資材管理システムとは?代表的な5つの機能をわかりやすく解説

「資材管理システムに興味があるけれど、実際どんなものなの?」
「資材管理を効率化したいが、専用システムは自社に本当に必要なのか?」

建設業では、扱う資材の数が膨大かつプロジェクトごとに異なっていたり、担当者がそれぞれ紙やエクセルで管理していたりと、会社全体で資材管理ができていないケースも多いでしょう。

そのため、蓋を開けてみたら過剰在庫、誤発注、足りていると思っていたら在庫がなかった…などのトラブルが多く発生しています。

資材管理システムとは、そうした資材管理にまつわるトラブルを解消する、効率的な資材の調達・保管・供給を支援するデジタルツールのことです。

資材管理システムには以下のような機能が備わっています。

資材管理システムとは、そうした資材管理にまつわるトラブルを解消する、効率的な資材の調達・保管・供給を支援するデジタルツールのことです。

資材管理システムと検索すると、検索結果に「在庫管理システム」がたくさん出てくるかと思いますが、これは、在庫管理が資材管理の一工程であり、在庫管理システムの中にも資材管理に必要な機能が備わっているサービスがあるためです。

本記事では、資材管理システムの基本を実際に弊社エルラインの在庫管理システム「LPRE」の画面も用いて、イメージしやすく解説してゆきます。

この記事で分かること
◎資材管理システムとは何か
◎資材管理システムの代表的な機能
◎資材管理システムと在庫管理システムの違い
◎資材管理システムを導入するメリット・デメリット
◎資材管理システムを導入すべき企業の特徴

この記事を最後までお読みいただければ、資材管理システムとはどんなものなのかイメージが湧き、自社にとって必要かどうか判断できるようになるでしょう。

資材管理システムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 資材管理システムとは効率的な資材の調達・保管・供給を支援するデジタルツールのこと

資材管理システムとは効率的な資材の調達・保管・供給を支援するデジタルツールのこと

資材管理システムとは、資材管理における計画・購買・保管・消費などの一連の業務を一元管理し、効率的な資材管理を支援するためのデジタルツールのことを指します。

資材管理システムを導入することで、資材管理を行う以下2つの目的を、より効率的かつ精度高く実行することが可能になります。

資材管理を行う2つの目的
  • 適切な資材の調達による財務面の最適化
  • 適切な資材の在庫管理によるサービス品質の向上

建設業では

  • 受注後に工事内容が変更になることがある
  • プロジェクトが途中で頓挫してしまうことがある
  • 基本的に工事案件によって扱う資材がバラバラ

などの特性があるため、そもそも適切な資材の量を導き出したり、維持するのが難しい傾向があります。

さらに、従来の紙やエクセル管理によるヒューマンエラーなども加わり、過剰在庫や在庫の欠品によるトラブルが起きやすいという点も、建設業の課題の一つでした。

このような建設業特有の課題は、システムの活用によって毎月のデータをデジタル上で蓄積・管理していくことで解決できます。

・適切な資材管理は無駄なコストの発生を防ぎ、資材調達による財務面の最適化を実現できます。

・施工までにきちんと質の良い資材を用意することで、工期を守り、質の高いサービスを提供することができます。

資材管理システムの活用によって資材の発注から消費までを一元管理することで、劇的に業務改善できるのです。

2. 資材管理システムの代表的な5つの機能

資材管理システムの代表的な5つの機能

資材管理システムで利用できる一般的な機能は、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 購入・発注に関する機能
  • 各種承認・権限管理機能
  • 納品・出庫管理機能
  • 在庫一覧・管理機能
  • 棚卸機能

ここでは、資材・在庫管理システムにおける代表的な機能について、それぞれ解説します。

2-1. 購入・発注に関する機能

購買・発注に関する機能として、一般的に搭載されているものが、在庫数が一定の数を下回ったら警告サインを出して知らせてくれる機能です。「うっかり発注を忘れていた!」という事態を防げるため、在庫切れの心配を減らすことができます。

現場ごとで、どのような資材がどれだけ必要なのかを、一目で確認できるツールもあります。万が一、警告サインを見過ごしたとしても、在庫切れの心配を低減できるはずです。

また、購買・発注をシステムで続けることで、在庫状況を分析することも可能です。データを積み上げていけば、どの時期にどの資材がどれだけ必要かの傾向が分かるようになりますよね。

資材計画を立てる負担を軽減できるため、業務効率を大幅に底上げすることが叶うでしょう。

2-2. 各種承認・権限管理機能

システムを利用する人を制限、管理するための機能です。資材管理は業務の効率を上げることはもちろん、資材を適切に管理するためのシステムです。

誰でも簡単に購買数・在庫数を変更できるようでは管理の意味がありません。そのため、システムの情報を閲覧できない人、閲覧できる人、編集できる人など、それぞれに権限を決められる機能が付いています。

弊社が扱う在庫管理システム「LPRE」であれば、下記画像で示されているように、カテゴリやページごとに3つの権限設定が可能です。

弊社が扱う在庫管理システム「LPRE」であれば、下記画像で示されているように、カテゴリやページごとに3つの権限設定が可能です。

例えば、担当者Aは見積ページの操作をできるようにしているが、在庫の加工は閲覧だけにとどめる。部門長以外の人は取引先マスタを参照までしかできないようにするなど。

権限自体はシンプルな3種類ですが、カテゴリ・ページごとに細かく分けられるため、柔軟な設定が可能になっています。

2-3. 納品・出庫管理機能

納品・出庫管理機能

発注した資材が実際に納品されたとき、または現場に運ぶために出庫されたときのデータを管理する機能です。

納品時に資材の検品も行うため、万が一不良品などがあった場合の対応などもサポートしてくれます。検品時はハンディターミナルなど、専用の端末を用いるため、人が目視で行うより確実な検品作業が行えます

納品・出庫の数も自動でシステムに送られるため、手入力による数字の間違いや記入欄がずれるなどのうっかりミスも抑えることができます

2-4. 在庫一覧・管理機能

文字通り、在庫の一覧を確認できる機能です。資材ごと、または保管場所ごとに保管されている在庫について、何がどれだけあるのかを一画面で確認できます。

システムならではの便利な点として、確認したい資材を素早くピンポイントで確認できる点が挙げられるでしょう。

システムならではの便利な点として、確認したい資材を素早くピンポイントで確認できる点が挙げられるでしょう。

紙で管理をしていると、目的の資材のページを開くまでに時間がかかりますよね。普段、あまり利用しない資材であれば、どのページに書かれているのか見つけるだけでも手間に思えるものです。

しかし、資材管理システムであれば、確認したい資材の名前や商品コードを入力するだけで、すぐに情報を見つけられるのです。また、正式な資材名や商品コードが分からない場合は、資材の種類や納品された日付などでも検索できます。

曖昧な情報で検索しても、関連する資材を一覧で表示してくれるため、すぐに見つけられるようになるでしょう。

資材管理システムであれば、確認したい資材の名前や商品コードを入力するだけで、すぐに情報を見つけられるのです。また、正式な資材名や商品コードが分からない場合は、資材の種類や納品された日付などでも検索できます。

ホーム画面から、現場ごとの資材や機材の利用状況も確認することが可能です。

2-5. 棚卸機能

倉庫やヤードにある在庫のバーコードを読み込むだけで、簡単に棚卸ができる機能です。従来の棚卸では、帳票と実際の在庫数が合わなかった場合、在庫数を数えなおすだけではなく、帳票の計算ミスなども考える必要がありました。

さんざん在庫数を数えなおしたのに、よく見ると、計算間違いのせいで帳票に記載されている数そのものが正しくなかった。と、このような経験をしたことがある方も少なくないでしょう。

しかし、資材管理システムを用いれば、データの計算ミスを念頭に入れる必要がありません。純粋に在庫のみを正しく数えれば良いだけなので、棚卸で問題が起きた場合もいち早く問題解決が期待できるのです。

他にも、バーコードを読み込むだけで、自動的にデータ上の在庫数と照らし合わせる機能も存在ます。納品時や現場へ配送する際にデータを読み込むことで、システム上の数字にも反映される機能です。

他にも、バーコードを読み込むだけで、自動的にデータ上の在庫数と照らし合わせる機能も存在します。納品時や現場へ配送する際にデータを読み込むことで、システム上の数字にも反映される機能です。

主に、在庫の状況把握で使われる機能ですが、この機能は棚卸も便利にしてくれます。使い方は同じく、バーコードを読み込むだけで、どこにどの資材が何個あるのかを確認できるようになるでしょう。

なお、小売業ではすでに一般的に普及しているJANコードですが、建設業界ではまだあまり普及していません。

そのため、棚卸機能は資材そのものにバーコードやQRコードが印刷されたシールを都度張り付けるといった、事前準備が必要になる可能性がある点に注意が必要です。

最初に一気に作業してしまえば、その後の検品作業や棚卸し作業が劇的に楽になるため、ぜひ読み取り機能は活用してください。

3. 資材管理と在庫管理の違い|在庫管理は資材管理の一工程

資材管理と在庫管理の違い|在庫管理は資材管理の一工程

資材管理システムの機能を確認する中で、資材管理ではなく「在庫管理」という言葉が出てきました。資材管理をインターネットで検索すると、在庫管理の記事がたくさん出てくるため、両者の違いがいまいち理解できない方も多いでしょう。

結論からいえば、両者の違いは在庫管理が資材管理の一工程を指している点です。

結論からいえば、両者の違いは在庫管理が資材管理の一工程を指している点です。

資材管理は資材の発注計画を立案したり、実際に発注を行ったりするなど様々な業務を通して、生産活動をサポートする業務です。この業務の中で、資材の在庫管理も行っているというわけですね。

なお、最近の在庫管理システムには、発注機能や配送機能がついているものもあったりと、機能の幅が広いものが出ています。資材・在庫の違いで判断するより、システムの中身をしっかりチェックして、自社に必要な機能があるかで判断しましょう。

なお、資材管理そのものについては「KW:資材管理」にて、業務内容からメリット・リスクまで詳しく解説しています。ご興味を持たれましたら、ぜひこちらも確認してみてください。

4. 資材管理システムを導入する4つのメリット

資材管理システムを導入する4つのメリット

資材管理システムに搭載された機能を見ると、非常に便利なツールのように感じますよね。では、実際のところ、資材管理システムを導入するとどのようなメリットが期待できるのでしょうか。

  • 資材管理に関わる時間の短縮
  • 資材周りのキャッシュフローを改善
  • ミスの予防による生産性の向上
  • システムによる在庫データの分析が可能になる

ここでは、上記4つのメリットについて解説します。

4-1. 資材管理に関わる時間の短縮

資材管理システムの導入によって、資材管理そのものを行う時間の短縮が期待できます。今まで行ってきた業務の一部をシステムが肩代わりしてくれるため資材管理以外のメイン業務に注力できるようになるのです。

例えば、納品・出庫があった際に、従来であればそれぞれの数字を管理表に書き込む必要がありました。資材の種類が多ければ、記入の時間だけで1~2時間程度はかかってもおかしくありません。

しかし、資材管理システムを用いれば、納品・出庫の際に現場でバーコードを読み取れば、それだけでシステム側にも反映されます。また、棚卸の際にも、従来であれば在庫数を数える人と、管理表の数字を照らし合わせるため2人以上の人数が必要でした。

こちらも、資材管理システムを導入していれば、バーコードの読み取りだけで完結できるため人数をそろえる必要がありません。様々な場面で、資材管理の業務時間を短縮できるのです。

4-2. 資材周りのキャッシュフローを改善

資材管理システムを用いれば、適切な資材・在庫管理が可能になります。そのため、過剰な在庫を抱え込まないため、キャッシュフローの改善も期待できるのです。

キャッシュフローとは
キャッシュフローとは企業における現金が出入りする流れを指します。帳簿上で利益が出ていたとしても、現金がなければ次の資材を購入することができませんよね。このようなことが起きないように、現金が出入りする流れを正しく把握し、調整することで「キャッシュフローの改善」が期待できます。

過剰在庫を抱えないということは、それだけ無駄に資材を購入しなくて済むということ。在庫を抱えている状態では、在庫分を購入した資金を回収できないため、過剰在庫の数が増えるほど経営にも悪影響を及ぼします

しかし、資材管理システムで徹底した在庫の管理を行えば、過剰在庫事態が発生しないため、キャッシュフローの悪化を防げます。結果的にキャッシュフローの改善も期待できるのです。

4-3. ミスの予防による生産性の向上

資材管理システムで在庫の管理をしっかり行えることで、ミスの予防効果も期待できます。

資材の管理を正しく行えれば、資材がどこにあるのかが明瞭になるため、資材の間違いなどが起こりにくくなります。

間違えた資材を運んでしまえば、製品の製造ができませんよね。正しい資材を運んでくる必要もあるため、その間は製造が止まってしまうこともあります。

工場内であれば時間の無駄も少ないように感じますが、同じようなミスを繰り返せば、積もり積もった時間は膨大なものになりかねません。このような無駄を防げるため、より迅速に業務を進められるようになり、結果的に生産性の向上につながるのです。

4-4. システムによる在庫データの分析が可能になる

資材管理システムを長期にわたって利用していくと、在庫データの分析が可能になります。

蓄積された納品・出庫数のデータをもとに在庫分析を行うことで、時期ごとに必要とされる数を精度高く予測できるようになるなどして適切な管理ができるようになります。その結果、過剰在庫や在庫切れのリスクを下げることができるのです。

もちろん人の手によって発注数を決めることもできますが、適切な発注数を行えるようになるには経験が必要です。そのため、発注業務が属人的になる可能性もあります。

しかし、資材管理システムが発注業務を行えるようになれば、担当者が急に体調を崩したとしても、問題なく発注業務が可能です。データに基づいた発注は、余剰在庫や在庫切れを起こさないためにも、重要なポイントとなってくれるでしょう。

5. 資材管理システムの4つのデメリット

 資材管理システムの4つのデメリット

資材管理システムを導入することで、様々なメリットが享受できるとわかりました。しかし、どのようなシステムであっても、デメリットがないものはなかなか存在しません。

資材管理システムであれば、以下のようなデメリットが考えられるでしょう。

  • コストがかかる
  • 教育が必要
  • 新しいシステムへの反発
  • 運用方法を決めていないと現場が混乱する恐れがある

あとから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、資材管理システムのデメリットも把握しておきましょう。

5-1. コストがかかる

資材管理システムに限りませんが、新しいシステムを導入する際にはどうしてもコストがかかります

導入時のコストだけではなく、システムを運用するためのランニングコスト(維持費)もかかるため、導入の際は念頭に置いておきましょう。

なお、資材管理システムについては、サービスがまだ少ないため、費用の相場はあいまいな状態です。多くのサービスにおいて「費用については要問合せ」となっているため、まずは、気になるサービスを見つけた場合は企業に問い合わせてみましょう。

ひとつの例として、資材管理システムではなく「在庫管理システム」の相場を知っておくこともおすすめです。以下、現在主流とされる在庫管理システムの中でも、クラウド型(※)における簡単な費用感になります。

在庫管理システムの費用相場
導入(初期)費用0~約10万円
運用(月額)費用数千円~約5万円

とはいえ、上記を見ていただけるとわかるように、従来の人的コストや過剰在庫・在庫不足による損失を比べると、そこまで導入・運用コストは大きくないことがお分かりいただけるかと思います。

現在、資材管理で課題を感じている場合は、前むきにシステムの導入を検討しましょう。

5-2. 教育が必要

新しいシステムを導入する際には、社員への教育も必要です。
今まで紙やエクセルでの管理に慣れていた従業員であれば、新しいシステムの導入に戸惑ってしまう場合が多いでしょう。

システムの導入前に全体で使い方やルールの共有会や、勉強会などを開いて新しいツールに慣れてもらう工夫が必要です。

また、教育を行っているからといって、普段の業務を放置するわけにもいきません。従業員がシステムの使い方をある程度習得するまでは、一時的に社員への負担が大きくなることも把握しておきましょう。

5-3. 新しいシステムへの反発

紙ベースやエクセルにより資材管理を長年行ってきた場合、新しいシステムを導入することに社員から反発が出る可能性もあります。

いきなり会社の方針として資材管理システムの導入を進めてしまうと、現場は混乱してしまいます。

そのため、新しいシステムを導入することで、現場にどのようなメリットがあるのかをしっかりと説明する必要があります。

システムを導入した後、実際にシステムを利用するのは現場の社員です。上から押さえつけるように導入を決めれば、反発が起こるのも当然のことです。

事前に説明の時間をしっかりとる、なぜ反発しているのかを時間をかけて聞き出すなど、社員の気持ちに寄り添うことも大切です。

5-4. 運用方法を決めていないと現場が混乱する恐れがある

資材管理システムの導入に反発が起きなかったとしても、事前に運用方法やルールを決めておかないと現場が混乱する可能性があります。

特に今までどんぶり勘定の管理を行っていた場合、ついつい今までの習慣で、必要な操作を行わないまま資材を移動させてしまうこともあるでしょう。

一方、システムに必要な手順を踏んで資材管理を行っている人から見れば、システムを使っているのに在庫数が合わないという現象が起こることに。

便利なシステムを導入しても、正しく使えなければ宝の持ち腐れです。

そのため、実際に導入・運用を行う前に運用方法やルールをきちんと決めておきましょう。分からないことが起こった際に、誰に相談をすれば良いかまで決めておけば、大きな混乱が起こることはないはずです。

6. 資材管理システムを選ぶべき企業の特徴3つ

資材管理システムを選ぶべき企業の特徴3つ

多くの企業にとって、資材管理システムは将来的に導入すべきシステムだといえます。しかし、企業によっては、将来的にではなく、一刻も早くシステムを導入すべき特徴を持っているケースもあるのです。

以下の特徴にあてはまる場合は、早急にシステムの導入を検討すべきでしょう。

  • エクセルでの資材管理担当者が一人しかいない
  • 資材管理を専門にしている部署・社員がいない
  • 資材管理をしているにも関わらず在庫が合わないことが多い

一つずつ解説していきます。

6-1. エクセルでの資材管理担当者が一人しかいない

エクセルで資材の管理をしているが、資材管理の担当者が一人しかいない。また、担当者がエクセルに詳しく、独自のシステムを構築している場合は、システムの導入がおすすめです。

すでに便利なシステムを構築できているため、一見、今のままで問題はなさそうですよね。しかし、エクセルによる資材管理のシステム化は、関数やマクロなど、一定の知識が必要です。

現状のフォーマットがうまく作用しているうちは問題ないですが、もし、今の担当者が退職してしまい、フォーマットにエラーが起きれば、たちまち資材管理が立ち行かなくなるでしょう。

基本的に、企業において「特定の人にしかできない業務」を設けるべきではありません。繰り返しますが、特定の人が仕事をできなくなったときに、他の人では業務を進められなくなるからです。

一方、システムを導入すれば、誰でも業務を行えるようになります。担当者の「自分にしか資材管理を進められない」というプレッシャーを軽くしてあげることもできるでしょう。

6-2. 資材管理を専門にしている部署・社員がいない

今まで資材管理を重視していなかった、他の仕事が忙しすぎるなどで、資材管理の専門部署・社員がいない場合も専用システムを導入すべきです。

なぜなら、資材管理は片手間で行える業務ではないからです。上記までで触れてきたように、資材管理は在庫だけを管理する業務ではありません。発注業務や資材の品質管理など多岐にわたる業務が必要です。これらの業務を、他の業務も抱えながら行うことは、ほぼ不可能です。

結果的にミスが起きやすくなったり、複数の業務を抱え込むことで、一部の社員に負担が偏ったりすることになります。資材の管理状況を全体的に把握することも難しいため、管理方法自体も効率が悪いままのはずです。

人や時間が足りないことで、このような状況になっているのであれば、人手を割けない部分はシステムで補えば良いのです。専用システムを導入することで、業務の負担を軽減することはもちろん、適切な在庫になることで、業務効率自体の向上も期待できます。

6-3. 資材管理をしているにも関わらず在庫が合わないことが多い

資材管理をしっかりやっているつもりだが、在庫の数が合わないことが多い。このような場合も、専用システムの導入がおすすめです。

シンプルに、現在の資材管理方法が自社に合っていないと考えられるためです。

例えば、紙やエクセルの管理表を使っているが、他の仕事が忙しくて入力に時間をかけられず、後から見返してみると入力間違いが多い。または、資材の量・種類が多すぎてうまく管理できていないなどが挙げられます。

この状況こそ、紙やエクセルによる資材管理の限界です。何度も触れてきたように、資材管理は業務の生産性を向上させたり、キャッシュフローを改善したりするために必須の業務です。改善を後回しにするほど、過剰在庫による不要なコストの増大、最悪は黒字倒産という結果にもつながりかねません。

今のやり方では、上手く資材の管理ができないと分かっているのであれば、一刻も早く専用システムを導入しましょう。

7. 自社に合った資材管理システムを選ぶポイント4つ

自社に合った資材管理システムを選ぶポイント4つ

最後に、自社に合った資材管理システムを選ぶポイントを見ていきましょう。どれだけ優れた機能を搭載しているシステムでも、自社にとって不要な機能があるようでは意味がありません。

  • 自社の業務に合ったシステムか
  • システムの価格・料金プランが自社に合っているか
  • 直感的な操作が可能か
  • サポート体制が整っているか

以上、4つのポイントについて詳しく解説します。

7-1. 自社の業務に合ったシステムか

ここまで何度か触れてきたように、業種や業界によって扱う資材は異なります。そのため、まずは自社の業務に合ったシステムかどうかを確認しましょう。

建設業界の企業が導入するシステムなのに、旅行や旅館業界に適したシステムを選んでもあまり役には立ちませんよね。これは資材管理システムについても同様です。

特に建設業や製造業は扱う資材の種類が膨大になりがちです。多数の資材を扱う場合でも、見やすさや操作のしやすさが考えられているかをしっかりチェックしましょう

7-2. システムの価格・料金プランが自社に合っているか

システムの価格や料金プランも、しっかり考慮すべき点です。自社の業務にとって、不必要に高性能なシステムを選んでも、使いこなせなければ意味がありません。

資材管理は日々行う業務であるため、長期的な視野を持って選ぶと良いでしょう。

なお、上記で触れたオンプレミス型、クラウド型では料金体系が異なります。オンプレミス型は導入費用こそ高くなっていますが、維持費に関してはサーバー料金など周辺機器への費用以外は基本的に発生しません。

一方、クラウド型は月々のサービス料金がかかるため、長期的な視野でみるとオンプレミス型の方が安価になることもあります。価格・料金プランについては、様々な視点から検討することが大切です

7-3. 直感的な操作が可能か

資材管理システムを導入した場合、実際に利用するのは現場の社員です。そのため、直感的な操作ができたり、できるだけシンプルなUIを選んだりすると良いでしょう。

なぜなら、システムを使う社員の全員が、ITツールに慣れているとは限らないからです。

もちろん操作が簡単なシステムであっても、新しいシステムを導入する際には事前の勉強が必要です。しかし、直感的な操作が可能なシステムを選んでおけば、操作方法を習得するまでの時間を短くすることもできるでしょう。

「操作が難しそうだが、必要な機能がこのシステムにしか搭載されていない」このようなケース以外では、できるだけ操作が簡単なシステムを選ぶことも大切なポイントです。

7-4. サポート体制が整っているか

サポート体制が整っているかも確認しましょう。なぜなら、システムで分からないことがあったり、トラブルがあったりしたときの復旧スピードが異なるためです。

例えば、システムを導入することが初めてだとすると、最初の一歩から何を始めればよいのか分からないこともありますよね。説明書きに「システムをダウンロード」と書かれていても、苦手な人からすればダウンロードのボタンがどれかも分からないものです。

そのようなとき、サポート体制が充実したサービスであれば、導入部分から付きっ切りでサポートしてくれるものもあるのです。以下、代表的なサポート内容について見てみましょう。

システムに関するサポートの種類
サポートの種類サポートの内容サポートをする方法
導入サポートシステム導入時のセッティングや初期に必要な機能の設定、使い方の支援など・出張サポート
運用サポートシステムに問題が起きたときの支援、または、より便利な使い方の指南など・出張サポート
・電話
・メール
・チャット
新規システム導入サポート新しいシステムを導入したいときなどに相談に乗ってくれる・出張サポート
・サービス側に足を運ぶケースもあり

ITツールの導入が初めての企業や、ITに強い社員がいない場合は、必ずサポート体制を確認して下さい。

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建設業の資材・在庫管理のシステム化の最初の一歩を、どのように踏み出せば良いのか迷っているのであれば、ぜひ、弊社エルラインにお気軽にご相談ください。
エルラインの基本的な考え方は「現場主義」。現場の社員目線で考えるからこそ、今本当に必要とされる技術や不要な慣習を取り除くことに成功しています。全体的に資材管理を見直したい・システム化したいと考えているのであれば、おすすめは「LPRE(エルプレ)」です。

また、資材管理で不要と判断された資材は、LLINKで売却することが可能です。


資材管理のシステム化を検討されている方は、まずはお気軽に弊社にご相談ください。

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8. まとめ

本記事では資材管理システムとは何か、資材管理システムにできることなどについて紹介してきました。

資材管理システムとは、文字通り資材管理に必要な機能を備えたシステムを指します。多種多様な資材を扱い、管理をする業務は非常に難しく経験が必要な面もあります。しかし、資材管理ツールを用いれば、今までかかっていた業務の負担を大幅に軽減することができるでしょう。

資材管理システムの代表的な機能は以下の通りです。

  • 購買・発注に関する機能
  • 各種承認・権限管理機能
  • 納品・出庫管理機能
  • 在庫一覧・管理機能
  • 棚卸機能

納品・出庫のデータを集めることで、将来的には発注も任せられる点に驚いた方も多いのではないでしょうか。資材管理システムは、生産性向上やミスの予防などさまざまなメリットも期待できます。

少しでも気になったのであれば、ぜひ導入を検討してみてください。

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