建設業における在庫管理とは?5つの管理プロセスを分かりやすく解説

「建設業の在庫管理って実際のところ何するの?」
「在庫管理を担当することになったけど、建設業ではなにか特別な注意が必要?」

こんな疑問をお持ちではないでしょうか。

在庫管理とは、企業が持つ在庫を最適な状態に保ちつつ、需要と供給に応じて調整することです

建設業の在庫管理では、以下のような特有の事情を含めた管理が求めれるため、現場・プロジェクトごとに柔軟な在庫管理の体制を整えておく必要があります。

建設業における在庫管理のポイント
  • 建設プロジェクトは複数の現場で同時に進行している
    同時に動く複数プロジェクトの在庫をすべて管理する必要がある
  • それぞれの現場で進捗状況は、天候や人員配置の遅れ等によって変化する
    進捗状況に応じて在庫調整や資材供給する必要がある
  • 建築資材は温度や湿度など環境条件によって劣化しやすい
    →コンクリートや木材など、湿気や温度に弱い資材の劣化リスクを考慮する必要がある

この記事では、建設業の在庫管理にお悩みを持つ方向けに、特有の事情に考慮した管理の重要性や、適切なプロセスを、わかりやすく解説します。

【この記事を読めばわかること】
  • 建設業の在庫管理業務の具体的な内容
  • 建設業の在庫管理を適切に行うべき理由
  • 建設業の在庫管理の具体的な流れ
  • 在庫管理が上手くいかない理由と対策

現在、業界全体で働き方改革が進み、2024年問題(時間外労働の上限規制等による人手不足への懸念)も深刻化しています。

そんな中、建設業の在庫管理では、旧態然とした「紙ベースの管理」「Excelへの依存」「情報の一元管理やリアルタイム共有の不足」といった効率の悪さが課題となっています。

記事では、こうした課題を克服し、効率的な在庫管理を実現するシステムの導入についてもお伝えしていきます。

建設業の在庫管理について、知りたい情報を網羅した内容になっていますので、ぜひ最後まで目を通していただけたらと思います。

目次

1. 建設業の在庫管理とは|特有の事情も含めて業務内容を解説

建設業の在庫管理とは|特有の事情も含めて業務内容を解説

在庫管理とは、企業が持つ在庫を最適な状態に保ちつつ、需要と供給に応じて調整する業務を指します。

建設業では、在庫の対象は「建築資材」となり、資材の品質を維持しながら、工期スケジュールに合わせて、必要なタイミングで適切な量を供給することが最も重要な業務となります。

特に建設業の在庫管理は、他の業界と比較して複雑さを伴うため、いかにして在庫管理の質を担保するのかといった点が課題となります。

大きくて重たい資材から目視で数えるのが難しい小さいネジまで、建設現場では多種多様な資材を扱いながら複数の現場を同時に管理する必要があるため、特有の調整が求められるのです。

全体をしっかり把握できていないと、
現場Aでは足場材が残っていたのに、現場Bで追加で発注してしまった。
などの余計なコストが発生する要因となるだけでなく、

現場で資材が不良品だと発覚した!などの場合は、納期に影響を及ぼし、最悪の場合はお客様からの信頼を失うことにもつながりかねません。

そこで1章では、建設業の在庫管理が具体的にどのような業務なのかを、以下の順に解説します。

  1. 建設業の在庫管理|主要業務①在庫の状態と正確な数量を把握する
  2. 建設業の在庫管理|主要業務②受注に基づいて過不足のなく数量管理する

順にみていきましょう。

1-1. 建設業の在庫管理|主要業務①資材の状態と正確な数量を把握する

建設業に限らず、在庫管理業務の中で重要な割合を占めるのが、入庫した資材の状態管理と正確な在庫数の把握業務です。

納品された建設資材の品質や使用可能期限を常に管理し、現場に必要な資材がどれだけあるのかを正確に把握することが求められます。

具体的には、

・入荷時の検品作業
資材の数量や種類が発注書と一致しているか確認する。外装や内部に破損、汚損がないかチェックする。

・品質の確認作業
資材の品質や規格が事前に定めた基準を満たしているか検査する。必要に応じて検査記録を残す。

・状態ラベルの付与作業
資材の状態(検品済み、修理必要、返却対象など)を明確にするためのラベルやタグを付ける。

・適切な保管場所へ配置する
資材の特性(温度、湿度、衝撃の有無など)に合わせて保管環境を選ぶ。
例)乾燥保管が必要な電子部品など。

・不備やトラブルの記録と報告
入庫時に発見した不具合を記録し、関係者へ迅速に報告する。必要に応じて仕入れ先への返品や交換対応を手配する。

などを行います。

資材が入荷したタイミングでこれらを行うことで、予期せぬ資材の故障や効率的な資材管理の土台を作ることができるようになります。

1-2. 建設業の在庫管理|主要業務②受注に基づいて過不足なく数量管理する

受注内容やプロジェクトの進捗状況に基づき、必要な資材を適切な量で必要な現場に供給することも、非常に重要な業務です。

建設現場では作業がスケジュール通りに進むことが非常に重要です。必要な資材の到着が遅れると工期が延び、コストや信用問題に直結してしまうからです。

具体的には、

・受注内容の確認と資材計画を策定する
注文書や設計図面を基に、必要な資材の種類・数量を確認する。施工スケジュールに合わせて、段階的に資材の供給計画を立案する。
必要な資材の納期を事前に確認し、施工スケジュールに間に合うように調整する。

・資材を適切なタイミングで発注する
資材計画に則り、適切なタイミングで資材を注文する。定期的に在庫量を確認し、過不足がないか確認する。現場の消費スピードが当初の計画と相違ないか確認する。

・現場への供給スケジュールを管理する
複数の現場への資材供給を効率化するため、配送ルートや車両を最適化する。不足資材が発生した場合に、他現場から余剰資材の手配を依頼する。


・突発的なインシデントに対応する
天候の影響で工期が遅れた場合、資材配送を遅らせるなど。倉庫に予備の在庫を用意しておく。

など、上記のような業務を行います。

工事の進捗は急遽天候などの外的要因によって計画通りにいかないこともあるため、このように細やかな在庫管理と迅速な対応力が重要になってきます。

建設業の在庫管理は「特有の事情」を考慮しながら進める必要がある
ここまでで、建設業の在庫管理業務が非常に細やかな対応が必要になることがお分かりいただけたかと思います。さらに以下の建設業特有の事情を考慮しながら、対応を行うことが重要です。

【建設業特有の事情】

  • 建設プロジェクトは複数の現場で同時に進行している
  • それぞれの現場で進捗状況は、天候や人員配置の遅れ等によって変化し、予定通り進むとは限らない
  • 建築資材は温度や湿度など環境条件によって劣化しやすい
  • 上記のような建設業特有の事情を考慮せずに在庫管理を行えば、
    工事全体の効率、品質、コストなど大きく計画から崩れることになってしまうでしょう。そのため、


    1. 現場ごとに資材の分散管理をする
    必要な資材を各現場で管理し、適切なタイミングで供給する体制を構築する
    例)工事進捗に応じて必要な数量だけを各現場に配送し、余剰在庫を最小限に抑えるなど


    2. 進捗に応じた在庫調整を行う
    各現場の進行状況に基づいて必要な資材を適切に調整し、無駄や不足を防ぐ
    例)工期が遅れている現場には資材の配送を一時停止し、他の進捗が早い現場に優先的に供給するなど


    3. 劣化防止を考慮した保管環境を確保する温度や湿度に配慮した保管環境を確保する
    例)湿気に弱い資材には乾燥した保管場所を選択するなど上記のポイントを押さえて、在庫管理に臨みましょう。

    2. 建設業で適切な在庫管理が不可欠な3つの理由

    建設業で適切な在庫管理が不可欠な3つの理由

    1章では、建設業における在庫管理の具体的な業務内容と特有の事情についてお伝えしました。

    ここでは、建設業の特性を踏まえた上で、適切な在庫管理が必要な3つの理由をお伝えしていきます。

    建設業で適切な在庫管理を行うことは、
    「工期の厳守」
    「コスト削減」
    「品質の確保」という3つの重要な目的を達成するために不可欠です。

    建設業において、在庫管理は単なる物の管理ではなく、企業の収益性と持続可能性に直結する非常に重要な経営戦略であると理解してください。

    適切な在庫管理が企業にとって、いかに重要かを把握しておきましょう。

    2-1. 理由①資材不足による工期遅延を防ぐため

    適切な在庫管理を行うことで、資材不足による工期の延期を防ぐことができます。

    必要な資材を適切なタイミングで供給できる体制を整えることで、現場での無駄な待機時間や資材調達の遅延が減少するからです。

    ビジネスにおいて工期は絶対に守りたいもの。遅れてしまうと発注元の信頼を失うことになってしまいます。

    【たとえば…】

    現場で必要な資材が不足している場合、追加発注や配送を待つ時間が発生し、作業が中断することがあります。
    資材が届くまでの間、作業員が手持ち無沙汰になり、他の業務に柔軟に対応できない場合もあります。

    また、予定外の調達が重なると、配送業者とのスケジュール調整が難航し、現場の混乱を招く恐れがあります。

    このような待機時間を減らすことで、作業がスムーズに進み、全体のスケジュールが効率化されます。

    適切な在庫管理により、現場担当者が必要な資材を事前に把握できるため、スケジュール通りに作業を進めることが可能です。

    スムーズな生産活動を支えるためにも、適切な資材管理は非常に重要であると言えるでしょう。

    2-2. 理由②資材の過剰在庫によるコストの増加を防ぐため

    適切な在庫管理により、無駄な在庫によるコスト増加を防ぐことができます。

    過剰在庫や資材不足を防ぐことで、余分な費用の発生を回避でき、結果的にコストの削減につながります。

    【たとえば…】

    大規模工事を想定して必要以上の資材を発注してしまうと、保管費用の増加や過剰在庫による資材の劣化リスクが発生します。
    特に、長期間の保管は不要な経費の増加につながります。

    また、何らかのミスで資材不足が発生した場合には、緊急発注や即納対応が必要となり、そのための追加コストが発生します。
    さらに、資材の遅れが作業工程に影響を与えると、工期延長に伴う経費の増加も避けられません。

    適切な在庫管理により、こうした事態を未然に防ぐことができます。

    過剰在庫や資材不足を回避することで、無駄な支出を抑え、大切な資材を効率的に活用できるようになります。
    特に建設業は「売上至上主義」的なところがあり、最終的に残る利益はあまり重視しないといった傾向があるため、こうした在庫管理を徹底するだけで、利益率の大幅改善が見込めるでしょう。

    2-3. 理由③資材の劣化を防ぎ工事の品質を担保するため

    工事のクオリティを維持するためにも、在庫管理は重要です。

    資材が適切に保管されていないと、資材の状態や供給タイミングに問題が生じ、工事全体に悪影響を及ぼします。

    【たとえば…】

    木材を屋外に一時的に保管したことで、雨にさらされて劣化してしまうことがあります。
    そのまま使用した場合は、出来上がった建物の品質の低下は避けられないでしょう。

    また、新たな木材を発注した場合には、作業の停滞や混乱、工期の遅延などを招きます。
    こうした混乱により、工事全体のクオリティを下げるリスクが高まります。

    適切な在庫管理を徹底することで、資材の状態を保ち、計画通りに工事を進行させることが可能です。

    工事のクオリティが確保されるだけでなく、顧客満足度の向上にもつながります。

    3.【建設業の在庫管理】具体的な5つのステップ

    【建設業の在庫管理】具体的な5つのステップ

    建設業の在庫管理業務は、効率的で無駄のない運用を実現するために重要です。

    3章では、具体的なプロセスを5つのステップに分けてご紹介します。

    • ステップ1|在庫リストを作成する
    • ステップ2|リストを元に資材を分類する
    • ステップ3|ロケーション管理の体制を整える
    • ステップ4|資材の発注方式を設定する
    • ステップ5|定期的に見直しをする

    参考にして進めていきましょう。

    3-1. ステップ1|在庫リストを作成する

    まず最初に、すべての在庫(資材)をリストアップしていきます。

    現在の在庫管理帳簿が、Excelや紙の帳簿など複数存在している場合は、1つのフォーマットに統一しましょう。

    リストアップを行う際は、以下の点に留意すると効率的です。

    • プロジェクトや現場ごとに分ける
      「プロジェクトID」や現場ごとの「工事番号」を設定して管理すると、混同を防ぎ、資材の流れを明確にできます。
      例)
      現場AプロジェクトID: PJ001(工事番号: 001)
      現場AプロジェクトID: PJ002(工事番号: 002)
      現場BプロジェクトID: PJ004(工事番号: 004)
    • 「主資材」だけでなく「副資材」もリストに記載する
      消耗品も含まれる副資材は、主資材に比べて不足しやすいため、事前の管理や確認が重要です。
      漏れのない記載を徹底しましょう。

      主資材:建物の構造を支える鉄骨や木材など。
      副資材:電線や接着剤などの消耗品。

    • 資材の命名ルールを定めておく
      資材をリストに記載する際のルール(命名ルール)を以下のように定めることで、リストが視覚的に整理され、後の管理が容易になります。

      【商品コード】:資材ごとの番号やアルファベットを設定します。
      例:STL-001(スチール材の1番目)
      【商品名】:簡潔で内容が分かりやすい名前を付けます。
      例:鉄筋25mm
      【カテゴリ】: 資材を管理しやすいように分類します。
      例:金属、木材、工具
      【サイズ】:資材の寸法(必要な場合は重量)を統一されたフォーマットで記載します。
      例:25mm x 6000mm

      たとえば「STL-001 鉄筋25mm 金属 25mm x 6000mm」のように記載でき、一覧表が一目で理解しやすくなります。

    リスト作成は在庫管理の基盤です。

    分かりやすく正確なリストを目指しましょう。

    3-2. ステップ2|リストを元に資材を分類する

    次に、リスト化した資材を、重要度や使用頻度で分類します。

    分類方法はいくつかありますが、一般的にはABC分析が用いられます。

    ABC分析とは、使用頻度やコストに応じて在庫品を以下のようにランク分けする方法です。

    【ABC分析を使った分類】ABC分析では、資材を以下の3つに分類します。

    Aランク使用頻度が高く、コストも高い重要な資材(例:鉄骨や木材)。
    これらは重点的な管理(他のものよりも特別に注意を払って管理すること)が必要です。


    BランクAランクほどではないが、一定の頻度で使用される中程度の資材(例:特定の配管材や塗料)。
    このランクについても、適切な在庫管理(使用状況に合った量を保つ)を行うことが重要です。


    Cランク使用頻度が低く、比較的コストの低い資材(例:接着剤やクリップ)。
    管理を簡略化※することでコスト削減が可能です。
    ※まとめて購入することで購入単価を抑えて管理の手間を減らす、など

    このように資材を適切に分類することで、効率的な在庫管理が実現します。

    チェック!在庫回転率を確認しておきましょう
    主資材・副資材ごとに、資材がどのくらいのペースで消費されるかを確認して、在庫回転率を把握しておくと良いでしょう。在庫回転率は、一定期間にどれだけの在庫が消化されたかを示す指標で、以下の計算式で求められます。

    在庫回転率 = 売上原価(または消費した資材の総額) ÷ 平均在庫額この計算によって、在庫がどれだけ効率的に消費されているかが把握できます。

    • 在庫回転率低い場合:たとえば、回転率が1未満の場合、在庫が1年間に1回転もしないことを意味します。過剰在庫が発生している可能性があり、保管コストの増加や資材の品質低下につながるリスクがあります。

    • 在庫回転率が高すぎる場合:たとえば回転率が10以上といった高い数値の場合、在庫が非常に速いペースで消化されていて、不足するリスクが高いことがわかります。必要なタイミングで資材が手配できず、作業が遅れる恐れがあります。

    在庫回転率を把握しておくと、補充のタイミングを適切に見極められるため、無駄な在庫や欠品のリスクが軽減できます。

    3-3. ステップ3|在庫の保管エリアを整理する

    資材の種類や使用頻度に応じて保管エリアを区分けし、取り出しやすく配置します。

    その際は、次のような点に留意してください。

    • 作業フローを考慮した配置にする
      使用頻度が高い資材は手前に、頻度が低い資材は奥に配置することで、作業効率が上がります。
    • 危険物は専用の場所に保管し、安全対策を徹底する
      特に、有害物質や火気厳禁の資材については、法令やガイドラインに沿った保管が求められます。
    • ラベルや標識を明確に設置する
      資材がどこにあるか一目で分かるようにするため、棚やエリアごとにラベルや標識を付けると便利です。
    • 環境条件に適した保管を行う
      温度や湿度に敏感な資材(例:接着剤、塗料など)は、劣化を防ぐために適切な環境で保管することに留意しましょう。

    保管エリアの整理と工夫は、作業効率と安全性の向上に直結します。

    現場の状況に応じて柔軟に対応し、最適な配置を維持していきましょう。

    3-4. ステップ4|資材の発注方式を設定する

    次に、自社に適した資材の発注方式を設定しましょう。

    発注方式には、主に以下の2つがあります。

    • 定量発注方式
      在庫が一定数を下回った時点で発注する方式。
      安定した消費量が見込める資材に向いており、必要最低限の在庫を維持しやすいのが特徴です。
    • 定期発注方式
      決まった周期ごとに在庫を確認し、必要に応じて発注する方式。
      不規則な消費パターンがある資材や、多くの種類を一括で管理する場合に便利です。

    どちらか一方に固定する必要はなく、資材の特性を考慮した上で組み合わせて取り入れるのがおすすめです。

    チェック!資材ごとの特性も考慮する
    資材ごとの特性に合わせて、
    消耗品や使用頻度が高い資材は定量発注を優先し、使用量が不定期なものは定期発注で管理する
    など、資材ごとに方式を選定しましょう。

    3-5. ステップ5|定期的に見直しをする

    体制が整った後は、在庫管理の運用が効率的に行われているか、定期的にチェックすることが重要です。

    具体的には、以下のことを実施しましょう。

    • 棚卸しの実施
      実際の在庫数と記録を突き合わせ、ズレがないかを確認します。
      ズレが見つかった場合は、その原因(記録ミスや盗難など)を特定し、改善策を講じましょう。
    • 運用ルールの修正
      発注タイミングや保管方法に課題があれば、運用ルールを修正します。
      たとえば、頻繁な不足が起きている場合は発注基準を見直し、過剰在庫が多い場合は発注頻度や数量を調整します
    • 在庫データの分析
      資材の需要変動や使用パターンを把握するため、過去の使用データを定期的に振り返りましょう。

    定期的な見直しを行うことで、在庫管理の無駄や不足を防ぎ、効率的で安定した運用が可能になります。

    各ステップのさらに詳しい進め方は、資材の在庫管理に特化した記事で解説していますので、合わせて参考にしてください。

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    在庫管理 資材

    4. 建設業の在庫管理が上手くいかない!3つの理由

    建設業の在庫管理が上手くいかない!3つの理由

    在庫管理のプロセスを解説しましたが、読んでいる方の中には、

    「こんな風に上手くいかない」「しっかり取り組んでいるのにトラブルが起きる…」

    と、悩んでいる人がいるかもしれません。

    建設業で在庫管理が上手くいかない理由は、主に3つ挙げられます。

    1. 紙ベースで管理している
    2. Excel(エクセル)に頼っている
    3. 情報がリアルタイムで共有できていない

    貴社にも思い当たる点があるのではないでしょうか。
    それぞれ解説します。

    4-1. 紙ベースで管理している

    理由の1つ目は、紙ベースで管理をしていることです。

    紙ベースでは、記録忘れ、数量間違いなどのヒューマンエラーが避けられません。

    紙ベースで管理している

    多くの現場で、「簡単だから」「前からそうしていたから」といった形で、相変わらず紙に人が書きつける形を続けてはいませんか?

    その場でメモのように書くのは確かに簡単かもしれませんが、以下のようなリスクがあります。

    • 担当者が記録をつけ忘れる
    • 記録を間違って書きつけてしまう
    • 書いた紙や帳面を紛失してしまう

    また、紙ベースでは過去のデータをさかのぼって分析するのが非常に困難です。

    そのため、データに基づいた改善や見直しを行うことが難しく、効率的な在庫管理の改善が進まないという問題もあります。

    4-2. Excel(エクセル)に頼っている

    多くの企業が在庫情報をExcelに頼っていますが、これも在庫管理でミスが多くなる原因の1つです。

    Excelは簡単で便利なツールですが、在庫管理が複雑化するにつれて対応しきれなくなったり、業務が属人化しやすい傾向があるため、引き継ぎが難しくなったりする可能性があります。

    Excelは簡単で便利なツールですが、在庫管理が複雑化するにつれて対応しきれなくなったり、業務が属人化しやすい傾向があるため、引き継ぎが難しくなったりする可能性があります。

    さらに具体的には、以下のような問題が挙げられます。

    • Excelのデータを複数の担当者が編集することで、二重入力や計算ミスが発生する可能性がある
    • リアルタイム更新が難しく、最新の在庫状況をチーム全員が正確に把握できない
    • フィルタや数式を使いこなす必要があり、担当者によって管理の精度がばらつく
    • ファイルが複数に分かれることで、どのファイルが最新なのか分からなくなる
    • 担当者が辞めた後、どのように管理していたのかわからなくなる可能性がある

    このような状況では、在庫数が不明確になり、必要な資材が不足するリスクが生じます。

    また、「使い慣れているから」とExcelに頼り続けると、新たなシステムへの移行が遅れ、より効率的な在庫管理の方法に対応できなくなる恐れがあるでしょう。

    4-3. 情報がリアルタイムで共有できていない

    紙やExcelの管理にも共通する最大の課題は、情報がリアルタイムで共有できていないことです。

    最新情報が共有されないと、現場で在庫管理にミスが生じる可能性が高くなります。

    最新情報が共有されないと、現場で在庫管理にミスが生じる可能性が高くなります。

    具体例を挙げると、以下のような事態が発生します。

    • A現場では過剰在庫があり、B現場では資材が不足しているにもかかわらず、情報が共有されていないためにB現場が資材を再発注。結果として、納品を待つ間に工期が遅れてしまう。
      (情報共有ができていれば、A現場の在庫をB現場に回すだけで解決できたはず)
    • 在庫状況が古い情報のままで、実際には在庫がのに「足りない」と誤認して追加発注してしまう。これにより、不要なコストが発生する。

    このように、情報共有のタイムラグがあると、在庫の無駄や不足による遅延が頻発し、現場全体の効率が低下します。

    ミスが繰り返されると、在庫管理の信頼性を損ね、責任問題に発展する可能性も否定できません。

    いかがでしょうか。
    「Excelだけどウチでは問題なくやってきた」とおっしゃる方がいるかもしれません。

    しかし、これまではそうだとしても、状況は変わりつつあります。
    働き方改革が進み、2024年問題も深刻化している今、従来通りのやり方を続けていると、ミスが頻発し、いつか大きな損失を招く危険性があります。

    課題を克服し、効率的な在庫管理を実現するには、次の一歩が必要です。
    次章では、その具体的な方法について解説していきます。

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    5. エクセルに限界を感じたら「在庫管理システム」導入がおすすめ

    エクセルに限界を感じたら「在庫管理システム」導入がおすすめ

    現在、建設業の在庫管理では、「紙ベースの管理」「Excelへの依存」「情報の一元管理やリアルタイム共有の不足」といった課題が浮き彫りになっています。

    早期解決の手段として、すぐ始められる「在庫管理システム」の導入がおすすめです。

    「在庫管理システム」とは、在庫の状況を効率的に管理するためのデジタルツールのこと。
    導入することで、現在の在庫数や動きが一目で分かり、必要な情報をすぐに確認できるようになります。
    在庫データをクラウド上で一元的に管理し、リアルタイムで情報を共有することも可能です。

    デジタルツールと聞いただけで、

    「なんだか難しそう」「操作を覚えられるか不安…」

    と思われるかもしれませんが、在庫管理システムは、普段使っているパソコンやスマートフォンからインターネットを通じて利用できるもので、操作には特別な知識や技術は必要ありません。

    実際にシステム導入によって実現できることを、6つのポイントでご紹介します。

    「在庫管理システム」導入で実現できる6つのこと
    1.リアルタイムの在庫管理

    クラウド上で在庫データを常時更新・共有するため、どの現場にどれだけの在庫があるのかを瞬時に把握可能になります。これにより、在庫不足や過剰在庫といった問題を防ぐことができます。

    2.情報の一元管理と現場間の共有

    複数の倉庫や拠点がある場合でも、システムを使えば在庫情報を一元化。どの現場でも最新情報を共有でき、情報の行き違いや更新漏れがなくなります。

    3.在庫管理の自動化

    入出庫データの入力や棚卸作業が自動化され、人的ミスが大幅に削減されます。これにより、業務の精度が向上するだけでなく、作業時間も短縮されます。

    4.資材の品質管理

    特定の資材の状態や品質をシステムで追跡できるため、不良品や品質トラブルの発生を未然に防ぐことが可能です。

    5.保管期限や使用期限の管理

    賞味期限や使用期限がある在庫もシステムが自動で通知してくれるので、期限切れによる廃棄やトラブルを防ぐことができます。

    6.データ分析による必要在庫数の予測

    過去データ(在庫状況、使用履歴、発注履歴など)をシステムで蓄積、分析することで、季節ごとの需要や工事進行状況に基づいた必要在庫数を予測することができます。これにより、過剰な在庫コストを削減し、効率的な発注計画を立てることが可能になります。

    このように、在庫管理システムを導入することで、これまで困難だった課題が一気に解決するのです。

    「システム化」と聞くと、手間がかかると感じる方がいるかもしれませんが、導入後は在庫管理の負担やストレスが大きく軽減されますので、ぜひ検討してみてください。

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    自社の資産でもある資材の数量をいつでもどこでも把握できる在庫管理システムですオンラインで受注管理をおこなえるため、エクセルや紙による管理が不要になり、従来の管理業務にあったさまざまな負担を解消します。


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    6. まとめ

    建設業の在庫管理では、特有の事情を踏まえて、以下のような管理を心がけましょう。

    • 複数の現場での分散管理
    • プロジェクト進捗に応じた在庫管理
    • 資材の劣化リスクと適切な保管

    適切に在庫管理を行うことは次のようなメリットをもたらします。

    • 業務効率の向上
    • 工事のクオリティ確保
    • コスト削減

    在庫管理は、事業の成功を左右する重要な要素です。
    最適な管理体制の構築に、この記事を役立てていただければ幸いです。

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