鳶の仕事を5つの種類別に徹底解説!よくある疑問6つと向いている人

「鳶って、どんな仕事をしているの?」
「大変そうなイメージだけど、実際のところどうなんだろう?」

鳶(とび)と聞くと、足場の組立、高所での作業をイメージされるかと思いますが、具体的にはどんな仕事をしているのかわからないですよね。

鳶の仕事を一言で表現すると、基本的にはイメージの通り、「建設現場において必要不可欠な高所での作業」です。

ただし、一口に鳶といっても、仕事内容が非常に幅広く、実際には、鳶には下記の5つの種類があります。中には、高所での作業がメインではない「重量鳶」という種類もあります。

鳶の種類主な仕事内容
足場鳶建設現場の足場について、設置から解体までのあらゆる作業を担う
鉄骨鳶高層ビルや商業施設などの大型・高層建築の骨格を鉄骨で組み上げる
重量鳶綿密な施工計画に基づき、重量物の搬入・設置・据置・撤去を行う
橋梁鳶橋梁工事の現場を専門に、足場及び骨格、橋げたを設置するなどの高所作業を担う
送電鳶送電線や、それを支える鉄塔を建設・点検する

1人の職人が全ての仕事に携わる訳ではなく、特定の仕事をこなし、極めていくケースが多いです。

それぞれ仕事内容や働き方、特徴など異なるため、しっかりと違いを知った上で、自分がどのような仕事がしたいのかを考えましょう。

そこで今回は、鳶工事を基盤に成長を続ける弊社・エルラインが、鳶の仕事の基本をご紹介したうえで、仕事内容ごとに鳶を5種類に分類し、それぞれの違いを分かりやすく解説します。

更に、鳶の仕事内容だけにとどまらず、

  • 鳶の仕事に関して気になる事項(給与相場・やりがい・辛さ・1日のスケジュール・必要資格・将来性)
  • 鳶の仕事に向いている人の特徴

などについても、具体例を交えながら徹底的に解説。

本記事をお読みになれば、鳶の仕事について網羅的に理解したうえで、自身が鳶の仕事に向いているかを判断することができるでしょう。

記事の最後では、未経験から鳶を目指す場合の注意点や、建設会社を選ぶ際のポイントなどもご紹介しますので、是非参考になさってくださいね。

目次

1. 鳶のメインの仕事は「建設現場において必要不可欠な高所での作業」

1. 鳶のメインの仕事は「建設現場において必要不可欠な高所での作業」

冒頭でも述べたとおり、鳶の主な仕事は、「建設現場において必要不可欠な高所での作業」です。

鳶の高所における仕事(一例)
  • 建設現場の足場を設置・解体する
  • 建造物の骨格を鉄骨で組み上げる

地上数メートル~数十メートル程度、建設物の高さなどによっては50メートル以上の高所において、安全帯(墜落制止用器具)を着用するなどし、安全を確保しながら作業を行います。

▼下記はエルラインで実際に担当している現場の様子の一部です。

▼下記はエルラインで実際に担当している現場の様子の一部です。

このような画像をご覧いただくと、実際の仕事のイメージがより湧きやすいのではないでしょうか。

まるで鳶(トンビ)のように軽やかに空中を移動しながら仕事をする鳶職人の姿は非常にかっこよく、また、便利で豊かな社会づくりへの貢献によってやりがいを実感できる点などが魅力の仕事です。

【POINT】
「鳶」と、同じく建設現場の高所にて活躍する「大工」の違いが知りたいという方は「鳶職 大工 違い」の記事をあわせてご参照ください。

鳶の仕事は高所での作業が多く、実際に現場に入って本格的に作業をするには講習を受けたり資格を取得する必要がありますが、基本的には入社後に研修などを通して身につけていくため、未経験の方が鳶を目指しても全く問題ありません。

しかしその一方で、下記のように、わずかなミスが大きなトラブルに繋がり得る、厳しい仕事であることも事実です。

起こり得るミス起こり得るトラブル
不安定な足場を組んでしまった
  • 従業員の落下
  • 足場が安定しないことによる作業効率の低下
骨格の部材のズレを見落としてしまった
  • 建造物の強度・安全性不足
  • 修正に時間がかかることによる工事全体の遅延

「鳶の仕事は非常にやりがいがある反面、現場で働く作業員や建造物そのものの安全・作業効率に直結するため、責任が伴う」ということを、頭に入れておきましょう。

【POINT】

鳶の仕事の全てが必ずしも高所で行われる訳ではありません。
高所で仕事をする人の元に資材を運んだり、大型クレーンなどを用いて重量物を搬入したりと、地上で仕事を行う職人もいます。
詳しくはこの後、鳶の仕事内容を種類別に深掘りながら解説いたしますので、是非ご参照ください。

2. 鳶には5つの種類がある!それぞれの仕事内容を紹介

2. 鳶には5つの種類がある!それぞれの仕事内容を紹介

「建設現場における高所での作業」が中心となる鳶の仕事ですが、作業内容や現場の状況などにより、下記の5種類に分類することができます。

鳶の種類
主な仕事内容
足場鳶建設現場の足場について、設置から解体までのあらゆる作業を担う
鉄骨鳶高層ビルや商業施設などの大型・高層建築の骨格を鉄骨で組み上げる
重量鳶綿密な施工計画に基づき、重量物の搬入・設置・据置を行う
橋梁鳶橋梁工事の現場を専門に、足場及び骨格、橋げたを設置するなどの高所作業を担う
送電鳶送電線や、それを支える鉄塔を建設・点検する

鳶の仕事の幅は非常に広いので、1人の職人が全ての作業に携わる訳ではなく、上記5種類のうちいずれかの仕事について専門的に学び、極めていくケースが一般的です。

それぞれの仕事内容について、具体的にご紹介しましょう。

【POINT】

全ての鳶が、必ずしも1つの種類の仕事にしか携わらないという訳ではありません。
中には、幅広い技術や知識を網羅的に身に付けることで様々な現場に対応する、「総合鳶」と呼ばれる職人も存在します。

1-1. 足場鳶

1-1. 足場鳶

足場鳶は、建設現場の足場について、設置から解体までのあらゆる作業を担う職人です。鳶と言われて、一般的に多くの人がイメージするのはこの足場鳶と言えるでしょう。

正確な統計がある訳ではないものの、業界の規模や需要を鑑みると、鳶職人のうち6~7割は足場鳶であると推測されることから、「鳶=足場鳶」を指すケースもあります。

そんな足場鳶の主な仕事内容は、以下の通りです。

足場鳶の主な仕事内容
現地調査と仮設計画の確認該当の建物や周辺環境を調査し、最適な足場の組み方を検討する
足場材の準備・搬入必要な資材を自社倉庫やレンタル業者から手配し、現場に搬入する
足場の組立支柱・筋交・踏板などの部材を組み合わせて図面どおりに足場を組み立てる
※クレーンやリフトを使って高所に資材を搬入することも
※作業員が安全に作業できるか、安全対策を守れている常に意識・確認する
足場点検・補強・調整組み立てた足場の揺れや強度をチェックし、補強や調整を行う
※気象条件(強風・雨・雪)による影響を考慮して、安全対策を実施する
足場の解体・撤去と資材の管理工事終了後、足場を解体して資材を撤去し、使った資材を管理する
現場全体の安全確保への処置
現場に資材や工具、落下物などが残っていないかを確認し、清掃したうえで安全点検を行う

一口に「建設現場の足場」と言っても

  • 建造物が低いのか高いのか
  • 十分なスペースがある現場なのか狭い現場なのか

など、状況に応じて求められる足場は異なるもの。現場に応じて、組み立てる足場の種類も異なります。

この点、熟練した足場鳶であれば、現場の状況を正しく把握し、その場に合った足場を計画・設置することができます。

そして、そんな優秀な足場鳶が組み上げた足場は、安定感があると同時に揺れも少なく、それが従業員の安全の確保や、作業効率の向上に繋がります。

工事終了後には足場を解体するため、足場鳶の仕事が形として残ることはありませんが、足場鳶はあらゆる建設現場において必要不可欠な存在であると言えるでしょう。

足場鳶について更に詳しく知りたいという方は、下記の記事や動画をあわせてご参照ください。

1-2. 鉄骨鳶

1-2. 鉄骨鳶

鉄骨鳶は、高層ビルや商業施設などの大型・高層建築の骨格を鉄骨で組み上げる職人です。

鉄骨鳶の主な仕事
  • 地上にて、鉄骨にワイヤーをかけ(玉掛け)、クレーンで吊り上げる準備をする
  • 高所にて、地上から吊り上げた鉄骨を受け取り、正確に組み上げる

上記のように、鉄骨鳶の主な仕事は「地上で行うもの」と「高所で行うもの」の2つに分類されます。

地上で作業する職人は「下まわり(地走り)」と呼ばれ、使用する資材や工具を整理したり、鉄骨を吊る順番を決めたりといった「事前準備」にあたる仕事を行うことが役割です。

一方、高所で作業する職人は「取り付け(上鳶)」と呼ばれ、下まわり・取り付けの双方がコミュニケーションを取りながら、効率的に作業を進めます。

特に高度な技術を求められるのは取り付けの方です。

鉄骨に少しでもズレが生じると、建造物の強度や安全性が不足してしまうため、高所で風のあおりを受けながらも、狂い無く正確に鉄骨を組んでいかなければなりません。

更に、

  • 鉄骨の長さを調節する(全ての鉄骨が予め適切なサイズで用意されている訳ではないため)
  • 鉄骨同士をつなぎ合わせる

などの作業を実現するために、溶接技術を求められることもあるのです。

このように、鉄骨鳶の仕事には高度な技術が必要であると共に大きな責任が伴います。

しかし一方で、骨格という「形に残るもの」を作る仕事であるため、建造物が完成したときに「自分が建てた」と強く実感できる点が、鉄骨鳶の大きな魅力でしょう。

鉄骨鳶について更に詳しく知りたい方は、「鉄骨鳶は稼げる?仕事内容と収入のリアルを分かりやすく解説」の記事をあわせてご参照ください。

1-3. 重量鳶

1-3. 重量鳶

重量鳶は、綿密な施工計画に基づき、重量物の搬入・設置・据置・撤去を行う職人です。

重量鳶の主な仕事
  • 重量物の据付位置や搬入・搬出経路、動線となる場所の耐荷重などを確認し、施工計画を立てる
  • フォークリフトや大型クレーンなどを用いて、重量物の搬入・設置・据置・撤去を行う

具体的には、工場・ビル・商業施設をはじめとする大型の建物の中に、数十キロから、物によっては数十トンにも及ぶ重量物を搬入し、設置・据置します。撤去も重量鳶の仕事の一つです。

前述のとおり、鳶の主な仕事は「建設現場において必要不可欠な高所での作業」ですが、重量鳶においては「地上から高所などに重量物を運ぶこと」が重要な仕事の1つです。

そのため、他の鳶と比べると、高所での作業がやや少ないことが特徴と言えるでしょう。

また、重量鳶が扱う重量物の種類は、

  • 電気設備(発電機・配電盤など)
  • 機械設備(コンベア・成型機など)
  • 空調設備(室外機・ボイラーなど)

など、現場によって様々です。

一見ダイナミックな仕事であるように思えますが、重量物を数センチの余裕も無い場所へ搬入することがあったり、数ミリのズレで重量物や建物が破損してしまう恐れがあったりと、繊細な技術が求められます

更に、万が一重量物を落下させてしまうと大事故に繋がるため、常に安全を確保しながら作業を進める判断力や慎重さも大切です。

重量鳶について更に詳しく知りたい方は、「重量鳶」の記事をあわせてご参照ください。

1-4. 橋梁鳶

1-4. 橋梁鳶

橋梁鳶は、橋梁工事の現場を専門に、足場及び骨格、橋げたを設置するなどの高所作業を担う職人です。

橋梁鳶の主な仕事
  • それぞれの橋梁の形に合わせた特殊な足場を設計・組立する
  • 骨組みとなる鉄骨を設置し、組み立てる
  • 橋げたを設置する

橋梁鳶は、例えば河川の上や鉄道の上にかかる橋、そして、高速道路のような高架道路など、あらゆる橋梁工事の現場で活躍します。

橋梁は1本1本違う形状をしており、更には深い谷の上・道路の上などといった具合に立地条件も様々です。

そのため、足場や鉄骨も、各橋梁の形状や立地条件を考慮し、オーダーメイドで緻密に計画・組立していかなければなりません。

更に、

  • 一般的な鳶の仕事においては、建造物を縦方向に組み立てることが多いが、橋梁鳶は横方向に組み立てていくため、特殊な作業が多い
  • 河川や崖、道路などの上での作業になるため、どうしても足場が不安定になりがち

といった観点から見ても、橋梁鳶の仕事は極めて専門性の高いものと言えるでしょう。

1-5. 送電鳶

1-5. 送電鳶

送電鳶は、送電線や、それを支える鉄塔を建設・点検する職人です。

送電鳶の主な仕事
  • 地面に基礎工事を施し、鉄塔を建てる
  • 鉄塔と鉄塔の間に送電線を張る工事を行う
  • 鉄塔や送電線を点検し、異常があれば補修する

100メートル超えの鉄塔を建てるため、深さ10メートル以上の基礎をつくったり、その鉄塔に登り、ヘリコプターと連携しつつ送電線を張り上げたりと、非常に難しい仕事を担う送電鳶。

  • 足場をつくらずに高所で作業をするため、落下などのリスクが増大する
  • 点検の際は電気を止めずに行うため、感電のリスクが伴う

といった事情から、他の鳶以上に高いリスクが伴う環境下で作業をこなします。

しかし、電気の安定的な供給には鉄塔及び送電線の設立・点検作業が不可欠であることから、現代社会において送電鳶は欠かせません。

それにも関わらず、その難易度及び専門性、そして危険性の高さを理由に、送電鳶のなり手は大幅に不足しています。

一般社団法人送電線建設技術研究会によれば、国内の送電線の長さは約8万キロメートル(地球約2周分)に及ぶ一方で、それを管理できる送電鳶は、わずか4000人ほどしかいないとされているのです。

現在日本に存在する送電線の多くは高度経済成長期に整備されたものであり、老朽化が進んでいるため、今後送電鳶の活躍の場はますます増えるでしょう。

そのような中で、送電鳶の人数確保は、国のインフラ基盤を脅かす深刻な課題となっています。

3. 鳶の仕事にまつわるよくある6つの質問

3. 鳶の仕事にまつわるよくある6つの質問

「鳶の仕事内容は分かったけれど、給料ってどうなの?」
「やりがいのある仕事だとは思うけど、大変な面もあるんでしょう?」

このように、「鳶の仕事についてもっと色々なことを知りたい」とお考えの方向けに、ここからは、鳶の仕事に関する下記6つの質問に回答していきます。

鳶の仕事に関する6つの質問
  • 鳶の仕事の給与相場はどのくらい?
  • 鳶の仕事のやりがいは?
  • 鳶の仕事で辛いことは?
  • 鳶の仕事の1日のスケジュールは?
  • 鳶の仕事に必要な資格は?
  • 鳶の仕事の将来性は?

鳶に限ったことではありませんが、新しい仕事に就く際に、その仕事についての理解を深めることは、就職後のリアリティショック(理想と現実のギャップに衝撃を受けること)を防ぐためにも重要です。

具体例を交えながら回答しますので、1つずつ見ていきましょう。

3-1. 鳶の仕事の給与相場はどのくらい?

厚生労働省が実施した「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、鳶を含む建築躯体工事事業者の年収相場は、企業規模別に下記のとおりです。

社員数10~999人の企業
社員数1000人以上の企業
月収相場36万8200円34万7300円
特別給与額相場(賞与含む)64万1700円112万3900円
【計】年収相場506万0100円529万1500円

※「令和6年賃金構造基本統計調査」のうち、「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業別)」における数値を参照

一方、国税庁が実施した「令和5年分給与実態統計調査」によれば、国内における平均年収は460万円となっています。

つまり、「鳶の仕事に就けば、平均を上回る収入を得られる可能性がある」ということが、お分かりいただけるのではないでしょうか。

更に、前述の年収はあくまでも「相場」。

初めのうちは相場を下回ることが多いですが、その一方、経験を積んでキャリアアップすることで、最終的には相場を大幅に上回る収入を得られるケースも多々あります。

下記は足場鳶のキャリアアップの一例です。
※会社や地域によって目安年収は増減します。
※レベル分けも、会社によって異なります。

レベル 目安期間 仕事内容
目安年収
見習い(新人) 0~6か月 資材名の把握・運搬、簡単な補助作業、ルールの把握などを行う 300万円〜
初級職人 6か月~2年 簡単な足場の組立・解体などを行う
中堅職人 2年~3年 組立や解体など、足場全体の流れを把握し、作業の一部分を任される 400~600万円
一人前 3年~5年 自ら図面を読み、足場の設計・組立・解体を行える
職長(リーダー職) 5年~ 現場責任者として安全・工程を管理できる
マイスター 本人次第 上記作業や新人指導は当たり前にできた上で、+αの価値を生み出せる 800万円~
独立・自営 本人次第 経験・スキルを活かして独立し、自分の会社を立ち上げる 600万円~1000万円以上

以下の動画では、エルラインで活躍中のベテラン職人が収入についてお話しておりますので、あわせてご参照ください。

▼動画で見る!
足場職人のお給料と仕事の実態

専門的な技術力が求められることはもちろん、一歩間違えれば大事故が起こる可能性もある危険な仕事だからこそ、鳶は、平均より高い収入を見込むことができるのです。

3-2. 鳶の仕事のやりがいは?

鳶の仕事には様々なやりがいがありますが、特に大きなやりがいを4つ、下記のとおりご紹介します。

鳶の仕事のやりがい4つ
  • 自身が携わった建造物が完成したとき、大きな達成感を得られる
  • 「高所」という非日常な場所での作業で、解放感や楽しさを感じられる
  • 稼ぎながら自然と身体を鍛えることができる
  • 少ない残業&高収入でプライベートを充実させられる

3-2-1. 自身が携わった建造物が完成したとき、大きな達成感を得られる

まず、自身が携わった建造物が完成したときに大きな達成感を得られます。

完成した建造物を見たとき、そして、自身の仕事が社会(例:人々の生活や街づくりなど)に大きく貢献したことを実感できたとき、得られる達成感は唯一無二のものです。

エルラインでも、小規模なものから下記のような大規模なものまで、様々な現場に携わっています。

エルラインの施工事例(一例)
茅ヶ崎中央病院東館/湘南医療大学医療大学・健診センター・病院機能等が備わる複合施設の建設現場に従事
徳洲会ジムナスティクスアリーナオリンピアンの輩出を目指す国内屈指の体操場の建設現場に従事
レーベン鶴岡GRAN MARK TERRACE地域のシンボルとなる低層大型レジデンスの開発現場に従事

作業員の皆さんと協力しつつ、丁寧かつ安全に作業を進めた成果が実を結んだときは毎回、「この仕事をやっていて良かった!」という満足感を噛みしめる瞬間です。

よろしければ、エルラインホームページ上の「施工事例」ページもあわせてご参照ください。

3-2-2. 「高所」という非日常な場所での作業で、解放感や楽しさを感じられる

「高所」という非日常な場所で作業するため、解放感や楽しさを感じられる点もやりがいの1つです。

繰り返しになりますが、「地上数メートル~数十メートル程度、場合によっては50メートル以上の高所において、建設作業に携わる」というのが鳶の主な仕事。

鳥のように、高所を自在に移動しながら作業をする中で感じられる高揚感・爽快感は、日常生活の中では感じることができない特別な感覚です。

元々高い所が好きな方であれば、この「高所での作業」という部分に、特に大きなやりがいを感じられるでしょう。

3-2-3. 稼ぎながら自然と身体を鍛えることができる

また、稼ぎながら自然と身体を鍛えられるという点も、着目すべきポイントでしょう。

鳶は身体をフル活用して臨む仕事なので、自宅でトレーニングを行ったりジムに通ったりしなくても、仕事自体が運動となり、身体が強くなります。

そして、当然ながら、運動習慣をつけることは、自身の健康にも繋がるのです。

厚生労働省「令和5年「国民健康・栄養調査結果の概要」」によれば、20歳以上の国民のうち、運動習慣がある人(1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している人)の割合は、男性が36.2%、女性が28.6%にとどまっています。

運動習慣が無い人の中には、単純に運動が苦手という人がいる一方で、「仕事や生活が忙しく、運動する時間が取れない」という人もいるでしょう。

そのような中、仕事を通じて自然と身体を鍛えられる環境に身を置けることは、「人生100年時代」と称され、健康な身体づくりがますます重要視される現代において、大きな魅力です。

3-2-4. 少ない残業&高収入でプライベートを充実させられる

そして、残業が少ないうえに高収入であるため、プライベートを充実させられる点もやりがいです。

「鳶って、残業がすごく多くて、お休みも滅多に取れないんじゃない?」
「とにかく大変そうな仕事だよね…」

このようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、そのイメージには誤解があります。

実情は下記のとおりです。

残業暗くなってからの高所作業は危険であるため、残業はそこまで多くなく、定時に帰宅できることも多々ある
休み企業によっても違いがあるが、「日曜・祝日休み」「GW・夏季休暇・年末年始などの長期休暇あり」という所が多い

確かにかつて、鳶を含む建設業は、残業や休日出勤が非常に多い業界でした。

しかし、

  • 他業界と比べても、残業・休日出勤が多いハードな環境で働くことを余儀なくされ、職人にかかる肉体的・精神的負担が問題視された
  • 「大変そう」というマイナスイメージが要因の1つとなり、「なり手不足」が深刻化した(詳細は「3-6.鳶の仕事の将来性は?」にて後述します。)

といった様々な問題が噴出。

そのため、2024年4月からは残業時間の上限が「月45時間・年360時間」と法律で定められるなど、いわゆる働き方改革によって、業界全体の在り方の見直しが急速に進んでいるのです。
参考:厚生労働省「「働き方改革関連法」の概要

一方で、週休2日制に関しても、現時点において義務化はされていないものの導入が後押しされており、建設業はこれからますますクリーンな業界になっていくことが予想されます。

平均以上の収入が得られる可能性があることも加味すると、鳶は、「やりがいのある仕事」と「充実したプライベート」を両立させやすい職業であると言えるでしょう。

【POINT】

夜勤や出張の多さに関しては、鳶の種類によって差があります。
「夜勤や長期出張はなるべく避けたい」という方は、夜勤・出張の少ない種類を選択することがおすすめです。
詳細は「5-2.他の鳶よりも生活リズムが安定しやすい」をご参照ください。

3-3. 鳶の仕事で辛いことは?

かつて、建設業の労働環境は「3K(きつい・汚い・危険)」などと表現されていたこともあり、「鳶の仕事=辛いもの」とイメージされる方も多いでしょう。

しかし、前述の通り近年では「新3K(給与が良い・休暇が取れる・希望が持てる)」が提唱されるなど、鳶の労働環境は改善されつつあります。

とは言え、当然ながら、辛いことが全くない訳ではありません。

鳶の仕事の辛さ
  • 天候や暑さ・寒さの影響を大きく受ける
  • 体力的な負担が大きい
  • 危険と隣り合わせの現場で繊細な作業を求められることによる精神的な負担も大きい
  • 業界の特性上、職場に昔ながらの厳しい上下関係が残っている

中でも特に辛いという声が多いのが、「暑さ」についてです。

気象庁「気候変動監視レポート」によれば、日本の年平均気温は2023年・2024年の2年連続で観測史上1位を更新。

日本の暑さが年々厳しさを増していることが分かりますが、一方で鳶の仕事は無くなりません。
そのような状況下において、最も気を付けなければならないのは、やはり「熱中症」でしょう。

厚生労働省「令和6年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」」によれば、令和6年における職場での熱中症による死傷者は1257人(前年比約14%増)で、そのうち約4割が建設業・製造業で発生しています。

つまり、それだけ多くの鳶職人が、建設現場の「暑さ」に苦しみ、熱中症のリスクと隣り合わせで働いているということです。

エルラインの職人たちも、以下の動画に登場する空調服を着用したり、こまめな休憩を心がけたりすることで、自身の身体を守りつつ、暑い中での作業に励んでいます。

▼動画で見る!現場で行っている暑さ対策
空調服の魅力

【POINT】

前述の辛さのうち、「厳しい上下関係」については、職場によって大きく異なります。
近年ではアットホームで風通しが良く、人間関係が良好な職場も増えているので、そのような職場を選んで就職することで、辛さを軽減できるでしょう。
詳しくは「6-3.社風にも着目しよう」にて後述しますので、あわせてご参照ください。

3-4. 鳶の仕事の1日のスケジュールは?

当然ながら、現場や状況によってスケジュールは変わりますが、今回は足場鳶のとある1日を例に、一般的な1日のスケジュールをご紹介しましょう。

鳶のスケジュール(一例)
【7:00~7:30】
朝礼・準備
現場に集合し、その日の作業内容や注意点を確認する
【7:30~10:00】
午前の作業開始
作業がスムーズに進むよう、資材を搬入・配置したうえで、足場の組立作業を開始する
【10:00~10:30】
休憩
作業の進捗を確認しつつ、水分補給やストレッチを行う
【10:30~12:00】
作業再開
引き続き、安全を最優先しながら足場の組み上げを進める
【12:00~13:00】
昼食休憩
弁当を食べて栄養補給をし、午後の作業に備え身体を休める
【13:00~15:00】
午後の作業開始
足場の組み上げの仕上げや調整作業を行う
【15:00~15:30】
休憩
作業の進捗を確認しつつ、水分補給やストレッチを行う
【15:30~17:00】
仕上げ作業
最も疲れが出やすい時間のため、気を引き締めながら、足場の細かい点検や調整を行う
【17:00~17:30】
片付け・終礼
道具や資材を片付け、1日の作業及び注意点の報告、翌日の作業確認を行う

上記からも分かるように、鳶の仕事には

  • 朝が早く、その分終わりも早い
  • 建設現場へ直行・直帰できるケースが多い

などの特徴があります。

また、休憩を複数回取ることで、作業の安全性を高めることも重要です。

3-5. 鳶の仕事に必要な資格は?

鳶の仕事に就くために必要な資格というものは無く、無資格の未経験者でも鳶を目指せるというのは、前述のとおりです。

しかしながら、作業の幅を広げたり、自身のスキルを向上させてキャリアアップを目指したりするために、取得が推奨される資格は多数あります。

特に、下記2つの資格については、「2.鳶には5つの種類がある|それぞれの仕事内容を紹介」にてご紹介した全ての種類の鳶の仕事において役立つため、取得することがおすすめです。

資格名概要
とび技能士鳶に関するあらゆる能力を証明する国家資格で、取得することで実力をアピールできる。
3級~1級に分かれており、3級は実務経験無しでも受験できる。
玉掛け技能講習玉掛け作業(クレーンで吊る資材にワイヤーやフックをかける作業)に関する技能を習得していることを証明する資格。
特に吊り上げ荷重1トン以上のクレーン等を用いる場合には、この資格の取得が必須となる。

更に、下記はあくまでも一例ですが、鳶の種類によって取得すべき資格も存在するので、気になる方はチェックしてみてください。

資格名(鳶の種類)概要
足場の組立て等特別教育
(足場鳶)
足場の組立て・解体・変更の作業に従事することが可能となる
ガス溶接技能者/アーク溶接作業者
(鉄骨鳶)
基本的な溶接作業を行うことが可能となる
大型自動車運転免許
(重量鳶)
条件を満たしたダンプ・トラック・重機などの使用が可能となる

資格を取得すると、前述のとおり現場での作業の幅が広がりますし、資格取得のために努力を惜しまない姿勢も、大いに評価されるでしょう。

「色々な作業を行えるようになりたい」
「責任ある仕事を任される人材になりたい」
「昇給を目指したい」

上記のようにお考えの方は、積極的に資格を取得していきましょう。
なお、資格の取得を支援する制度を整えている建設会社も増えており、私たちエルラインも、みなさんの「頑張りたい!」を応援すべく、資格取得費用は全額会社負担という制度を整えております。

3-6. 鳶の仕事の将来性は?

鳶の仕事は非常に将来性の高い仕事であると言えます。

その理由は、「今後も需要が増え続ける見込みがあるにも関わらず、今、深刻な人手不足に陥りつつある業界であるため」です。

そもそも、新しい建造物が建ったり、既存の建造物を修繕したりする必要性がある限り、鳶の仕事が無くなることはありません。

そのうえで、鳶の需要が増える見込みがある理由としては、インフラの老朽化の進行や、大雨や地震による復興作業の重要性の向上などが挙げられます。

そのような状況にも関わらず、国土交通省「建設業を巡る現状と課題」によれば、平成9年には685万人いた建設業就業者数が、令和4年時点で479万人にまで減っているのです。

更に、このうち55歳以上が35.9%を締めているのに対し、29歳以下はわずか11.7%にとどまるなど高齢化も進んでいて、次世代への技術継承も大きな課題であると言えるでしょう。

近年では、AIの台頭や新しい技術の開発によって、無くなる仕事もあるとされています。

しかし、現場に合わせた技術や判断力、そして、各業務を担う職人間でコミュニケーションをとることをもって初めて成立する鳶の仕事は、AIや機械によって代用されるものではありません。

  • 需要増加
  • 人手不足
  • AIや機械での代用は不可

という3拍子が揃った鳶の仕事の技術を身に付ければ、社会から継続的に必要とされ続けるでしょう。

4. 鳶の仕事が向いている人の特徴6つ

4. 鳶の仕事が向いている人の特徴6つ

「鳶の仕事にすごく興味が湧いてきたけれど、自分にできるかな…」

本記事をここまでお読みになって、鳶の仕事に興味を持たれた方向けに、「鳶の仕事が向いている人の特徴」を6つ、ご紹介します。

特徴
理由
高い所が苦手でない人鳶の仕事には高所作業がつきものであり、できれば高所への苦手意識が無い方が良いため
体力・運動能力に自信がある人重い資材の持ち運びや、高所での安定作業を行ううえで、体力や運動能力が必要となるため
安全意識が高い人一歩間違えれば重大な事故が起こる環境で作業するにあたり、「何が危ないか」を常に考えながら行動することが求められるため
コミュニケーション力がある人鳶同士はもちろん、現場で働く様々な業種の人々と連携する必要があるため
チームワーク力がある人「チームで動くこと」が重要な仕事であり、自分本位な行動は事故の原因になりかねないため
積極的な向上心がある人先輩職人の仕事から様々な技術を学んだり、資格取得によって業務の幅を広げたりできる人こそ、真に必要とされる人材であるため

当てはまる数が多ければ多いほど、鳶の仕事が向いている方です。

是非、上記の表とご自身の性格を照らし合わせて、チェックしてみてくださいね。

5. 未経験で鳶の仕事に就くなら足場鳶がおすすめ!

5. 未経験で鳶の仕事に就くなら足場鳶がおすすめ!

「自分は鳶に向いているかも」
「未経験からのチャレンジになるけれど、頑張ってみたい!」

そのように思われた方、初めは「2.鳶には5つの種類がある|それぞれの仕事内容を紹介」でご紹介した種類のうち、「足場鳶」を目指すことがおすすめです。

未経験の方に足場鳶をおすすめする3つの理由
  • 他の鳶と比べて専門性が低めで、未経験者でもチャレンジしやすい
  • 他の鳶よりも生活リズムが安定しやすい
  • 安定した需要が見込まれ、求人数も多い

上記のとおり、3つの理由があるので、1つずつ解説していきます。

5-1. 他の鳶と比べて専門性が低めで、未経験者でもチャレンジしやすい

1つ目の理由は「他の鳶と比べて専門性が低めで、未経験者でもチャレンジしやすい」というものです。

前述のとおり、現場の状況に合わせた足場を計画・設置する必要があること、そして、それが作業員の安全や作業効率を左右することを鑑みると、足場鳶の仕事も十分に難しいことは間違いありません。

しかし、下記のような理由で、他の種類の鳶の仕事においては、足場鳶以上に高い専門性が求められます。

鳶の種類専門性が高い理由
鉄骨鳶寸分の狂いも無く鉄骨を組み上げる必要があり、高所で溶接作業を行う技術を求められることもある
重量鳶大型クレーンなどを正確に操作し、重量物の搬入などを数ミリ単位で正確に行う必要がある
橋梁鳶河川や崖の上など、足場が不安定な場所で、「横方向に伸びる特殊な建造物」を組み立てる技術が求められる
送電鳶足場を作らず作業をする、感電の恐れがあるなど、あらゆるリスクが高い中で作業できる冷静さが必要になる

3-6.鳶の仕事の将来性は?」にて解説したとおり、鳶を含む建設業界は重大な人手不足に陥っているのが現状です。

そのため、どの種類の鳶においても「未経験者歓迎」の求人が見受けられますが、実際のところ、足場鳶以外の鳶の仕事を未経験から極めていくのは大変と言わざるを得ません。

鳶の世界に初めて飛び込むという方はまず、足場鳶を目指しましょう。

5-2. 他の鳶よりも生活リズムが安定しやすい

2つ目の理由は「他の鳶よりも生活リズムが安定しやすい」というものです。

3-2-4.少ない残業&高収入でプライベートを充実させられる」にて触れたとおり、鳶を含む建設業は、働き方改革の推進などにより、クリーンな業界に生まれ変わりつつあります。

しかし、下記の一例からも分かるとおり、鳶の種類によっては夜勤や出張が多く、生活リズムを安定させづらいものもあるのです。

鳶の種類生活リズムが不安定である理由(一例)
重量鳶重量物を屋内に設置する作業などは、夜間でもできる。
例えば昼間稼働している工場が現場の場合、工場が休止中の夜間に作業することもある。
送電鳶例えば山間部や僻地など、送電線がある所ならどこでも現場となり得る。
このようなアクセス困難な現場での作業を行う場合、出張を伴うことが多い。

この点、足場鳶は、

  • 屋外での作業が大半であるため、暗くなってからの作業が少ない
  • 「出張がほぼ無い」ことを謳っている会社を選べば、長期出張もほぼ無い

など、生活リズムが安定しやすいのが特徴。

家族や子供との時間を大切にしたいなどの事情がある方にとって、「安定した生活リズム」は大きなメリットであると言えるでしょう。

5-3. 安定した需要が見込まれ、求人数も多い

そして、3つ目の理由は「安定した需要が見込まれ、求人数も多い」というものです。

繰り返しになりますが、足場はあらゆる建設現場において必要なため、足場鳶の需要も非常に安定しています。

実際、正確な統計では無いものの、需要等を鑑みると、鳶職人全体のうち6~7割が足場鳶であると推測されることは「1-1.足場鳶」にて述べたとおり。

つまり、足場鳶の求人数は他の鳶と比べて多く、足場鳶であれば、その中から自分に合った条件を提示している企業を探すことができる可能性が高いのです。

なお、厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年5月分)について」内の「参考統計表」によれば、鳶を含む建設躯体工事従事者の有効求人倍率は「7.64」となっています。

有効求人倍率は、1人の求職者に対する求人数を示す指標であるため、建設業界が「売り手市場(求職者よりも求人数が多い状態)」となっている現状を改めてご理解いただけることでしょう。

これはすなわち、「未経験でも熱意があれば、自分の好みの求人を選び、就職できるチャンスが大きい」ということを意味します。

具体的にどのような会社を選べば良いのか、そのポイントについては次章にて解説しますので、あわせてご参照いただけると幸いです。

6. 足場鳶を募集している建設会社を選ぶ際の3つのポイント

6. 足場鳶を募集している建設会社を選ぶ際の3つのポイント

実際に鳶の仕事に就きたいと思われた場合、経験豊富な親方に弟子入りするなど、様々な方法が考えられますが、最もおすすめの方法は「建設会社に正社員として入社する」というものでしょう。

なぜなら、それが鳶としてのキャリアを最も安定的に積むことに繋がるためです。

その際は、下記のようなポイントに注意して、どの建設会社の求人に応募するかを検討するようにしてください。

建設会社の選び方の3つのポイント
  • 勢いのある会社かどうかを見極めよう
  • 安定性を求めるなら「日給制」より「月給制」の会社を選ぼう
  • 社風にも着目しよう

1つずつ、解説します。

6-1. 勢いのある会社かどうかを見極めよう

まず、最も重要なのが、勢いのある会社かどうかをしっかり見極めることです。

具体的には、下記のような点に着目してみましょう。

勢いのある会社を見極めるポイント
  • 過去数年間の売上高や営業利益の推移から、安定的に成長していることが分かるか
  • 会社のビジョンが明確で、競合他社と差別化できているか
  • 社員教育制度がしっかり確立されるなど、人材育成を積極的に行っているか
  • 福利厚生が充実していて、社員を大切にしているか

繰り返しになりますが、鳶が必要な建設現場は多数あり、高い需要があるにも関わらず、人材は大幅に不足しています。

この情報だけを踏まえると、「必要とされる現場がたくさんあるのだから、建設会社はどこでも安泰なのではないか」と感じられるかもしれません。

しかし残念なことに、倒産に追い込まれている会社も多数あるというのが実情です。

帝国データバンク「「建設業」倒産動向調査(2024年)」によれば、2024年に発生した建設業の倒産は1890件にのぼり、過去10年で最多となりました。

倒産の主な要因としては、資材やエネルギー価格の高止まりによる影響を強く受けてしまったことや、人材確保が困難で、経営が立ち行かなくなってしまったことなどが挙げられます。

つまり、

  • 建設会社の中にも、経営基盤が脆弱な会社が多数あること
  • そのような会社を選んでしまうと、昇給が見込めないうえに常に倒産のリスクが付きまとう可能性があること

などをしっかり認識したうえで、求職活動を行う必要があるということです。

勢いのある建設会社の一員となれば、規模の大きい現場や、社会に大きく貢献できる重要な案件に携われるチャンスも多くなります。

鳶として、やりがいを感じながらキャリアを築いていくためにも、会社選びはしっかり行いましょう。

6-2. 安定性を求めるなら「日給制」より「月給制」の会社を選ぼう

安定性を求める方の場合、「日給制」よりも「月給制」の会社を選ぶことも大切です。

鳶の仕事は、天候や体調に大きく左右されることもあり、かつてから「日給制」の文化が強く根付いています。

「正社員=月給制」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、上記のような事情により、建設会社においては、「正社員でも日給制」というスタイルを貫いている所も多いです。

「自分の都合に合わせて、自由なタイミングで働きたい」
「休日が少なくなっても良いから、どんどん稼ぎたい」

このような方には、日給制の会社の方が合っているかもしれません。

しかし、日給制には、「天候や体調の関係、あるいは案件が無いなどの理由で出勤日が減ってしまうと、その分収入も減る」という大きなデメリットがあります。

また、「3-2-4.少ない残業&高収入でプライベートを充実させられる」で触れたとおり、働き方改革が進んでいる関係で、今後、日給制の会社を選ぶ大きなメリットの1つである「休日出勤をして稼ぐ」という働き方ができなくなる可能性も高いです。

外的要因に左右されることなく、また、休日のプライベートを大切にしながらも安定した収入を得たいという方は、月給制の会社を選びましょう。

6-3. 社風にも着目しよう

社風もしっかりとチェックしましょう。

建設会社の中には、昔からの厳しい上下関係や体育会系の文化が色濃く残っている所もあります。

鳶の仕事は、命にも関わる危険なものであるため、厳しい指導が必要となるシーンがあるのは当然です。

しかし、上下関係があまりにも厳しく、根性論が支配するような会社を選んでしまうと、継続して働くことが難しいと感じる方も出てきてしまうでしょう。

近年では、風通しが良く、アットホームな雰囲気の建設会社も多数存在しています。

なお、エルラインでは、SNSを通じて社内の様子をお見せしたり(下記動画参照)、現場見学会を開催したりしており、このような機会を活用すると、社風を肌で感じることができるのでおすすめですよ。

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7. まとめ

本記事の内容をまとめます。

鳶の主な仕事は、「建設現場において必要不可欠な高所での作業」です。

鳶は、仕事内容によって、下記の5種類に分類されます。

鳶の種類
内容
足場鳶建設現場の足場について、設置から解体までのあらゆる作業を担う
鉄骨鳶高層ビルや商業施設などの大型・高層建築の骨格を鉄骨で組み上げる
重量鳶綿密な施工計画に基づき、重量物の搬入・設置・据置を行う
橋梁鳶橋梁工事の現場を専門に、足場及び骨格、橋げたを設置するなどの高所作業を担う
送電鳶送電線や、それを支える鉄塔を建設・点検する

鳶の仕事に関して気になる質問に対する回答は、下記のとおりです。

質問回答
給与相場平均を上回る収入を得られる可能性が高い
やりがい建造物が完成したときに得られる達成感など、複数ある
辛さ近年では暑さが特に辛いという声が多い
スケジュール始まりも終わりも早く、現場に直行・直帰できるケースも多い
必要資格無資格の未経験者でも鳶を目指せるが、働きながらの取得が推奨される
将来性需要増加の一方で人手不足が深刻化しており、将来性は高い

下記の特徴に当てはまる人は、鳶の仕事が向いています。

特徴
  • 高い所が苦手でない人
  • 体力・運動能力に自信がある人
  • 安全意識が高い人
  • コミュニケーション力がある人
  • チームワーク力がある人
  • 積極的な向上心がある人

なお、未経験で鳶の仕事に就く場合、専門性などの観点から「足場鳶」を選ぶのがおすすめ。

建設会社を選ぶ際は、会社の勢いや給与形態、社風などに着目するようにしましょう。

本記事が、鳶の仕事に就くことを検討している皆様の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

株式会社エルライン 社長室 1級電気工事施工管理技士

新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向し、教育に携わる。2024年4月にエルライングループにジョインし、教育や採用活動、広報・マーケティング業務などに従事。

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