施工管理がきつい理由10選|対策や辞めた後悔の理由を施工管理が解説

この記事を書いた人

水野源太
株式会社エルライン 社長室 1級電気工事施工管理技士

新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての実務経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向し、教育に携わる。2024年4月にエルライングループにジョインし、教育や採用、広報・デジタルマーケティング・新規事業開発などに従事。

「施工管理として働いているけど、きつい、、、」
「どうしてこんなに日々きついんだろう、、、」
「自分は施工管理に向いていないんじゃないかな、、、」

施工管理として日々働いていると、きつい時もありますよね。きつい時は心が折れて、施工管理を辞めたくなるときも正直あると思います。そこで本記事では、施工管理の方がきつい状態から脱却するために、

・どうすれば施工管理のつらさは軽減するのか
・施工管理の会社選びのコツ

といった部分について、会社として数多くの施工管理を抱える株式会社エルラインが、施工管理のリアルについて解説していきたいと思います。

実際に働いたことがあるからこそ話せる内部事情や、数多くの施工管理を見てきた経験を元に記事を書いていくので、最後までご覧ください。

目次

施工管理のきついポイント

まずは施工管理のきついポイントや原因について理解していきましょう。

きついポイント①担当業務の幅が広い

施工管理は、5大管理(工程・品質・安全・原価・環境)や近隣対応など多領域を同時並行で扱います。

発注者や設計者、協力会社(職長・職人)、元請・サブコン、行政や検査機関など関係者も多く、1日の中で会議・現場巡回・写真管理・書類作成・発注・調整が頻繁に切り替わります。作業の優先順位付けと段取り力が求められる一方、常に脳内リソースがフル稼働となり疲弊しやすいのが実情です。

忙しい時は様々な関係者からひっきりなしに電話がかかってきたりします。かかってくる電話に対して、それぞれ対応しなければならない点が施工管理のきついところです。

きついポイント②一発アウトのミスがあるので緊張感がある

施工管理のミスは、安全・品質・法令順守に直結し、取り返しのつかない損失や工期遅延、信用失墜につながるリスクがあります。特に構造や防水、法的手続き、交通・近隣安全に関わる事項は「一発アウト」になりやすく、常に高い緊張感でのチェックが求められます。

例えば、コンクリート打設を例に考えてみましょう。

コンクリート打設はやり直しの聞かない工事です。コンクリートは打設して数日が経過すると完全に固まってしまうからです。もし、コンクリート打設前に鉄筋工事のミスがあったとしたら、どうしようもありません。

こういった緊張感も、施工管理としてのつらさの一つです。

一発アウトになりやすい事例

事象主な原因影響
構造部の配筋不良やかぶり不足の見落とし検査フロー不備、写真管理ミス、図面読み違い是正に伴う解体・再施工、工期遅延、品質・耐久性低下
法定手続き・占用許可の未取得での施工行政協議の遅れ、役割分担の曖昧さ工事停止、行政指導、信用失墜
高所・重機周りの安全不備仮設計画不備、指差呼称・KY不足、立入管理不徹底労災事故、重大インシデント、企業リスク顕在化
防水・雨仕舞の不具合納まり検討不足、施工順序ミス、天候判断の誤り漏水・やり直し、大規模な内部補修、引渡し遅延

きついポイント③突発的なトラブル対応

施工管理に突発的なトラブル対応はとてもよくあることです。

例えば、天候不良、資材の欠品・遅延、協力会社の人員不足、重機故障、近隣からの苦情や想定外の既存物の発見などが挙げられます。

筆者が経験した突発的なトラブルとしては「穴を掘ったら井戸が出てきてしまった」ということです。井戸に対してしかるべき対応をする必要があり、工事が数週間遅延しました。

計画の見直し・再段取り・関係者への説明が連鎖すると、日中の対応の後に夜に書類や写真整理が回りがちで、長時間労働につながりやすい構造になっているのが、施工管理のきついところです。

きついポイント④工期設定が厳しい現場もある

開業日・入居日・年度内予算消化などの制約から、工期に余裕がない案件も珍しくありません。

更にイレギュラーが発生することがあれば、更に工期がパツパツになります。本当に忙しい現場は「突貫現場」と言われたりはしますが、働き方がかなりハードになります。

工事を受注した段階で、施工側が大変なことが確定している工事というのも存在します。

工期を厳しくする主因と現場への影響

要因現場で起こること
発注条件(開業・引渡し期限)夜間・休日工事の増加、同時多発工程の調整負荷増
設計変更・仕様確定の遅れ手戻り、発注や納期の圧縮、やり直しリスク上昇
天候・立地制約雨天・強風対策での待機・延期、仮設の増強
人員・協力会社の確保難技能者の偏在、職種間の段取り待ち増加

きついポイント⑤体力的な負担がある

体力的な負担があるというのも施工管理のきついポイントです。

広い現場内の移動、立ち仕事、資材や仮設の確認での上り下り、夏季の高温・冬季の低温、屋外作業の連続など、施工管理はデスクワークとフィールドワークの両方を日常的に行います。筆者の経験としては、高層マンションの現場で仮設エレベーターが使えず、作業場所の20階まで昇り降りを真夏に繰り返した記憶があります。

座り仕事ではなく動くことが多いので、シンプルに体力的にきついという点も挙げられます。

きついポイント⑥設計者と職人の板挟みになる

施工管理は図面通りの品質・意匠(デザイン)を求める設計者と、施工性・コスト・工期を重視する現場(職長・職人)の間で調整役を担います。

納まりの成立、材料の納期、現場条件(スペース・仮設・重機可否)を踏まえて最適解を探る必要があり、どちらかの不満を背負いがちです。

基本的に意匠(デザイン)と施工性(工事のしやすさ)は相反することが多く、その間を取り持って折衝していくのは、施工管理としてかなりきついところです。

きついポイント⑦ハラスメントがある現場もある

近年は時代の流れもあってか、ハラスメントはかなり減ったように見えます。ただ、建設業界の全てでハラスメントがないかと聞かれればそうではありません。

未だにパワーハラスメントやセクシャルハラスメントをする職人さんや施工管理はいます。

もし、ハラスメントに対する意識が低い会社や現場、理解のない上司のもとで働いてしまうと、ハラスメントを受けて日々疲弊していってしまいます。

きついポイント⑧資格取得のプレッシャー

一級施工管理技士・二級施工管理技士などの国家資格は、配置技術者要件やキャリアアップに関わります。受験範囲は広く、実務に必要な法令・施工・安全の知識を横断的に学ぶ必要がありますが、繁忙期の現場と両立しながらの学習は負荷が大きく、合格までの時間が読みにくい点が心理的重荷となります。

また、平日は現場で働いているので、現場をこなしながらの勉強になるのが身体的にもきついところです。救いとしては施工管理技士の難易度がそこまで高くないことと、一回だけ合格すればよいことです。

きついポイント⑨未だにアナログな文化がある

令和の時代になっていますが、建設業界では未だにアナログな文化が残っていることがあります。具体的には、紙の図面や紙ベースの安全書類、手書き日報や押印、FAXでのやり取り、黒板入りの写真などです。

デジタル化(BIM/CIM、クラウド、モバイルアプリ)の導入が進む一方、協力会社のITリテラシー差や現場の電波環境、ルール統一の難しさから、二重管理になりがちで負担が増すことがあります。

長期で見ると解決すると思われる部分ではありますが、現場代理人が年配の方だとアナログな仕事の進め方をすることがあります。

アナログ業務が残ると何が大変か

業務大変さのポイント負荷の現れ方
図面と写真の紙・手動管理最新版の共有が難しく検索性が低い取り違い・再印刷・差し替え作業の増加
安全書類の紙調達・押印提出・差戻し・再提出の往復が発生締切直前の確認・回収で時間外作業が増える
FAX・電話中心の発注記録化・可視化が不十分言った言わない問題、伝達漏れの是正工数

きついポイント⑩未来が見えない

繁忙と突発対応が続くと、将来像(キャリアパス・ワークライフバランス・専門性の伸ばし方)を描きにくくなります。筆者が一度、施工管理を辞めた理由もここにあります。「ずっとこのハードワークはできない、、、」と思って辞めた経緯があります。

施工管理の一部の会社や一部の現場では、未だに長時間労働をしているところがあります。長時間労働をし続けると、将来的に施工管理として働き続けるのは厳しいと思うのは当然です。

特に、人は「ずっとこれが続くのではないか?」と思った時点で絶望します。

長時間労働がずっと続く、そう思い始めてしまうと、施工管理がきついと感じることでしょう。

きついのに何故つづけてるの?施工管理の魅力

施工管理は「品質・安全・工程・原価」という四大管理を背負い、現場ではストレスや長時間労働に直面することもあります。それでも多くの人が続けるのは、いくつかの理由があります。

「施工管理はきつい、、、」と思ってしまうと、どうしてもその環境から逃れるために、退職という選択を取ってしまう人もいます。

ただ、一歩立ち止まって、施工管理の魅力を改めて理解しておきましょう。

魅力①専門性が高く、給料も高い

施工管理は経験と資格がダイレクトに評価に反映されやすい職種です。一級施工管理技士をはじめとする国家資格は配属や役職、手当、案件の規模に直結し、監理技術者の配置要件を満たすことで元請の中核案件を担いやすくなります。

現場手当や資格手当、役職手当、残業代の支給が整っている会社も多く、スキルの伸びが収入や裁量の拡大につながりやすいのが大きな魅力です。

簡単に言えば、専門性が高いから仕事も安定しているし、給料も高く稼げます。

また、施工管理を活かすことで、施工管理以外へのキャリアアップをすることも可能です。

ゼネコン・サブコンでの現場経験は、改修専門会社、設備系(電気・空調・給排水)の施工管理、発注者側(ディベロッパー・ゼネコンの品質監理部門・CM会社)などにも展開可能です。BIM/CIMやドローン測量、ICT建機などのデジタル実務に強いと、DX推進や本社技術部・工程計画部へのキャリアも拓けます。

資格・職責主な役割評価されやすい理由
一級施工管理技士品質・安全・工程・原価の統括、対外折衝大規模・難易度の高い工事で必須人材になりやすい
二級施工管理技士サブリーダーとして主担当区画を管理早期に担当範囲を持ち、実績を積みやすい
監理技術者元請での監理(下請の技術指導・施工体制の統括)配置要件を満たすコア人材として重用される

魅力②建物ができたときの感動と達成感

図面の線が現実の建物として立ち上がり、工程どおりに竣工・引渡しを迎える体験は、他職種では得がたい達成感をもたらします。

完成した建物やインフラは、地域の生活やビジネスを支える形で長く残り、家族や友人に「自分が関わった」と誇れる確かな成果になります。

商業施設、病院、学校、道路、橋梁、マンションなど多様なプロジェクトに関わり、開業・開通・入居の瞬間に立ち会うことができ、利用者の笑顔や稼働データが「成果の証拠」として可視化されるのは大きなやりがいです。

魅力③社会的価値の高さ

社会的価値の高さも施工管理の魅力で、都市機能と暮らしを支える公共性の高い仕事です。

インフラの維持更新、防災・減災対策、老朽化建物の耐震補強やバリアフリー化など、施工管理の仕事は社会課題の解決に直結します。災害時の早期復旧や応急対応でも施工管理が前線に立ちます。

この社会には様々な仕事がありますが、施工管理の仕事は明確に「社会の役に立っている仕事」であると断言できます。

魅力④チームで仕事をする面白み

施工管理にはチームで仕事をする面白みもあり、そこが醍醐味でもあると言えます。

癖の強い職人さんやこだわりの強い設計者、メーカーの要望や近隣住民への対応など、施工管理はコミュニケーション面でかなり様々な人とやりとりをします。それが故に、人と人の板挟みになって辛くなってしまうタイミングもあります。

ただ逆に、今まで優しくなかった人が味方になってくれたり、面倒だと思っていた人間関係のおかげで自分が大きく成長するきっかけもあったりします。人間関係はストレスですが、人が喜びや面白みを感じるのもまた、人間関係だったりします。

施工管理のきつさを改善するには

さて、今までで施工管理のきついポイント、そして「施工管理はきついのにどうして頑張れるのか、施工管理の魅力は」といったところについて解説をしてきました。

次に、施工管理をきついと感じている人に対して「どうやれば施工管理のきつさ」を軽減することはできるのか?といった部分について解説していきます。

改善ポイント①解決できる問題と解決できない問題を切り分ける

施工管理として働いていてきついポイントはいくつかありますが、その原因には「解決できるもの」と「解決できないもの」に分けられます。ここをまずは切り分けて考えていく必要があります。

例えば、解決できる問題としては、下記が挙げられます。こういった問題は環境を変えることや、自分自身が上司に提案をすることで解決することができる可能性があります。

・人間関係がうまくいかない
・現場にハラスメントがある
・長時間労働
・業務がアナログすぎる

一方で解決できない問題としては、下記の様な点が挙げられます。これらは施工管理という業務特性的に解決することが厳しい事象です。

・業務の幅が広い
・一発アウトのミスがあるから精神的負荷が大きい
・突発的なトラブル対応
・資格取得のプレッシャーがある

上記を踏まえた上で、自分が施工管理として働く上で、どれがストレスになっているのかを理解しましょう。

改善ポイント②一人で抱え込まずに周りを巻き込む

潰れてしまう施工管理の特徴として、分からない業務を一人で抱え込んでしまうというものがあります。

筆者も先輩の施工管理技士から「分からなかったら一人で抱え込まずに相談しなさい」と口酸っぱく言われておりました。先輩社員は若手よりも圧倒的に経験豊富です。知っている知識の量も、対処したトラブルも、担当した現場の経験も何もかもが上です。

若手施工管理が3時間かけて分からないことを、ものの数分で解決してしまうのが先輩の施工管理です。自分では分からない、難しい、時間がかかる場合は周りを巻き込みましょう。

分からないことを周りに相談して、巻き込むことで問題がすぐに解決することができます。

筆者の経験としては、部材の発注図面をCADでどう書くか悩んでいたら、職長さんが休憩時間にパパっと書いてくれて助かったことがありました。このことからも、周りを巻き込んで問題を解決していく大事さを理解しました。

改善ポイント③助けてくれる味方を作る

先ほどの話と通ずる部分ではありますが、常に適切なコミュニケーションを取って、現場に自分の味方を増やしておくことも大事です。味方を作っておくことで自分が困っているときに相談する相手にすることができます。

特に若手の内は分からないことだらけなので、周りに「分かっている人」が味方としていると、働きやすさが段違いになります。

助けてくれる味方というのは、自社内にとどまりません。関係する他の会社の人でもいいし、協力業者の人でもいいし、別の部署の会社の人でも大丈夫です。

もちろん、一番近い距離にいる上司や先輩と仲良くして、良好な関係を築いておくのがベストです。

普段からの会話、喫煙所でのトーク、現場でのコミュニケーション、朝あった時のあいさつなど、しっかりコミュニケーションを取って、現場で味方を増やしましょう。

改善ポイント④会社の内勤に異動できないかを相談する

どうしてもハラスメントがある会社やハラスメントのある上司の場合、施工管理として働いていてきついと感じるのであれば、正直、会社を変えてしまうというのが一番早い解決策です。ただ、会社を変えるというの大きな決断になってしまうので、まずは会社内の異動ができないかを人事に掛け合ってみましょう。

施工管理の会社で働く人は、施工管理以外の人もたくさんいます。

ということは施工管理以外として働ける可能性もあるということです。施工管理としての経験を活かして、施工管理以外のポジションを目指すというのも手です。具体的には下記のようなものが挙げられます。

・設計積算
・購買
・調達
・現場の後方支援
・BIM部門
・営業

などです。現場が分かっているからこそ、上記の様な業務は上手にこなせる可能性があります。また、既に施工管理から別部門に異動している先輩も何人かいると思うので、その先輩に話を聞いてみてもいいかもしれません。

改善ポイント⑤工種を変える

上記3つの策を試してみても変わらない場合は【工種を変える】というのも一つ手だと思います。具体的には、、、

・元々は設備工事をやっていたけど、建築工事に変えた
・元々は土木工事をやっていたけど、建築工事に変えた

といったパターンです。筆者は1000名規模の施工管理派遣会社で働いた経験がありますが、工種によっても離職率が変わるというデータがあり、特に定着率が高いという特徴がありました。

理由は様々かとは思いますが、工種によって業務内容や業務特性が変わることがあります。

例えば、設備工事は建築よりも後ろの工程なので、建築工事の遅れの影響を受けてしまうことがあります。逆に自分が建築工事ならばその問題は解消され、施工管理のきつさが軽減する可能性があります。

新たな工種をやるというのは、新たにたくさんのことを覚えなければならないということなので一定の恐怖はあるでしょう。ただ一方で、自分自身のスキルアップにも大きく繋がります。

もし、自分自身の工種を変えることで施工管理のきつさが軽減されるのであれば、チャレンジしてみるのも良いでしょう。

改善ポイント⑥会社を変える

上記の事象にチャレンジしても改善されない、もしくはチャレンジするのが億劫ということであれば、会社自体を変えてしまう、というのも選択肢の一つです。

人によってはどれだけ掛け合ったとしても、どれだけお願いをしても変わらない場合もあります。そういう場合は一気に環境を変えてしまうというのもアリです。

筆者も多数の施工管理を抱える会社を見てきていますが、施工管理の会社でホワイト企業は沢山あります。もし今いる環境がブラックなのであれば、しっかりとホワイト企業を選定して転職しましょう。

ホワイト企業の選び方としては、また次の章で解説します。

施工管理をやめて後悔する理由

施工管理をきついと感じている時「施工管理を辞めてしまいたい」と思うこともあるかと思います。

もちろん、施工管理をやめることで自分が幸せになるのであれば、別の職種に転職すべきです。ただ、もし施工管理を辞めてしまって、後悔をしたくはありませんよね。

実は筆者も一度、施工管理を辞めて後悔したことがあります。そこで、実際に施工管理を辞めて後悔している人の声を観測した範囲でまとめてお伝えしていきます。同じような後悔が無いように参考にしてみてください。

①地方でも稼げる職種だと辞めてから気付いた

建設需要は地方にも存在し、施工管理はエリアを問わず求人が出やすい職種です。地元回帰やU・Iターンを見据えたとき、他職種より仕事を確保しやすい優位性を手放してしまったと感じる人もいます。

②残業代込みの実収入を過小評価していた

施工管理は忙しい反面、残業・深夜・休日手当や現場手当、出張手当が積み上がるため、実収入(手取りベース)が高くなりやすい職種です。基本給だけで他職種と比較してしまい、離職後に「総収入で見ると意外と悪くなかった」と気づくケースは珍しくありません。

③転職先の年収レンジが伸びにくかった

年功や役割の拡大に連動して年収が上がりやすいのが施工管理の特徴です。一方、職種によっては昇給テーブルが緩やかで、成果と賃金が結びつきにくい場合もあります。数年先までのレンジを可視化していないと、後から伸び代の差に後悔しがちです。

④現場手当・出張手当の恩恵を失った

ゼネコン・サブコンでは工事規模や勤務地に応じて手当が充実している場合が多く、長期出張で生活費が実質圧縮されることもあります。内勤化や他業界への移行で手当が消え、可処分所得が目減りしたと実感して後悔することがあります。

⑤資格が他業界で評価されにくかった

一級・二級施工管理技士や監理技術者等の資格は建設分野での評価が高い一方、他業界では評価軸が異なり優位性が伝わりにくいことがあります。資格手当や職責に直結する強みを手放したことを後で惜しむパターンです。

⑥形が残る仕事の喜びを失った

建物・インフラという「実物」が街に残る実感は、他職種では得がたい体験です。完成後に家族や友人に誇れる成果を失ったことを寂しく感じる声は少なくありません。

⑦多職種連携の面白さが減った

設計者、職人、メーカー、行政、施主を束ねるダイナミズムは施工管理ならではの体験です。意思決定の速さや現場の一体感が薄い環境だと、物足りなさが募ります。

⑧トラブル収束の醍醐味がなくなった

工程遅延、クレーム、納まり不整合、事故リスクなどを現場で捌く力は緊張感がある一方、収束できたときの自信と成長が大きい領域です。日々の「解決の手触り」を失ったと感じる後悔です。

⑨デスクワーク中心が性に合わなかった

現場で体を動かしながら状況判断をする働き方にフィットしていた人ほど、座り仕事中心の環境で集中力や満足度が下がることがあります。自分の適性を見誤ると不幸な転職になりがちです。

⑩リモートワークが自分には合わなかった

在宅勤務は通勤負担がない一方、孤独感やコミュニケーションの難度が上がり、人によってはストレスの原因になります。対面で進む現場文化のほうが力を発揮できたと気づくパターンです。

施工管理に向いているの人の特徴

上章でもお伝えした通り「施工管理は辞めたけど後悔している」という層は存在します。本当に施工管理に向いていないのであれば施工管理は辞めるべきですが、もし今の環境が合っていないだけで、本当は施工管理に向いているのであれば施工管理は継続すべきです。

下記チェックリストを用いて、改めて自分は施工管理に向いているのかどうかを確認し、もし向いているのであれば施工管理は継続していきましょう。

項目当てはまる例(自己診断の目安)
じっとしているより体を動かすのが好き終日デスクワークより、現場巡回や出来形確認、写真管理など現場での動きが苦にならない。
人と話すのが苦じゃない職長会や定例会議で要点を伝えるのが得意。協力会社や職人との段取り調整が前向きにできる。
専門性を身に着けて安定して稼ぎたい施工管理技士や建築士などの資格取得に意欲があり、図面・施工図・CAD/BIMの習得に前向き。
誠実な人安全・品質・法令順守を最優先し、記録・報告・是正対応をコツコツ積み重ねられる。
建物を作ることにやりがいを感じる引渡し後も社会に残る構造物に関わる喜びがモチベーションになる。出来上がりを想像して頑張れる。

向いている人の特徴①じっとしているより体を動かすのが好き

建築・土木・設備いずれの現場でも、現場監督は朝礼、KY活動、安全パトロール、出来形の確認、資材搬入の立ち会い、写真管理など、現場を歩き回る業務が中心です。

天候や季節の影響を受ける屋外作業や、仮設階段の昇降、広い敷地の巡回など、体を動かすことが多いです。よって、体を動かすことが苦にならない人は施工管理に向いていると言えるでしょう。

向いている人の特徴②人と話すのが苦じゃない

施工管理は、協力会社・職人・設計者・施主・近隣・役所など多様な相手と関わるコミュニケーション職です。朝礼や職長会での指示出し、定例会議での進捗報告、図面・仕様変更時の調整、近隣対応や苦情対応まで、対話を通じて段取りを前進させます。

人と話すことが苦でない人は、施工管理に向いていると言えるでしょう。一方で、人と話をするのが嫌いという方は向いてないです。

ここで注意点は「人と話をするのが苦手」という方が施工管理に向いていないということではありません。人と話をするのが苦手でも、現場にいるうちに改善していきます。

向いている人の特徴③専門性を身に着けて安定して稼ぎたい

施工管理は専門職であり、建築施工管理・土木施工管理・電気工事・管工事など分野ごとに知識体系が存在します。図面読解、施工図の指示、材料・工法の理解、各種検査の段取り、積算・発注、原価管理など、学んだ分だけ専門性が上がります。

専門性が高いほど施工管理として大きくお金を稼いでいくことができます。よって、専門性を身に付けて安定して稼いでいきたいという人も施工管理に向いています。

今の時代はプログラマーやマーケターなど、専門性を高められる仕事は多数ありますが、施工管理の良さは未経験からでもチャレンジしやすいという点にあります。他の仕事はあまり未経験からキャリアアップしていける場所が多くありません。

向いている人の特徴④誠実な人

約束を守る、記録を残す、リスクを隠さない、できないことをできると言わない、といった誠実さは、現場からの信頼に繋がります。現場は一人でやっている訳ではないので、こういった信頼は非常に重要です。

誠実な人、というのはすぐに現場で信頼される訳ではないかもしれませんが、長く働いていけばその人柄は伝わりますし、誠実さが伝われば現場の人は助けてくれます。

ここは人間性の部分なので変えようがありませんが、誠実な人は施工管理向きなのだと思います。

手前のスキルやコミュニケーション能力より、よっぽど重要な要素です。

向いている人の特徴⑤建物を作ることにやりがいを感じる

施工管理の醍醐味は、図面の情報を現物に立ち上げ、社会に残る価値をつくることです。

学校・病院・道路・橋梁・マンション・商業施設・工場など、完成時の達成感は大きなものです。モノづくりへの情熱は、繁忙期やトラブル時にも前を向く力になります。

建設業の大きな強みはここにあります。他のどの業界よりも、仕事の成果物が明確です。

建物が完成したときや、自分が作った建物が利用者に使われている、作ったトンネルや橋梁が社会の役に立っている、そういったことにやりがいを感じられるのであれば、施工管理に向いていると言えるでしょう。

施工管理の中でホワイトな会社・現場の選び方

【図解】建設DXとは|全体像と解決できる建設業界の課題を解説

もし施工管理としてきついと感じているのであれば、ホワイトな施工管理の会社への転職をオススメします。ただどういう特徴の会社を選べばホワイトな会社を見つけられるか分かりませんよね。

そこで最後に、施工管理の中でホワイトな会社・現場の選び方を解説していきます。

新築工事より改修工事(リニューアル)メインの会社を選ぶ

ホワイトな施工管理の会社を選ぶ際は、新築工事よりも改修工事(リニューアル)工事がメインの会社を選ぶとよいでしょう。新築工事とは違い、改修工事では工期に余裕がある場合が多いので、働き方もホワイトになりがちです。

もちろん、新築工事もやるし改修工事もやるという会社が多いでしょう。

ただ、中には改修工事専門で採用の募集をかけている会社があったりするので、ホワイトに働きたいならそういった求人を探すのもよいでしょう。

ちなみに株式会社エルラインのリニューアル工事部でも施工管理を随時募集しています。弊社のリニューアル工事部は皆仲が良く、ブラック労働はしません。気になる方がいたらご連絡お待ちしております。

>>>株式会社エルライン リニューアル工事部の詳細はこちら

会社規模が大きな会社を選ぶ

ホワイトな施工管理の会社を選ぶ際には、なるべく大きな規模の会社を選びましょう。

やはり小さな会社よりも大きな会社の方が制度やガバナンスがしっかりしています。働いている中の人の話を聞いていても「定時で帰れている」や「土日も休めている」と聞きます。2024年4月に働き方改革が適用されてからは、ホワイト化しているところも多いです。

特に上場企業では一定のガバナンスが求められますので、管理体制もしっかりしていて「施工管理きつい、、、」と思うことは減るでしょう。

正社員ではなく、派遣の施工管理を選択する

正社員の施工管理ではなく、派遣の施工管理を選ぶというのも選択肢の一つです。筆者が実際に選んだ選択肢です。

どうしても正社員で施工管理をやると繁忙期には残業しますし、会社によってはサービス残業が発生することもあります。ただ、派遣の施工管理という選択を取れば、基本的には定時で帰れますし、サービス残業をすることもまずないです。(筆者が初めて働いた時は驚きでした!!)

派遣の施工管理として働くということは、無期雇用として派遣会社の正社員になるということです。

派遣会社の正社員になって各社各現場へ行くわけですが、もし何かしらのトラブルがあったりした場合には、派遣会社に守ってもらうことができます。

特に施工管理としてきついのは1年目から3年目です。それ以降、そこまできついとは感じないと思います。

施工管理がきつい1年目~3年目というタイミングを会社から守られた状態で実務経験を作っていったり、定時上がりしながら資格の勉強をしたりするのは、かなり合理性があると思います。

教育・フォロー体制がしっかりしている会社を選ぶ

施工管理としてホワイトな会社を選ぶ際には、教育体制やフォロー体制をしっかり確認しましょう。

教育体制やフォロー体制がしっかりしている会社、というのは「過去に施工管理が離職したから、それに対して適切な再発防止策を打っている会社」です。もしそれが100点ではなかったとしても、会社や環境を良くしていこうという意識・姿勢があります。

一方でブラック会社は「施工管理が辞めても追加で採用すれば良い」と考えるので離職は減りませんし、環境は改善しません。こういった会社は避けるようにしましょう。

施工管理でホワイトに働くなら株式会社レバキャリへ

「施工管理として働いているけどきつい、、、」
「環境を変えたい、、、、」

そう思っている施工管理の方は、株式会社レバキャリで働いてみませんか?

株式会社レバキャリは施工管理・CADオペレーターに特化した人材派遣会社です。先ほどもお伝えした通り、派遣会社の正社員として雇用されて施工管理として働けば、会社に守られた状態で実務経験を積んでいくことができます。

また、教育・フォロー体制もしっかりしています。1級施工管理技士の人材が研修コンテンツを監修しており、入社後2週間かけて徹底的に研修を実施しています。

加えて、現場配属後も営業や研修担当が積極的にコミュニケーションを取ってフォローしていきます。困りごとがあればいつでも相談できる環境を整えています。

もし、今の環境で施工管理として就業するのがきついと感じている人は一度お話を聞くだけでもいいので、お問い合わせください。

>>>株式会社レバキャリへの応募はこちらから

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