
水野源太
株式会社エルライン 社長室 1級電気工事施工管理技士
新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての実務経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向し、教育に携わる。2024年4月にエルライングループにジョインし、教育や採用、広報・デジタルマーケティング・新規事業開発などに従事。


水野源太
株式会社エルライン 社長室 1級電気工事施工管理技士
新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての実務経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向し、教育に携わる。2024年4月にエルライングループにジョインし、教育や採用、広報・デジタルマーケティング・新規事業開発などに従事。
「鳶職ってどんな仕事なんだろう…?」
「未経験でもできるのかなぁ?」
鳶職(とび職)という言葉は聞いたことあるし、建設現場で働く姿は見たことあるけど、
実際のところどうなんだろう?と思ってしまいますよね…。
そこで本記事では、足場の施工・販売を手掛ける専門家である株式会社エルラインが、鳶職の基本的な仕事内容や給与情報やキャリアパスについて解説していきたいと思います。
たくさんの鳶職人(とび職人)を抱えるエルラインだからこそ話せる、内部情報も合わせてお伝えしていくので、最後までご覧ください。
鳶職には足場鳶、鉄骨鳶、橋桁・重量鳶の主に3種類あります。
鳶職の中でも、職人数がもっとも多いのが、足場鳶(あしばとび)です。
一般的な場面で使われる「鳶職(とび職)」は、この足場鳶を指していることが多いため、本記事ではこの足場鳶の仕事を中心に解説していきます。
足場鳶は、建設現場で作業員が安全に作業できるように足場を組み立て、解体する専門職です。
建築工事や塗装工事、修繕工事など、あらゆる工事に関わるため、建設業界の縁の下の力持ちとして重要な役割を担っています。
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鳶職(とび職)の仕事は、大きく分けて以下の3つの工程に分類されます。
鳶職(とび職)は、現場に応じて異なる足場を組み立てるため、それぞれの足場の特性を理解しておく必要があります。
| 足場の種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| くさび式足場 | 部材をはめ込むだけで組立・解体が簡単 | 戸建て・低層建築・リフォーム |
| 枠組足場 | 頑丈で高所作業向き | 高層建築・ビル・マンション |
| 単管足場 | 鉄パイプを組み合わせて自由度が高い | 狭い場所・特殊形状の建物 |
| 吊り足場 | 上部から吊り下げる足場 | 橋梁・トンネル工事 |
※足場の種類をクリックすると詳細な説明をしている記事に飛ぶことができます。
鳶職(とび職)は、建設現場での安全確保だけでなく、工事全体の進行を左右する重要な役割を担っています。
建設現場で見かける足場は、一見どれも同じように見えます。しかし、実際には職人の技術によって仕上がりに大きな違いが生まれます。
例えば、熟練した鳶職(とび職)が組んだ足場は、安定感があり、揺れが少ないのが特徴です。部材同士の接合がしっかりしており、クランプの締め方や足場板の配置も計算されています。
これに対し、経験の浅い職人が組んだ足場は、わずかなズレや緩みが生じることがあり、歩いたときの微妙な振動やガタつきが気になることがあります。
また、作業効率にも差が出ます。
熟練の職人は、現場の状況を瞬時に判断し、最適な組み方を選択するため、短時間で頑丈な足場を組み上げます。
安全性と作業しやすさを両立させる技術こそが、職人の腕の見せどころなのです。
鳶職(とび職)の仕事は、建設現場で安全に作業を進めるための足場を組み立てたり、解体したりすることです。高所での作業が多く、チームでの連携が非常に重要になります。ここでは、鳶職(とび職)の一般的な一日の流れを時系列で紹介します。
現場に集合し、朝礼を行います。この時間に、作業員全員が集まり、その日の作業内容や注意点を確認します。
また、作業前にはストレッチや軽い準備運動を行い、ケガを防ぐための準備を整えます。
朝礼が終わると、いよいよ作業が始まります。
・資材運搬(7:30〜8:00)
最初に、足場を組み立てるための資材を運搬します。鉄パイプやクランプ、足場板などの材料を現場に搬入し、作業がスムーズに進むように配置します。
・足場の組み立て(8:00〜10:00)
足場を組み立てる作業に入ります。高所作業になるため、安全帯を装着しながら慎重に作業を進めます。
鳶職(とび職)の仕事は体力を使うため、午前の作業が一段落したら小休憩を取ります。
休憩が終わると、午前の作業の続きを行います。
鳶職(とび職)の作業は、高所でのバランス感覚や正確な手順が求められるため、慎重に作業を行います。
午前の作業が終わったら、昼休憩です。
体をしっかり休めることで、午後の作業を安全に進めることができます。
昼休憩が終わると、再び作業開始です。午後は、足場の組み立ての仕上げや調整作業を行います。
また、この時間帯は作業の集中力が落ちやすいため、こまめに声を掛け合い、安全確認を徹底します。
午後の作業の途中で、もう一度休憩を取ります。特に夏場は熱中症の危険があるため、水分補給や体調管理が重要です。
最後の作業では、足場の点検や細かい調整を行います。
この時間帯は疲れが出やすいため、特に慎重に作業を進めることが大切です。
作業が終わったら、使用した道具や資材を片付け、終礼を行います。
終礼が終わったら、解散となります。作業がスムーズに進めば、定時で終わることが多いですが、現場の状況によっては残業が発生する場合もあります。
エルラインでは未経験からスタートできる鳶職(足場とび)を募集中です。資格取得支援やチームのサポート体制も万全です。
まだ「鳶職になるかも決めてないよ」「転職するかも迷っている」という方でも、まったく問題ありません。
もし、少しでも興味のある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

足場鳶は、未経験から始める人も多いですが、向き・不向きがある職業でもあります。では、どのような人が鳶職(とび職)に向いているのか?
鳶職(とび職)に向いている人の特徴は、以下の6つです。
一つひとつ解説していきたいと思います。
鳶職(とび職)の仕事は、建設現場で数メートルから数十メートルの高所で作業することがほとんどです。そのため、高所恐怖症の人には向いていません。
ただし、最初は高所が怖くても、慣れれば問題なく作業できるようになる人もいます。
実際、多くの鳶職人が「最初は怖かったが、今では普通に作業できる」と話しています。
向いている人の特徴
鳶職(とび職)の仕事は、一日中体を動かす仕事です。鉄パイプを持ち上げたり、足場板を運んだりと、筋力を使う作業が多くなります。そのため、体力に自信がある人のほうが向いています。
ただし、無理に重いものを持ち上げる必要はなく、適切な道具や技術を使えば負担を軽減することも可能です。また、働きながら自然と筋力がつくため、最初は体力に自信がなくても問題ありません。
向いている人の特徴
鳶職(とび職)は、チームで作業を進める仕事です。足場を組み立てるときは、仲間と声を掛け合い、協力しながら安全に作業を進めることが重要になります。
個人プレーではなく、仲間と協力しながら作業できる人が向いています。周囲とコミュニケーションを取り、息を合わせて作業できる人は、鳶職の世界で活躍しやすいです。
向いている人の特徴
鳶職(とび職)の仕事は、高所での作業が多いため、少しのミスが事故につながる可能性があります。 そのため、一つひとつの作業に集中し、ミスなく作業できる人が向いています。
また、足場を組み立てるときは、部材の固定やバランスの調整を慎重に行う必要があるため、細かい作業が得意な人にも向いています。
向いている人の特徴
デスクワークよりも、外で体を動かす仕事が好きな人にはピッタリの仕事です。
鳶職(とび職)の仕事は、建設現場での作業が中心のため、屋外で働くことが好きな人に向いています。
また、工事の進捗に合わせて作業内容が変わるため、同じ作業を繰り返すのが苦手な人にもおすすめです。毎日違う環境で働くことにやりがいを感じる人には、非常に向いている仕事です。
向いている人の特徴
鳶職(とび職)は、専門的な技術が必要な仕事です。
そのため、経験を積めば積むほど、スキルが身につき、将来的に独立することも可能です。
また、資格を取得することで、より高度な作業を担当できるようになり、給料アップにもつながります。
「手に職をつけて安定した収入を得たい」と考えている人には、非常に魅力的な職業です。
向いている人の特徴
鳶職(とび職)の仕事は、単なる「足場を組む作業」ではなく、
といった、建設現場全体を支える重要な役割を担っています。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(令和3年)によると、鳶職の平均月給は約31万円、平均年収は約405万円と報告されています。
ただし、これは全国平均であり、個々の状況によって異なります。
給与や年収は、経験や技術、資格の有無によって変動します。また、地域差もあり、都市部では比較的高めの傾向があります。
鳶職のキャリアパスは、経験とスキルによって大きく変わります。
鳶職は特に、技術力と責任感が重要視される職業であり、キャリアアップの道は自分の努力次第で大きく広がります。
ここでは、鳶職におけるキャリアパスの段階と、それに伴う年収の変化について詳しく解説します。
未経験者として鳶職に就く場合、最初は基本的な作業から始まります。
足場の組み立てや解体作業、簡単な補助作業を行いながら、現場での経験を積んでいきます。
この時期には、現場での作業や道具の使い方、安全対策について学び、職人としての基礎を築くことが求められます。
年収の目安
初めは給料が低めですが、経験を積むことで着実にスキルが向上し、給与にも反映されるようになります。
ある程度の経験を積んだ中堅職人になると、現場での作業範囲が広がり、より責任のある作業を任されるようになります。
鉄骨工事や重機を使った作業、足場の設計や計画の手伝いなど、専門的な技術を学びながらキャリアを積んでいきます。
この時期には、後輩や新人を指導する役割も求められるようになります。
年収の目安
この段階で、収入は安定し、さらに現場ごとの手当や残業代などが加わることもあります。また、独立を考える人も増え、この時期の経験が今後のキャリアに大きな影響を与えます。
職長は現場のリーダー的な役割を担い、鳶職の中でも重要なポジションです。現場全体の管理や、作業員の指導・教育、安全対策の確認、進捗状況の報告など、広範な業務をこなします。このポジションではチームを管理し、効率的かつ安全に作業を進めるための調整力が求められます。
年収の目安
職長になれば、現場での責任が増す分、給与も大きく上がります。鳶職の中では最も高い収入を得ることができ、職場内での地位も向上します。
長年の経験とスキルを積んだ鳶職は、独立して自分の会社を立ち上げることも可能です。独立後は、元請けとして仕事を請け負うことができます。自分で会社を経営することになるため、収入は大きく変動します。
年収の目安
安定した受注があれば高収入を得ることも可能ですが、経営者としてのスキルも求められます。経営が軌道に乗ると、年収1000万円以上も現実的になります。
以下の動画(TikTok)では、エルラインのベテラン鳶職人にインタビューを行っており、その中で、今の給料について語られています。ぜひ、ご覧ください。
鳶職のキャリアパスは、技術を磨きながら成長していけるものです。経験を積んでいくことで、より多くの責任を担い、収入の安定性や将来性も高まります。
特に、大型建設現場での経験や特殊な技能を持つ職人は、さらに高収入を得るチャンスが広がります。
将来的には、現場監督として施工管理を行ったり、鳶職に関連する他の分野(足場設計、施工管理)に転職したりする道もあります。
鳶職は、最初は体力的に厳しい部分もありますが、経験を積むことで安定した収入を得られる職業です。
キャリアパスによって年収は大きく変わり、特に経験を積んで職長や独立することで、より高収入を目指せる可能性が高くなります。
自分の技術力を高め、責任のある仕事を任されることで、さらなるキャリアアップが可能です。
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稼げる職人ランキングTOP10!収入アップのイメージや将来性まで
鳶職(とび職)を目指すためには、いくつかの資格やスキルが求められます。
しかし、エルラインでは未経験者でも安心してスタートできる環境を整えています。
入社後に必要な資格を会社がサポートして取得可能で、専門技術を一から学べるため、経験がなくても安心して挑戦できます。
資格を取得することで、鳶職としての専門的なスキルが身につき、さらなる成長が期待できるのです。
以下に、鳶職に必要な資格や現場で役立つスキルについてまとめました。
足場の組立て・解体・変更の作業に従事する全ての作業員は、「足場の組立て等の作業に係る特別教育」を受講することが義務付けられています。
受講内容:
受講時間: 学科7時間、実技1時間(計8時間)
高さ5メートル以上の足場や吊り足場、張り出し足場の組立て・解体・変更作業を行う現場では、「足場の組立て等作業主任者」の資格を持つ者を作業主任者として選任することが求められます。
受講資格:
講習内容:
講習時間: 学科13時間、修了試験1時間(一般的に2日間)
クレーンを使用して資材を吊り上げる際に必要な資格です。鳶職(とび職)の現場でも、重量物の移動や設置の際に役立ちます。
受講資格: 特になし
講習内容:
講習時間: 学科12時間、実技7時間(計3日間)
鳶職の技能を証明する国家資格で、1級から3級まであります。特に1級を取得すると、独立や職業訓練校の講師など、キャリアの幅が広がります。
受験資格:
試験内容:

鳶職(とび職)は、建設業界で最も身近でありながら、最も重要な職種のひとつです。
しかし、その社会的評価やイメージは、業界内と一般社会で異なることが特徴です。
ここでは、鳶職(とび職)に関するポジティブな評価・ネガティブな評価・近年の変化を整理して紹介します。
エルラインでも、「Change The Status of TOBI」を掲げて、以下のSNSで情報発信をおこなっています。
よろしければフォローをお願いします。
| ポジティブな評価・イメージ | ネガティブな評価・イメージ |
|---|---|
| 建設業界の「縁の下の力持ち」 | 3K(きつい・汚い・危険)のイメージがある |
| 仕事が安定していて需要が高い | 高所作業のため事故リスクがある |
| 独立しやすく、高収入が可能 | 社会的評価が低いことがある |
| 仲間意識が強く、成長しやすい | 若手のなり手が減少している |
| SNSでカッコよさが再評価されつつある | 見た目や話し方で誤解されることがある |
鳶職は専門分野によって大きく3つに分かれます。
| 種類 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 足場鳶 | 足場の組立・解体 |
| 鉄骨鳶 | 建物の鉄骨組み立て |
| 橋梁・重量鳶 | 橋の建設や重量物の据え付け |
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重量鳶とは?普通の鳶との違い・仕事内容・適正を現役鳶職人が解説!
職人の正確な統計データはないですが、業界の規模や需要から以下のような比率になると推測できます。
| 鳶職の種類 | 人数比率(推定) | 理由 |
|---|---|---|
| 足場鳶 | 約 60〜70% | 戸建て・マンション・ビル・工場など、あらゆる建設現場に必要。全国どこでも仕事がある。 |
| 鉄骨鳶 | 約 20〜30% | 高層ビルや大規模建築の鉄骨組立がメイン。足場鳶よりも現場数が少ない。 |
| 橋梁・重量鳶 | 約 5〜10% | 高度な技術と資格が必要。大型プロジェクトが中心で職人数が限られる。 |
鳶職(とび職)は、建設現場において欠かせない重要な職業です。足場を組み立て、安全な作業環境を作ることはもちろん、鉄骨の組み上げや橋梁工事など、大型プロジェクトにも携わることができます。
未経験からでも始められる職業ですが、資格取得や経験を積むことで収入が大きくアップし、独立して高収入を得ることも可能です。
デスクワークではなく、屋外で体を動かしながら働けるため、アクティブな人に向いています。
資格を取得し、技術を磨けば長く安定した収入を得られる職業です。独立すれば、年収1000万円以上も夢ではありません。
鳶職は、仲間と協力しながら作業を進める仕事です。現場での信頼関係が重要であり、助け合いの精神が根付いた職場環境が特徴です。
経験を積めば、職長や施工管理者などの管理職へのキャリアアップが可能です。現場作業だけでなく、指導者や経営者としての道も開けます。
以下の項目に当てはまる人は、鳶職として活躍できる可能性が高いです!
もし3つ以上当てはまるなら、鳶職に向いている可能性大!
ステップ1:未経験OKの企業に就職する
ステップ2:必要な資格を取得する
ステップ3:現場経験を積みながらキャリアアップ
建設業界は今後も需要が高い業界のひとつです。特に都市開発やインフラ整備が進む中で、鳶職(とび職)のスキルを持つ職人の需要は年々増加しています。
さらに、近年では建設業界のデジタル化が進み、安全対策や作業環境の改善が進んでいます。
これにより、「危険な仕事」というイメージが払拭されつつあり、若い世代の一部の間では、少しずつ注目される職業になっています。
「職人の技術」+「IT技術」の融合が進むことで、鳶職(とび職)の働き方も大きく変わっていくでしょう。
鳶職は、自分の技術を磨きながら、社会に貢献できるやりがいのある仕事です。
興味がある方は、まずは資格取得や見習いからスタートし、実際の現場で経験を積んでみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
鳶職(とび職)は「危険な仕事」というイメージを持たれがちですが、実際には建設業界に欠かせないプロフェッショナルな職業です。
この記事を通じて、鳶職の魅力や将来性について理解を深めていただけたなら幸いです。
「鳶職(とび職)に興味があるけど、一歩を踏み出すのが不安…」という方は、一度エルラインの鳶職(とび職)での働き方について、直接お話を聞いてみませんか。
もし、少しでも興味のある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
まだ「鳶職になるかも決めてないよ」「転職するかも迷っている」という方でも、まったく問題ありません。
お待ちしております。
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