクワーク志向」が強まり、建設業界全体で人手不足になっている。
- 鳶職(足場鳶)は比較的若い職人が多いが、それでも「重労働のイメージ」が敬遠される要因になっている。
⑤ 見た目や話し方で誤解されることがある
- 鳶職人の多くは作業着(ニッカポッカ)を着ているため、一般の人からは「怖そう」と思われることもある。
- 実際は礼儀正しい職人が多いが、言葉遣いや態度によって「ガラが悪い」と誤解されるケースも。
鳶職の最近のイメージの変化
① SNSやYouTubeで「職人のカッコよさ」が再評価!?
- 鳶職(足場鳶)の職人がInstagram・TikTok・YouTubeで作業風景を公開し、職業としての魅力を発信する人が増えている。
- 「足場を素早く組み立てる技術」「鳶職のチームワーク」が、一般の人から「すごい!」と注目されることも。
エルラインでも、「Change The Status of TOBI」を掲げて、以下のSNSで情報発信をおこなっています。
よろしければフォローをお願いします。
② 足場技術の進化で安全性が向上
- 昔は「危険な仕事」とされていたが、最近はハーネス(安全帯)の義務化・足場の標準化により、作業環境が改善。
- 「安全第一」の考えが強まり、「危険な仕事」というイメージが薄れつつある。
③ 外国人技能実習生の増加
- 鳶職(足場鳶)の仕事は、日本国内だけでなく、海外(特にアジア圏)でも注目されている。
- 外国人技能実習生が増え、日本の足場技術が世界的に評価される流れがある。
鳶職の社会的評価やイメージは?まとめ
ポジティブな評価・イメージ | ネガティブな評価・イメージ |
---|---|
建設業界の「縁の下の力持ち」 | 3K(きつい・汚い・危険)のイメージがある |
仕事が安定していて需要が高い | 高所作業のため事故リスクがある |
独立しやすく、高収入が可能 | 社会的評価が低いことがある |
仲間意識が強く、成長しやすい | 若手のなり手が減少している |
SNSでカッコよさが再評価されつつある | 見た目や話し方で誤解されることがある |
足場鳶以外にもある鳶職(とび職)の種類
鳶職の種類
鳶職は専門分野によって大きく3つに分かれます。
種類 | 主な仕事内容 |
---|---|
足場鳶 | 足場の組立・解体 |
鉄骨鳶 | 建物の鉄骨組み立て |
橋梁・重量鳶 | 橋の建設や重量物の据え付け |
鳶職の主な仕事内容
- 足場の組立・解体
- 建設作業のための足場(くさび式足場や枠組足場など)を組み立て、解体する仕事。
- 高所作業が多いため、安全管理が重要。
- 鉄骨建方(てっこつたてかた)
- ビルや工場などの鉄骨構造の建物を建てる際に、クレーンで吊り上げた鉄骨を組み立てる作業。
- 鉄骨をボルトや溶接で固定する技術も必要。
- 橋梁工事(きょうりょうこうじ)
- 橋の建設や補修工事に携わる。
- 大規模な足場を組んだり、鉄骨を組み立てたりすることが多い。
- 重量物の据え付け
- 工場の大型機械や設備の搬入・設置作業を行う。
- レッカーやウインチを使って重量物を精密に配置する。
鳶職の人数比率(おおよそのイメージ)
職人の正確な統計データはないですが、業界の規模や需要から以下のような比率になると推測できます。
鳶職の種類 | 人数比率(推定) | 理由 |
---|---|---|
足場鳶 | 約 60〜70% | 戸建て・マンション・ビル・工場など、あらゆる建設現場に必要。全国どこでも仕事がある。 |
鉄骨鳶 | 約 20〜30% | 高層ビルや大規模建築の鉄骨組立がメイン。足場鳶よりも現場数が少ない。 |
橋梁・重量鳶 | 約 5〜10% | 高度な技術と資格が必要。大型プロジェクトが中心で職人数が限られる。 |
鳶職の共通点
- 高所作業が多い → 高い場所での作業が得意な人に向いている。
- 体力が必要 → 重い資材を扱うため、体力と筋力が求められる。
- チームワークが重要 → 仲間と連携しながら作業するため、コミュニケーション能力が大切。
1分でわかる!本記事全体のまとめ
鳶職(足場鳶)は、建設現場において欠かせない重要な職業です。足場を組み立て、安全な作業環境を作ることはもちろん、鉄骨の組み上げや橋梁工事など、大型プロジェクトにも携わることができます。
未経験からでも始められる職業ですが、資格取得や経験を積むことで収入が大きくアップし、独立して高収入を得ることも可能です。
鳶職の魅力とは?
1. 体を動かす仕事が好きな人に最適
デスクワークではなく、屋外で体を動かしながら働けるため、アクティブな人に向いています。
2. 手に職をつけて安定した収入を得られる
資格を取得し、技術を磨けば長く安定した収入を得られる職業です。独立すれば、年収1000万円以上も夢ではありません。
3. チームワークの大切さを学べる
鳶職は、仲間と協力しながら作業を進める仕事です。現場での信頼関係が重要であり、助け合いの精神が根付いた職場環境が特徴です。
4. 経験を積めばキャリアアップできる
経験を積めば、職長や施工管理者などの管理職へのキャリアアップが可能です。現場作業だけでなく、指導者や経営者としての道も開けます。
鳶職に向いている人のチェックリスト
以下の項目に当てはまる人は、鳶職として活躍できる可能性が高いです!
- 高所作業が苦にならない
- 体力に自信がある
- チームワークを大切にできる
- 集中力がある
- 手に職をつけたい
- 独立して稼ぎたい
もし3つ以上当てはまるなら、鳶職に向いている可能性大!
鳶職(足場鳶)になるための具体的なステップ
ステップ1:未経験OKの企業に就職する
- 建設業界では未経験者を歓迎する企業も多く、仕事をしながらスキルを磨ける。
- まずは求人サイトや職業訓練校で情報を集めることが大切。
ステップ2:必要な資格を取得する
- 「足場の組立て等特別教育」を受講し、基本的な知識を身につける。
- さらに「足場の組立て等作業主任者」「玉掛け技能講習」などの資格を取得すれば、給与アップにつながる。
ステップ3:現場経験を積みながらキャリアアップ
- 3年ほど経験を積めば、中堅職人として給与アップのチャンス!
- 7〜10年の経験を積めば、職長や独立の道も開ける。
鳶職(足場鳶)の将来性と今後の展望
建設業界は今後も需要が高い業界のひとつです。特に都市開発やインフラ整備が進む中で、鳶職(足場鳶)のスキルを持つ職人の需要は年々増加しています。
さらに、近年では建設業界のデジタル化が進み、安全対策や作業環境の改善が進んでいます。
これにより、「危険な仕事」というイメージが払拭されつつあり、若い世代の一部の間では、少しずつ注目される職業になっています。
「職人の技術」+「IT技術」の融合が進むことで、鳶職(足場鳶)の働き方も大きく変わっていくでしょう。
記事全体のポイント
- 鳶職(足場鳶)は建設業界に不可欠な職業であり、未経験からでも始めやすい仕事。
- 経験を積めば、高収入・独立・管理職へのキャリアアップが可能。
- 資格を取得することで、より安定した収入を得られる。
- 将来性も高く、今後も需要が見込まれる職業。
鳶職は、自分の技術を磨きながら、社会に貢献できるやりがいのある仕事です。
興味がある方は、まずは資格取得や見習いからスタートし、実際の現場で経験を積んでみましょう。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
鳶職(足場鳶)は「危険な仕事」というイメージを持たれがちですが、実際には建設業界に欠かせないプロフェッショナルな職業です。
この記事を通じて、鳶職の魅力や将来性について理解を深めていただけたなら幸いです。
「鳶職(足場鳶)に興味があるけど、一歩を踏み出すのが不安…」という方は、一度エルラインの鳶職(足場鳶)での働き方について、直接お話を聞いてみませんか。
もし、少しでも興味のある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
まだ「鳶職になるかも決めてないよ」「転職するかも迷っている」という方でも、まったく問題ありません。
お待ちしております。
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