キャリアアップカードとは?基本・手続きの流れ・必要性を解説

「キャリアアップカードって、どんなカードなの?」
「どんな情報が記載されているの?」

そんな疑問を抱いて、このページにたどり着いた方は多いのではないでしょうか。

結論から言いますと、キャリアアップカードとは、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の技能者登録することで発行されるカードのことです。

技能者の本人情報、職種や経験、保有資格など、さまざまな情報が登録されるほか、現場に設置されたカードリーダーにかざすことで、「その現場で働いた」記録(就業履歴)を蓄積できます。

簡単に言い換えると、資格情報や、就業日数・経験した現場の情報まで一元化管理し、「自分のキャリアやスキルの証明書」として活用できるカードです。

ここまでの情報はすでに知っている方もいらっしゃるでしょう。例えば、就活のタイミングで建設キャリアアップシステムのことを知って、

「自分にも必要なのだろうか」
「カードは今作る必要があるのか?」

と不安に思った方もいらっしゃるかもしれません。

そのため、この記事では、キャリアアップカードの概要に加えて、カード発行の一般的なタイミングは、入社後であるが例外もある」という点についても詳しく解説しています。

【この記事を読んでわかること】
・キャリアアップカードの概要(記載情報や仕組みなど)
・キャリアアップカード申請・発行のタイミング
・キャリアアップカードの申請に必要な書類や費用
・キャリアアップカード取得の流れ

いずれも適宜、図や表を交えてわかりやすく説明しています。

最後まで読んでいただければ、キャリアアップカードの概要はもちろん、「今自分に必要なのだろうか」という不安を解消し、必要であればどのような手続きが必要か、自信を持って次のアクションに踏み出すことができるはずです。

ではさっそく、キャリアアップカードの概要から見ていきましょう。

目次

1. キャリアアップカードとは「建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者カード」のこと

キャリアアップカードとは「建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者カード」のこと

 キャリアアップカードとは、国土交通省が推進する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の技能者登録することで発行されるカードのことです。

ここでは、キャリアアップカードの基本を解説していきます。

1-1. キャリアアップカードの記載情報

キャリアアップカードの見た目は下図の通り、免許証のような写真付きカードです。

キャリアアップカードの見た目は下図の通り、免許証のような写真付きカードです。

カード内部には、データを記録するICチップが内蔵されています。

また、裏面には下記のように、カード利用における注意事項や、「建設キャリアアップシステムお問い合わせセンター」の電話番号のほか、本人確認番号が記載されています。

また、裏面には下記のように、カード利用における注意事項や、「建設キャリアアップシステムお問い合わせセンター」の電話番号のほか、本人確認番号が記載されています。

 

1-2. キャリアアップカードの仕組み

キャリアアップカードには、技能者のさまざま情報が登録されており、CCUSのシステムにログインすることで確認できます。

情報を閲覧できるというだけでなく、現場での就業履歴が蓄積されるのが大きな特徴です。

キャリアアップカードの仕組み

従来は、現場ごとに紙の出勤簿や口頭の報告で管理していた情報が、キャリアアップカード1枚に集約され、正確にデータ化されるということです。

また、カード発行の手続きには「簡略型」と「詳細型」の2種類あり、登録できる項目が異なります。「詳細型」を選ぶことで、「自分のキャリアを裏付ける証明書」としても利用できます。

種類 簡略型2,500円(税込) 詳細型4,900円(税込)
登録項目 以下7項目
・本人情報
・所属事業者情報
・職種
・経験等
・社会保険
・建退共
・中退共
簡略型+以下7項目(計14項目)
・労災保険特別加入
・健康診断
・学歴
・登録基幹技能者資格
・保有資格等
・研修等受講履歴
・表彰履歴

参考:建設キャリアアップシステム
No926 技能者申請において「簡略型」と「詳細型」の違いを教えてください。
CCUSについて

簡略型と詳細型では、カード発行の目的が違うのでしょうか?

「就業履歴が記録できれば良い」という場合であれば、「簡略型」で事足ります。

「保有資格など、技能者としてのスキル・能力情報も、自分の評価に役立てたい」

という場合は、「詳細型」で登録しましょう。

 

スキルや資格、研修履歴などをきちんと記録し、能力評価を受けてアップデートしていきたいなら、「詳細型」を最初から選んでおいたほうが、手続きの手間が減らせるでしょう。

1-3. キャリアアップカードのレベル分け」で解説する通り、スキルや能力を評価してもらうには、就業履歴だけでなく、詳細型の登録情報が必須だからです。

なお、「簡略型」で登録したあと、登録料の差額を支払えば、「詳細型」に変更は可能です。

会社が変わったら、カードも転職に合わせて変えないといけないのでしょうか?

いいえ、キャリアアップカードはあくまで本人に紐づくものですから、転職を機に再発行する必要はありません。

所属する会社が変わったことは、情報更新が必要ですけどね。

ただし有効期限は最長10年ですので、その際は更新手続きが必要です。

 

1-3. キャリアアップカードのレベル分け

キャリアアップカードは、技能者の経験や能力に応じてレベル1~4に分けられます。

レベルは、カードの色で判別可能です。

キャリアアップカードのレベル分け

技能者として登録した際は、カードはレベル1で発行されます。

レベルを上げるには、技能者登録を「詳細型」で行なった上、国土交通省認定の「建設技能者の能力評価基準」に基づく能力判定を受ける必要があります。

具体的には、

就業年数:「どのくらいの期間働いたか」
保有資格:「どんな資格を持っているか」
職長経験:「職長として現場を率いた経験があるか」

といった基準に沿って、客観的に技能を評価された上で、レベルアップが可能になります。

1-4. 能力評価の具体例(とび職の場合)

例えば、「とび職」の場合、以下の基準でレベルが定められます。

まず、レベル1(ホワイト)の条件は、下記の通りです。

【レベル1(ホワイト)】
・建設キャリアアップシステムに技能者登録されている
・レベル2~4の判定を受けていない技能者

レベル2からは、「就業日数」や「保有資格」、レベル3からは、さらに「職長・班長経験」も判定の基準に加わります。

【レベル2(ブルー)】
・就業日数:3年(645日)以上

・資格として、次の3つを保有していること
1)玉掛け技能講習
2)職長・安全衛生責任者教育
3)次の12資格のうち1つ以上:

・足場の組立て等作業主任者技能講習
・型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習
・地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習
・高所作業車運転技能講習
・建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習
・木造建築物の組立て等作業主任者技能講習
・コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習
・小型移動式クレーン運転技能講習
・車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
・車両系建設機械(解体用)運転技能講習
・車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習
・ガス溶接技能講習

【レベル3(シルバー)】
・就業日数:8年(1720日)以上
・レベル2の基準の「保有資格」を満たすこと
・職長・班長経験:職長または班長として2年(430日)以上

・資格として、下記いずれかの資格を保有していること
1)1級とび技能士
2)1級または2級建築施工管理技士
3)1級または2級土木施工管理技士
4)次の資格のうち3つ以上:

・2級とび技能士
・レベル2の12資格のいずれか

【レベル4(ゴールド)】
・就業日数:12年(2580日)以上
・レベル2及びレベル3の必須資格を満たしていること
・職長経験:職長として7年(1505日)以上

・下記いずれかの資格を保有していること:
1)登録鳶・土工基幹技能者
2)優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)
3)安全優良職長厚生労働大臣顕彰

※出典:国土交通省「能力評価基準【とび】
※ 就業日数は「215日=1年」として換算
※ 班長については、職長教育を修了した者を対象とする

そのほか、各分野の能力評価基準の詳細については、国土交通省の「【CCUSポータル】能力評価制度について」にて確認できます。

2. キャリアアップカードの申請・発行は入社後が基本

キャリアアップカードの申請・発行は入社後が基本

キャリアアップカードの概要を確認したところで、「じゃあ今すぐ必要なの?」と気になる方も多いでしょう。

結論から言いますと、キャリアアップカードは基本的に、入社後に会社を通じて申請・発行するのが一般的です。

なぜなら、カードは本人の情報だけでなく、事業者情報と技能者情報を関連付けて初めて、

「〇〇社に所属する△△さんが、この現場で働いた」

という形で就業履歴が記録される仕組みだからです。

会社に所属していない段階でも、「事業者情報なし」として技能者登録(カード発行手続き)は可能です。

しかし、入社後に情報の変更申請をして事業者情報を追加しない限り、「どの会社の誰か」がわからない状態なので、就業記録は残らないのです。

そのため、入社後に申請して、事業者情報も一緒に登録したほうが、変更申請の手間がかかりません。

では事前に自分でカードを取得するケースは基本的にないのでしょうか?

取得のタイミングは入社後がおすすめですが、「自分で取得する」「入社前に取得する」といったケースもありますよ。

一人親方の場合は、本人が事業者も兼ねているため、自分で申請してカードを取得します。

また、会社から「カードを事前に準備しておいてほしい」と指定されるケースもありますね。

 

3. キャリアアップカード取得の流れ

キャリアアップカード取得の流れ

続いて、キャリアアップカード取得までの、技能者登録の流れをご紹介しましょう。

おおまかな流れは、下図の通りです。

インターネット申請
(簡略型/詳細型の登録可能)
認定登録機関申請
(詳細型のみ登録可能)
0 【必要書類の準備】
・本人確認書類
・カード用顔写真
・加入社会保険等の証明書類
・資格
・学歴等に関する証明書類 など
1 申請手続きの準備
申請用ログインIDの取得を行う
申請手続きの準備
申請書に必要事項を記入する

※申請書フォーマットは下記よりダウンロード可能
登録する: 建設キャリアアップシステム

2 登録申請内容の入力
情報の入力と、必要書類の添付を行う
申請書等を認定登録機関に持参(要予約)
申請内容の確認をしてもらい、「登録料の払込票」を受け取る
3 支払い方法の選択後、登録申請
入力した内容を確認し、支払い方法の選択を行う

【支払い方法】
・クレジットカード
・払込票(コンビニ/郵便局)

登録申請すると、申請番号が発行されるのでメモなどに控えておく

選択した支払い方法で登録料を支払う

払込受領証を申請書に添付し、申請書類一式として正式に提出
※提出書類は「申請提出用封筒ラベル」を貼り付けた封筒に入れて提出

封筒ラベルは下記よりダウンロード可能
登録する: 建設キャリアアップシステム

4 申請内容の確認・審査
本人情報・資格証明・書類の不備がないかを審査(不備があれば修正して再度申請する)
5 技能者情報の登録完了
技能者IDが発行される(申請から約2週間)
6 キャリアアップカードの受領
カードが発行され、郵送にて交付される(申請から約3週間)

入力(操作)方法や注意点は、建設キャリアアップシステムの「インターネット申請ガイダンス|入力方法と注意点」で説明されていますので、ガイダンスを見ながら入力を進めると、スムーズです。

「技能者登録全体の流れについてもっと詳しく知りたい」

という場合は、「建設キャリアアップシステム」上部にあるリンクから、「インターネット申請ガイダンス」に進むと、登録の手順に分けて、詳しい説明を閲覧できます。

入社より先にカードを作った場合は、事業者情報を変更しないといけないんですよね?

はい、その通りです。

例えば、入社前に「所属なし」で技能者登録していた場合は、所属事業者の「変更申請」をする必要があります。

ほかにも、氏名や住所などの変更、職種や資格の追加・変更など・・・登録情報はシステムから、修正・編集・更新が可能です。

不備がなければ、通常2週間ほどで審査完了し、技能者情報に反映されますよ。

 

4. これからの時代にキャリアアップカードは必要不可欠!

これからの時代にキャリアアップカードは必要不可欠!

ここまでの解説で、キャリアアップカードを取得するには、必要書類の準備や申請手続きが必要だとお伝えしました。

なかには、

「申請に書類やお金がかかるのか、面倒くさそう…」
「だったら、キャリアアップカードが要らない会社を選んだほうが楽かも…」

と感じる人もいるかもしれません。

しかし、これからの時代、キャリアアップカードは建設業界で働く上で、必要不可欠な存在です。

将来を見据えて安心して働きたいなら、「CCUS登録事業者」を勤め先に選ぶ方が、あなたの成長を正しく評価してもらえる近道になります。

CCUS登録事業者を選ぶと、次のようなメリットがあるからです。

・就業履歴や資格が正式に記録される環境で働ける
・技能者の成長を後押しする体制が整っている
・安定したキャリア形成がしやすい

登録事業者の現場で働けば、「どの会社でどんな仕事をしてきたか」が公式データとして残り、将来の評価・昇給、転職した際のアピール材料になります。

また、現時点でCCUS登録事業者であるということは、システムを活用して、技能者の頑張りを正当に評価し、資格取得やキャリア形成を支援する土台があるということです。

なにより、建設キャリアアップシステムは、国が登録を推奨しており、建設業界全体でカード活用が急速に進んでいます。現時点(2025年9月時点)では登録は任意ですが、今後義務化される可能性もあるでしょう。

「義務化になったから登録しないと!」と焦ってシステム運営体制を整える環境よりも、現時点でしっかりと体制づくりを進める事業者のほうが、安定したキャリア形成ができます。

今のうちからCCUS登録事業者で経験を積むことで、将来的な義務化や制度変更への不安の軽減につながります。

エルラインは「CCUS登録事業者」として技能者の成長をサポートします


私たち株式会社エルラインは、CCUS登録事業者です。

実習生を含む全ての新入社員に対し、入社時に必ずキャリアアップカードの申請を実施しています。

また、協力会社のキャリアアップ申請も代行し、どんな現場でもスムーズに入場できる体制を整備。

大手ゼネコンとの取引実績もあり、キャリアアップカードのレベルが評価の条件となる現場にも対応しています。

「業界を代表する現場でいずれ活躍したい」
「キャリアアップカードの取得が活かせる現場で働きたい」

そんな方は、ぜひ、私たちと一緒に技能者としての経験を積み上げていきませんか?

また、エルラインには、技能者一人ひとりの成長を真剣にサポートできる、次のような強みがあります。

【安心の教育体制】
入社後すぐに新入社員研修(座学+実地)を実施し、気を知識・安全管理・現場マナーを丁寧に指導します。基礎をしっかり身に着けてから、現場デビューできる仕組みです。

【先輩のフォロー+オンライン学習】
現場では必ず先輩が付き添い、基礎から順を追って指導しますので、いきなり一人に任せることはありません。
全社員が利用できるオンライン学習コンテンツ「エルラインアカデミー」を完備しており、自分のペースで知識を深め、現場に活かせます。

【必要な資格の取得費用を全額負担+公正な評価制度】
仕事に必要な資格取得費用は、会社が全額負担しますので、安心してスキルアップに挑戦できます。

年2回の人事考課では、日々の頑張りと成長を正当に評価し、賞与や昇給に反映されます。
モチベーションアップにつながるでしょう。

【働きやすい環境と相談体制】
エルラインには、若手からベテランまで幅広い世代が移籍しており、ブランクがあってもすぐになじめる風通しの良い職場です。
社内外に相談窓口(ホットライン)を設置していますので、困ったことがあれば一人で抱え込まずに、相談可能です。

エルラインは、「職人の頑張りを正しく評価し、本気でキャリアアップを支援する」という土台を大切にしています。建設業界で長く安定して働きたい方はぜひ、株式会社エルラインの募集要項をご覧ください。

5. まとめ

この記事では、キャリアアップカードについて解説しました。
最後に、記事の内容を振り返りましょう。

キャリアアップカードとは、「建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者カード」のことで、下記のような情報が登録されます。

【登録される主な情報】
・本人情報(氏名、住所、電話番号など)
・職種や経験、学歴
・保有資格
・技能講習の受講歴
・社会保険加入状況

現場に設置されたカードリーダーにカードをかざすことで、就業履歴を蓄積します。

「詳細型」の場合は、収集したデータから、技能者の経験や能力が評価され、レベル1~4の区分でレベルアップする仕組みです。

つまり、キャリアアップカード(詳細型)があれば、資格情報や、就業日数・経験した現場の情報まで一元化管理できる上、能力評価を受けることで「自分のキャリアやスキルの証明書」として活用できるのです。

キャリアアップカードは、技能者情報だけでなく、事業者(会社)情報と関連付けが必要なので、発行のタイミングは入社後が一般的です。

とはいえ、入社前に事前取得を求められる場合もあります。担当者に「カードは必要かどうか」あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

申請手続きには手間がかかりますが、これから建築業界で働くなら、キャリアアップカードは必須です。

現時点でCCUS登録事業者である職場のほうが、将来的な義務化の際、焦らずに済むメリットもありますので、会社選びの判断基準として、ぜひ押さえておいてください。

この記事を書いた人

水野源太
株式会社エルライン 社長室 1級電気工事施工管理技士

新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての実務経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向し、教育に携わる。2024年4月にエルライングループにジョインし、教育や採用、広報・デジタルマーケティング・新規事業開発などに従事。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次