「資材管理を見直す上で、どんな管理方法があるのか知りたい」
過剰在庫のもてあましによる黒字倒産、資材の高騰による業界全体に高まる危機感など。これらの不景気な話題を聞くにつれ、自社は大丈夫だろうかと不安が募っているのではないでしょうか。
資材管理の方法を見直す必要性を感じていても、どのような方法で、具体的にどう進めるのが良いのかわからないですよね。
結論からいうと、資材管理の方法は大きく分けて以下の3つになります。
資材管理の3つの方法 |
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それぞれ、おすすめの企業は以下の通りです。
資材管理方法 | おすすめの企業の特徴 |
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紙での管理 | ・管理する資材が少なく、ある程度決まっている ・パソコンやデジタルツールが苦手 |
エクセルやスプレッドシートでの管理 | ・すでにエクセルやスプレッドシートを使っていて、ある程度使いこなせる ・紙ではなくデータで管理したい |
専用システムでの管理 | ・管理すべき資材が大量にある ・資材管理の業務負担を軽減して生産性を向上させたい ・紙やエクセルによる管理でうっかりミスが多い ・資材に関わる人や部署が多い ・業務のデジタル化を進めている |
将来的に会社規模を拡大していくのなら専用システムの導入がおすすめですが、重要なのは、自社の状況に合った資材の管理方法を選ぶということです。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるためです。
また、3つのうちどの方法を用いても、効率的に資材管理をする流れは変わりません。
本記事では、資材管理を効率良く進めるために知っておくべき、以下の点について解説していきます。
この記事で分かること |
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◎資材管理をする3つの方法 ◎資材管理を進める主な流れ ◎資材管理を紙とエクセルで行う限界 |
本記事を最後まで読むことで、自社はどの管理方法で資材管理を行うのがいいのか判断できるようになるでしょう。
適切に資材管理を進めるためにも、ぜひ最後までご参考にしてください。
1. 資材管理する3つの方法
早速、資材管理を行う主な方法について見ていきましょう。主に使われている管理方法は、以下の3つです。
- 紙による管理
- エクセル・スプレッドシートによる管理
- 専用システムによる管理
それぞれメリットがあり、自社の状況や目的に応じた管理方法を選びましょう。
ただ、紙やエクセルでの管理には限界があります。現時点で紙やエクセルによる管理でうまく立ち行かなくなっている場合は、3章の「紙やエクセルだけの資材管理では限界がある」から読み進めてみてください。
1-1. 資材管理をする方法1|紙による管理
まずはじめに、紙による管理方法です。ノートやコピー用紙を使い、必要な項目を記入していくだけであるため、導入コストがほとんどかからず、誰でもすぐに導入できる点が大きなメリットといえます。
以下は、紙で管理する場合のメリット・デメリットです。
紙で管理する場合のメリット・デメリット | |
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メリット | デメリット |
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紙による管理表は、準備が手軽な反面、運用では帳簿上の在庫数と実際の在庫の数が合わない、必要なときに在庫が足りないなどの事態が起きやすいといえます。
また、データが蓄積されないため、資材計画と実際の使用率などを計算し、今後の計画に活かす、と言った点がしづらいという点がデメリットとしてあげられます。
では、そんな紙による管理がおすすめの状況・企業の特徴は以下の通りです。
紙での資材管理がおすすめな企業の特徴
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管理する資材が少なく、ある程度決まっている パソコンやデジタルツールが苦手 |
管理すべき資材が少なかったり、企業規模自体が小さかったりする場合は、紙による管理表で十分だといえます。パソコンでの業務に慣れていない場合、いきなりエクセルやスプレッドシートなどでの管理も、思わぬミスを招いたり業務効率の低下を招く恐れがあります。
とはいえ、今後規模を拡大し、取り扱う資材が増えていく可能性があるという場合は、次に紹介するエクセルや専用システムの利用も視野に入れ、徐々にデジタルツールに慣れておく必要があるでしょう。
1-2. 資材管理をする方法2|エクセル・スプレッドシートによる管理
2つ目の方法は、エクセルやスプレッドシートを用いる方法です。エクセル、スプレッドシートどちらも表計算ソフトになるため、在庫の計算や資材計画を立てる際のコストシミュレーションが容易にできるといった特徴があります。
一から自分でフォーマットを作成することも可能ですが、すでにインターネットには様々な業界のテンプレート(ひな形)があるため、そちらを活用すると手軽に管理表の作成ができるでしょう。
エクセル・スプレッドシートで資材管理をするメリット・デメリットは以下の通りです。
エクセル・スプレッドシートで資材管理を行うメリット・デメリット | |
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メリット | デメリット |
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エクセルによる資材管理は、エクセルをどれだけ使いこなせるかによって便利さが異なるといえます。エクセルに精通している社員がいれば、細かな調整を重ねることで、プロジェクトごとの管理や在庫の連携など、より使い勝手の良い管理表にすることも可能です。
一方、エクセルを使いこなすには一定の知識が必要です。誰でもすぐにできることではないため、たとえ便利な管理表が作れても、作った社員が退職すれば管理表を使いこなせなくなる恐れがある点に注意が必要です。
では、そんなエクセル・スプレッドシートによる資材管理がおすすめな状況・企業も見ていきましょう。
エクセル・スプレッドシートでの資材管理がおすすめな企業の特徴 |
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すでにエクセルを使っていて、ある程度使いこなせる 紙ではなくデータで管理したい |
既にエクセルやスプレッドシートを業務で使っており、ある程度使いこなせる自信があるのなら、まずはエクセルで管理をするというのもひとつの手です。やはり、かかる費用を抑えられることも大きなメリットになるため、成長途中の企業などにおすすめです。
また、手書きの入力ではないため、誰が管理をしても「読めない」というリスクを避けられる点も魅力の一つでしょう。
エクセルの在庫管理表を、インターネット上にあるクラウドに保存すれば、特定のパソコン以外からも閲覧が可能になり、紙の管理方法と比べると、できることが格段に増えることがお分かりいただけるかと思います。
資材管理でエクセルを活用する場合に知っておくべき注意点
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エクセルのデータをクラウドに保存する場合、閲覧・編集時のルールを事前に決めておきましょう。なぜなら、クラウドに保存した管理表を編集しようとした場合、一度自分のパソコンに管理表のデータをダウンロードする必要があるからです。 ダウンロードを行うと、クラウドに残っているデータとダウンロードしたデータの2つが同時に存在することになります。そして、ダウンロードを繰り返せば、繰り返した分だけ管理表が増えていくことになります。 また、ダウンロードした管理表を編集した後は、きちんとクラウドに戻さないと、個人のパソコンの中にだけ最新版の管理表のデータが残ることになってしまい、どの管理表が最新のものなのか分からなくなってしまいます。 このような事態を起こさないためには、 ・管理表の編集が行える人数を絞る ・管理表を更新したら件名をver1→ver2に変える など、徹底したルール決めが必要になるのです。 ほかにも、エクセルの同時編集を行うには「マイクロソフト365」という、インターネット上で操作をするエクセルもあります。こちらの製品は確かに同時編集ができますが、同時に編集している人の中で、一部のエクセルが動かせなくなる。データが消えてしまうなどバグが多いことが報告されているため、正確な数の管理が重要な資材管理業務で利用するのは控えておきましょう。 |
1-3. 資材管理をする方法3|専用システムによる管理
資材管理ができる専用ソフトとは、文字通り資材管理や在庫管理を行うために特化したシステムやソフトを指します。
システムには、すでに必要な項目や機能が最初から備えられているため、最適な資材管理を叶えつつ、事務作業の負担を抑えてくれます。
資材管理システムでは、一般的に以下のことができます。
【資材管理システムでできること】
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上記は主に資材管理システムでできることをあげましたが、多くの在庫管理システムでも同様の機能を使うことが可能です。2024年11月時点では、業界に特化した資材管理システムは少ないため、業界特化の在庫管理システムを活用するのもよいでしょう。
受発注システムや施工管理システムなど他のツールと連携して、業界特化の資材管理システムを構築するのも一つの手です。
早速、専用システムで資材管理を行うメリット・デメリットを見てみましょう。
専用システムで資材管理を行うメリット・デメリット | |
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メリット | デメリット |
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基本的に専用システムのメリットは、資材管理にかかる手間や負担を大きく軽減できることです。結果的に、資材管理以外の業務に集中できるため、より生産的な業務を進められるようになるでしょう。
一方、新しいシステムを導入する以上、費用やシステムに慣れるまでの教育が必要なことは避けられません。
専用システムの導入がおすすめな企業の特徴は以下の通りです。
専用システムの導入がおすすめな企業の特徴 |
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管理すべき資材が大量にある 資材管理の業務負担を軽減して生産性を向上させたい 紙・エクセルによる管理でうっかりミスが多い 資材に関わる人・部署が多い 業務のデジタル化を進めている |
基本的に管理すべき資材の数や種類が多い、複数のプロジェクトが進行している、資材に関わる人が多い場合は、専用の資材管理システムを導入すべきといえます。
専用システムであれば、社内のパソコンはもちろん、現場に出たままタブレットなどでも資材の確認ができます。資材にQRコードやJANコードなどをつけて、専用端末で読み取るだけでシステムが自動でデータと照合してくれるため、棚卸作業も手作業で数えていた時と比べると、飛躍的にラクになるでしょう。
2. 資材管理を進める主な流れ
資材管理を行う方法は、主に3つあると紹介しました。しかし、上記までで紹介してきた資材管理の方法とは、すでに判明している在庫や納品数の数を管理する方法です。
資材管理自体を、どのように進めるかについては、まだ分からないままですよね。ここでは、資材管理を効率的に進めるための流れについて見ていきましょう。
2-1. 資材計画を立てる
最初に行うことは、いつ、どれだけの資材が必要になるのかを明確にするための資材計画を立てることです。施工計画書を練るタイミングで、必要な資材の発注時期、数量、納期を設定しましょう。
建設業の場合、現場での資材の一部が破損したり思わぬ資材のロスが発生する恐れや、天候や地形の影響による計画のズレなどにより、資材が足らなくなるケースも往々にしてあるため、必要な量に対して5~10%ほど余分に発注しておくと良いでしょう。
建設業でいえば、案件によって必要となる資材は異なりますよね。木造家屋を立てるのであれば、メインとなる資材は文字通り木材です。また、鉄骨造りであれば、鉄骨やワイヤーなどの資材がメインになるでしょう。
これらの資材を、工事の計画に沿って必要なときに、必要な資材を現場に回せるよう、最初に計画を立てるのです。
チェック!資材計画を立てる際には、副資材のことも考慮に入れよう |
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資材管理を適切に行うには、主資材だけではなく副資材のことも最初の段階から考慮に入れましょう。なぜなら、主資材と同じように副資材が不足した場合も、工事を止める原因になるからです。 また、適切に管理を行わなければ、過剰在庫を抱えたり、副資材を探すために時間をかけたりすることになります。 資材管理と聞けば、主資材さえ適切に発注・管理すれば良いと考えがちです。しかし、副資材の発注・管理を怠ることでも、機会損失や現場の負担を増大させることに変わりはありません。つい忘れがちな、副資材の管理が大切なこともしっかりと抑えておきましょう。 |
2-2. 資材の調達・発注をする
資材計画を立てた後は、計画に沿って実際に資材の調達・発注を行います。特に問題がない場合は、いつも通り発注書の作成・送付の後は納品を待つだけです。
ただ、昨今の資材高騰の問題もあるため、日ごろから適切な価格・品質の資材を選べるよう、準備をしておきましょう。理想とする資材の調達先は以下のような例が挙げられます。
- より安価・品質の高い資材を扱っている
- セールなどではなく、安定的な価格で取り扱われている
- 輸送費のことも考慮し、遠すぎない発注先である
上記の理想ですが、先述したように現在の発注先に問題がない場合は、ただ調べるだけで実際に発注先を変更するケースは少ないはずです。
しかし、問題となるのは、発注先から値上げを打診されたときです。まずは、少しでも値上げ率を抑えられるよう交渉することになりますが、交渉が決裂したときのことも考えねばなりません。
自社の安定的な生産活動を支えるためにも、日ごろから少しでもコストを抑えられる資材・発注先を探しておくことが大切なのです。万が一の場合に、他の選択肢を選べるように準備をしておきましょう。
チェック!資材計画を立てる際に知っておくべきポイント |
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なお、調達する資材は、できるだけ発注先や規格を統一することも大切です。統一化をすることで、資材計画を立てる際の煩雑さを抑えられます。資材計画を立てやすくなれば、少し練習をするだけで誰でも資材計画を立てられるようになるため、業務の属人化を防げます。 また、発注先や規格を統一できれば、資材の大量発注ができるようになる点も魅力的です。発注ごとのロットが少なすぎると、資材あたりの単価が高額になるため利益率が下がります。これでは、安価な発注先を見つけてもあまり意味がありません。 資材のコストを下げることは重要ですし、できるだけの準備をしておくべきです。しかし、目先のコストだけに意識を取られないよう注意しましょう。 |
2-3. 資材の在庫管理を行う
発注した資材が納品された後は、資材の在庫管理を行います。資材管理の中でも在庫管理は非常に重要なポイントを占めています。
なぜなら、納品・出庫の数が適正に管理されていなければ、現場に回すための在庫が欠品することも考えられるためです。では実際の在庫管理は、どのようなステップで行うのかを見てみましょう。
- 現在の在庫状況を確認する
- ロケーション管理の体制を整える
- 過去の納品・出庫・在庫数を分析して、最適な在庫数を見極める
- 発注のルールを決める
- 1~4を繰り返し最適化する
在庫管理の中で最も大切なポイントは、適切な在庫数を見極め適切な在庫数を保つことです。
最適な在庫数を見極めることで、過剰な在庫で不必要な費用がかかることがなくなります。また、必要な資材の欠品が起こりにくくなるため、生産活動も安心して行えるようになるでしょう。
在庫管理における”ロケーション”について |
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ロケーション管理とは、在庫の置き場所をあらかじめ決めておくことです。どこにどの資材を置くのかをあらかじめ決めておくことで、事務的な管理のしやすさと必要な資材の持ち出しやすさを両立させられます。 置き場所の例としては、頻繁に使う資材は取り出しやすい場所へ。同じ用途で使う資材は近い場所に置くなど。常に同じ場所に同じ資材がある状態を作り出すことで、在庫数の把握も簡便になります。 より在庫の管理をしやすくなるよう、それぞれの場所に番号やコード(ロケーション)を割り振っておきましょう。 |
なお、在庫管理については「KW:在庫管理 資材」の記事にて詳しく解説しています。ロケーション管理を行う方法など、ステップごとの内容まで詳しく触れているため、ご興味がある方はぜひ確認してください。
2-4.【該当する場合】不要な資材の売却を行う
中古でも取引ができる資材の場合、不要な資材を売却できる可能性があります。不要な資材を売却することで、過剰な在庫を抱えることなく、現金を手に入れることができるのです。
例えば、建設業界などで使われる、足場資材などが例に挙げられるでしょう。弊社エルラインのサービスであれば、以下2つのサービスで資材の売却が可能です。
買取は売りたい資材の写真を撮って送るだけ【足場JAPAN】
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足場JAPANは、足場・仮設資材の買取・販売総合サイトです。不要な資材の買取は、資材の写真をサイトに送信するだけで、買取額の査定を行います。全メーカーに対応していることはもちろん、汚れやサビている足場材でも査定が可能です。 買い取ってもらう資材は、自社から足場JAPANへ持ち込む方法と、足場JAPANに出張買取を行ってもらう方法の2通りがあります。自社から資材を持っていけない場合でも、出張買取を選択すれば問題なく資材の売却が可能になるでしょう。 |
足場JAPANは専門業者との取引になるため、より大量の足場材を売買したい場合におすすめだといえます。
個人でも利用可能!足場材をフリマで【LLINK】
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LLINK(リンク)は、足場材の売買に特化したフリマアプリです。建設業界では珍しく、足場材も個人間で売買することが可能です。フリマアプリならではの利点として、売る人と買う人の間に仲介業者が存在しません。そのため、相場より安く手軽に足場材を売ったり買ったりできるのです。 ただ、足場材を売りたい場合、資材の輸送をどうすれば良いのか不安に感じますよね。LLINKでは、売る場合の配送手配はプロが代行してくれます。そのため、より気軽に不要な資材の売却を実現できるはずです。 |
LLINKは、上記でも触れたように、個人間で売買できるアプリです。海外輸送などにも対応していますが、どちらかといえば不要な資材を即現金化したい、より高く売却したい場合などにおすすめです。
なお、どちらの売却方法にしても、一度資材を売却すれば当然在庫は消えてしまうため、実際に売りに出す前に、本当に売却しても良い資材なのかしっかり確認しましょう。
3. 紙やエクセルだけの資材管理では限界がある
資材の管理方法には、紙・エクセル・専用システムの3つの方法があると紹介しました。紙やエクセルによる管理は、コストを抑えられ、すぐに活用できるなどのメリットがあります。
しかし、どの業界でもデジタル化が叫ばれる現代では、資材管理も専用のシステムを導入することがおすすめです。なぜなら、紙やエクセルでは、膨大な量になる資材の管理を適切に行うことが難しいからです。
特に、主資材だけではなく、副資材の管理もしようと考えれば、紙やエクセルでは手が足りなくなることが目に見えています。主資材・副資材をまとめて管理しようとすれば、納品・出庫の数を記入していくだけで膨大な時間がかかります。
そもそも建設業・専門工事業者においては、職人の高齢化による人手不足が深刻化しています。そのような状況で、生産に直結しない在庫管理に人手を割くことは難しいはずです。だからこそ、資材管理の中でも、在庫管理の自動化を叶えられる専用システムの利用がおすすめになるのです。
実際に、在庫管理システムを用いることで、
・正確な在庫数の把握や時間の短縮ができた
・現場が複数あり
という声も上がっています。
システム導入には費用がかかりますが、長期的な目で見ればいつかは取り返せる費用です。自社に合ったシステムを選び、業務の効率化を目指しましょう。
※参考:厚生労働省|業務改善助成金 助成事例
4. 自社に合った資材管理システムを選ぶポイント
紙やエクセルで頑張って資材管理をするよりも、資材管理システムの利用がおすすめだと紹介しました。
では、複数ある資材管理システムの中でも、自社に合ったシステムはどのように選べば良いのでしょうか?選び方の基準としては、以下のようなものが挙げられます。
- システムの使いやすさ
- 価格・料金プランが自社に合っているか
- 自社の業務に対応できるか
- サポート体制が整っているか
導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、システムを選ぶ際のポイントを確認していきましょう。
4-1. システムの使いやすさ
初めに意識すべき点は、システムの使いやすさだといえます。なぜなら、専門知識が必要になるような難解なシステムでは、使いこなすまでに時間がかかってしまうからです。
専用システムを導入する目的は、資材管理に割く時間を抑えることのはずですよね。しかし、難解なシステムを導入してしまえば、システムを使うための勉強に時間がかかってしまいます。
場合によっては、使わない機能が大半になることも考えられるでしょう。これでは、業務の時短を叶えることも、コストを抑えることも叶わないままです。
また、使いやすさを追求する点には、属人化を防ぐという理由もあります。機能面にこだわりたい気持ちも分かりますが、現場の人目線で見て使いやすいかをしっかり確認しましょう。
4-2. 価格・料金プランが自社に合っているか
システムを導入する際にかかる、価格や料金プランが自社の規模に合っているかも重要です。
資材管理は日常的に行う業務であるため、長期的な運用が前提になります。しかし、価格や料金プランが見合っていなければ、長期的な運用が難しくなるでしょう。
また、資材管理システムの導入効果は、比較的短時間で実感できるはずです。一度便利なシステムを味わった後に、価格が高いからと従来の紙・エクセルによる管理に戻してしまえば、現場にとっては負担が増えるだけの結果になります。
一度、楽な状態を知った後になるため、失望感はより大きくなってしまうでしょう。結果的に社員のやる気を奪い、退職を決意させるきっかけにもなりかねません。
資材管理システムを選ぶ際には、長期的に使える価格帯であるかもチェックしましょう。
4-3. 自社の業務に対応できるか
導入を検討している資材管理システムが、真実、自社の業務に対応できるかもしっかり確認しましょう。
なぜなら、自社の業務に対応していないシステムを導入しても、結局のところ使いこなせないからです。何度も触れてきたように、資材の種類は業種や業界によって異なります。
そのため、資材の発注数に大きな差があったり、在庫を管理する場所が複数個所あったりすることもあります。文字の上で見ればちょっとした違いでしかありませんが、現場にとっては大きな違いです。
例えば、資材を保管しているヤードが複数あるのに、1つのヤードしか対応できないようでは使い勝手が良いとはいえません。自社が管理したい資材の種類や、現場の声を聞きつつ、自社の業務に対応できるシステムかを判断しましょう。
4-4. サポート体制が整っているか
新しくシステムを導入する際には、サポート体制が整っているかの確認も大切です。
なぜなら、システムの操作や運用において分からないことが出てきた際、サポート体制が充実していれば、すぐに問題を解決できるからです。サポートの種類や、サポート内容については、主に以下のようなものが挙げられます。
システムに関するサポートの種類 | ||
---|---|---|
サポートの種類 | サポートの内容 | サポートをする方法 |
導入サポート | システム導入時のセッティングや初期に必要な機能の設定、使い方の支援など | ・出張サポート |
運用サポート | システムに問題が起きたときの支援、または、より便利な使い方の指南など | ・出張サポート ・電話 ・メール ・チャット |
新規システム導入サポート | 新しいシステムを導入したいときなどに相談に乗ってくれる | ・出張サポート ・サービス側に足を運ぶケースもあり |
もちろん、システムをしっかり理解するには、取扱説明書を読み込み、自身で問題を解決できるようになれることが理想です。
しかし、専用システムを導入する理由は業務効率を上げたり、コストを下げたりするためのはずです。システムへの理解を深めることが第一の目的ではありません。
また、サポート体制が充実していれば、よりシステムの便利な使い方を知るきっかけになることもあります。特に初めてこのようなシステムの導入を検討している企業こそ、サポート体制が充実しているシステムを選ぶことをおすすめします。
\資材・在庫管理システムを検討している方はエルラインへ/ |
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資材・在庫管理を専用システムで行いたいとお考えの方は、ぜひエルラインへご相談ください。エルラインは現場主義を掲げ、建設業界における現場のデジタル化を後押ししています。現場主義だからこそ、実際に働く人目線での働きかけを可能にしました。 在庫管理システムである「LPRE(エルプレ)」は資材の数量を、いつでもどこにいても簡単に把握できます。そのため、現場の人が必要数を確認できることはもちろん、資材管理を出先で行うことも可能です。 他にも「足場材・仮設資材専門フリマアプリ」など、建設業界に特化したアプリの提供を行っています。資材管理はもちろん、自社のデジタル化・システム化を進めたいと考えているのであれば、ぜひお気軽にご相談ください。 エルラインへの「お問合せ」はこちらから。 |
5. まとめ
本記事では、資材管理をする方法について解説してきました。基本的な管理方法は以下の3つになります。
- 紙ベースの管理表を用いる方法
- エクセルやスプレッドシートによる管理方法
- 資材・在庫管理専用システムを用いる方法
それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますが、より効率の良い資材管理を行いたいのであればおすすめは専用システムによる管理です。
システムを用いれば、うっかりミスを失くせるだけではなく、適切な在庫管理で不要なコストを抑えることも可能です。またデジタル化を進めることになるため、現場で求められている働き方改革にもつながります。
資材管理のシステムを導入して、業務効率の向上を目指してみましょう。
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